10月下旬に発表されたビアレッティのエスプレッソマシン。
会場での試飲が、とても美味しく、周りのエスプレッソ好きには、すぐ教えて廻ったほどです。
今回は実際に使って見たレポートです。
■イタリアのファニー・デザイン
イタリアン デザイン。
女性に聞くと必ず「カッコイイ」といいます。
確かに、アルマーニのスーツはカッコイイですし、フェラーリ、ランボールギーニなどのスポーツカーも全部イタリア製。
他の国のクルマメーカーも、デザインをイタリアのデザイナーに発注します。
ところが、その一方、ルパン三世が「カリオストロの城」で乗っているクルマ。
あれもイタリア製です。
名は、フィアット社の「フィアット500」通称:チェクチェント(ハツカネズミ)です。
名の通り、イタリアの大して広くはない石畳の路地まで入ることができるように設計されたクルマです。
最も映画では、同じイタリアのアバルト社の手により改造されたアバルト500を元に、さらに後部フードが開き、とてつもない動きをしますが・・・。
アバルト社は、市販車をレース仕様に改造する会社です。
エンブレムはサソリ。
ルパンの乗っているクルマにもしっかり描かれています。(と記憶しています・・・)
それはさておき、私はその国を代表するデザインは、どちらかというと粋を集めた憧れのデザインではなく、ファニーなデザインの中にあると思います。
イタリアを代表するスクーター、ヴェスパの往年のデザインもそうでしょう。
また、イタリアの各家庭に必ずあるといわれているビアレッティ「モカ エクスプレス」もそうです。
■デザイン
「タジッシマ」とはカップの意味です。
確かに、横から見るとコーヒーカップの形です。
そして、真ん中に、かのオジサンマーク。
どー見ても、カッコイイというよりファニーですよね。
■味
一番の美点は、美味しいこと。
エスプレッソを一番飲むのは、イタリアとフランス。
伊達に、深めの焙煎をフレンチロースト、イタリアンローストというわけではないのです。
そのイタリアの味の再現です。
イタリアでは、各地で味の好みが違います。
「ミラノ」「ベネチア」「トリノ」「ローマ」「ナポリ」が再現されています。
どれも美味しい。
私のお気に入りは、ベネチア、トリノ、ナポリ。
特に、トリノは美味しい。
このチョコレートを思わせる豊かな香りと味を、夕食後味わうのですが、幸せの瞬間です。
他のカプセルも癖があります。
が、慣れると病みつきです。
ちなみに、ストレートコーヒーの場合は、豆の味がストレートに出ます。
このため豊作の場合と、不作の場合とで、味が変わるのは当たり前です。
豊作の年は、美味しく飲みいいのですが、不作時はイヤなものです。
それを回避する技術がブレンドです。
ブレンドは、元々新しい味を作る方法でした。
が、一度できた味をキープするのにも有効です。
日本では、あまり使わない手法です。
単一民族、素材優先の国民性ですからね。
多民族、しかも植民地からいろいろな物資を、持ってくることができた時代から飲まれたコーヒーです。
品質は、玉石混合。
その中から、新しい味を出すと共に、同じ味を出す技術として、ブレンド技術は発達しました。
ブレンドという技術は、別のところにも名前を変えて息づいています。
音楽のオーケストラ。
ハーモニーとは、音のブレンドに他なりません。
私は、ヨーロッパ文化を形成する重要な核だと思います。
ビアレッティのカプセルで、十分堪能してください。
■エスプレッソの淹れ方
「タジッシマ」は、エスプレッソを3つのモノから淹れることができます。
「カプセル」と「カフェポッド」、そして「コーヒー豆」からです。
どれを使うのかは、ユーザーさんの自由ですが、私は、「カプセル」と「カフェポッド」を使うユーザーさんにお勧めしたいと思います。
エスプレッソの語源は「急行」という意味で、コーヒーを早く飲めるという意味で付けられたものです。
量は、30cc。3〜5口です。
飲む時間は、長くて10分ですね。
仕事仕事の合間の短い休みにとるビタミン剤という感じです。
どちらかというと、都市が似合う飲み物です。
豆から対応すると、正直かなり手間。
時間も掛かります。
嗜好品ですから、それを楽しむ手もありますが、「カプセル」と「カフェポッド」の様に何時も味が一定というわけには行きません。
もし「コーヒー豆」をメインとお考えでしたら、別のエスプレッソマシンをお勧めします。
ということで、「カプセル」と「カフェポッド」で話を進めます。
「カプセル」は、ビアレッティが販売しているモノです。
その他のメーカー品は使えません。
「カフェポッド」は、世界統一規格品。
いろいろの豆メーカーのモノが使えます。
しかも1-2年は優に保存できますので、見つけた時に買って置くわけです。
ヨーロッパ旅行などは大チャンスですね。
向こうのスーパーで買ったもので、1-2年楽しめるわけですから。
カプセルが5種類(ノンカフェインを入れると6種)ですので、カプセル数が少ないなぁと思った人にも満足頂けると思います。
