スティック型掃除機戦線異状あり
三菱、新型スティック型掃除機「iNSTICK(インスティック)」
サイクロン掃除機の登場以来、海外メーカーに対し、後手後手の感があった掃除機分野。
スティック型掃除機も、その例にもれません。
が、今回発表された、三菱の新型スティック型掃除機「iNSTICK(インスティック)」は、その構図を変えてくれそうな掃除機です。
■デザイン
これほど、「クール」という形容詞が当てはまるデザインも珍しい。
今まで、スティック型掃除機のイメージを引っ張ってきたデザインが、エレクトロラックス社のエルゴラピードの、「部屋中の箒」だとすると、これは全く異質。
どの部屋にあっても、和室にあってすら違和感のない「オブジェ」といってもイイと思います。
もう一つ付け加えますと、どの方向から見ても破綻な部分はありません。
シャンパンゴールドと、落ち着いたダークブラウンの組み合わせも、綺麗です。
この「クール」なデザインの基本は「そぎ落とし」にあると思います。
モノをとことん詰めた時に現れる機能美を感じさせます。
■機能:吸引力
台座から、掃除機を外すと、取っ手ハンドル形の掃除機が現れます。