UCCを筆頭に、KUN、@velli(アヴェッリ)、illy(イリー)、LAVAZZA(ラバッツァ)、Musetti(ムセッティ)、KIMBO(キンボ)、Segafredo(セガフレード)等々、いろいろなメーカー出しています。
淹れ方は簡単。
後ろの水入れに、水をセット。
そしてカプセル、もしくはカフェポッドをホルダーにセット、マシンにセットします。
ここでビックリなのは、フロントからずぽっと入れ込むことです。
操作は非常にし易いのですが、位置がズレやすい。
エスプレッソマシンは、加圧を含め、正確なことが求められるので、位置は重要です。
これを行っているのは磁石です。
途中まで入れると、磁石で正確な位置に導くのです。
イタリアの家電は、色々と大胆な試みがなされますが、その1つですね。
でスイッチ・オン。
抽出ランプが点滅を始めます。この間は、ヒーター部を温めているわけで、少し待ちます。
その間に、エスプレッソを美味しく飲むコツをお教えしましょう。
1)温度 | 67℃での飲む。抽出温度は90℃なので、カップを温めておけば大丈夫です |
2)抽出量 | 30cc。マシンの抽出条件が、この時美味しく飲めるようにセットされています。私は、体積の分かるカップを使っています。 |
3)砂糖 | ノンカロリーでも構いませんが、ちょっとした甘味が、美味しい酸味と苦みをより引き出します。 |
さて、用意が整ったようです。
まず、サイドにあるツマミを左に回します。
すると、お湯が出てきます。
これでカップを温めます。
温まったらお湯を捨て、カップは所定の位置に。
ツマミを左に。
20秒後、美味しいエスプレッソがでてきます。
30cc入れたらストップ。
さああとは、砂糖を適量入れて飲んでください。
おっとそのまえに、十分香りを楽しんでください。
楽しいカフェタイムの始まりです。
■カプチーノのレベル
さて、次はエスプレッソを使ったバリエーション、カプチーノにトライします。
カプチーノに使うのはフォームミルク。
スチームで、温ため泡だだせたミルクです。
より正確にいうと、フォームミルクを作る元になるスチームミルク(スチームで温めたミルク)も同時に必要です。
エスプレッソ:スチームミルク:フォームドミルク=3:3:4。
ミルクは、温めることにより、段々粘り化、ツヤなどが出てきます。
また、やや甘めになります。
これは熱により中のタンパク質が変性を始めるからですが、65〜70℃までは基本ミルクです。
これを利用して泡立たせてやるわけです。
これをきちんと行うには、「ミルクジャグ」といわれる温め、泡を作るための専用容器と、連続でスチームのみを吹き出す「エスプレッソマシン(スチームマシン)」、それと「腕」が必要です。
素晴らしいバリスタが作る泡は、芸術品。
香り、柔らかさ、色、ツヤ、味、全てにおいてです。
中でも出しにくいのが、柔らかさです。
タジッシマは、それを機械が自動で行います。
ユーザーは、ミルクジャグで温度管理を手がけるのが仕事です。
ビデオ録りしてみましたので、見てください。
そうそう、実際はカプチーノカップを使うのですが、前日、子供に壊されてしまい、マグカップを使いました。
マグカップは、ファイヤーキング。
耐熱ミルクガラスのマグカップです。
ファイヤーキングは1976年で生産終了していますが、このミルクガラスを惜しみ、日本で再開発され、今も新製品が入ります。
こちらの方がみなさんにも分かりやすいかも知れません。
また、ビデオの中で、エスプレッソの量は適当としていますが、30ccが最も美味しいのは、エスプレッソと同じです。
すげー。
見た目はキレイ。
やはり一番違うのは、唇の感触ですね。
ちょっと固いのです。
厳しいことを書きましたが、でも、日本でも有名なシアトル系のカフェと比べると、イイ線だと思います。
味はOK。美味しいです。
ちなみに、スチームの実際をビデオ撮りしてみました。
参考映像です。
■結論
何たって、エスプレッソが美味しいことが、素晴らしい。
また、カプチーノもかなりのものです。
またユーモア タップリのデザインもいいです。
今、日本に足らないのは、余裕とユーモアです。
学生の時はいじめ、就職時はブラック、リストラ、その上、日本の将来は明るいとはいえません。福島原発の処置、年金問題等々。
隙など見せられません。
その時に必要な余裕とユーモアを、タジッシマは持ち合わせています。
生活をいろいろな意味で潤すことができます。
「太鼓判」のお勧め商品です。
ちなみに、デザインに溶け込んでいますが、タジッシマの上面はカップウォーマーになっています。使わない時でもカップ置き場に使えます。
無駄がないのは、優れた生活家電の証拠でもあります。
商品の詳しい情報は、ビアレッティのホームページにて、ご覧ください。
http://bialetti.jp/
オンラインショップはこちらから
http://bialettishop.jp/index.php
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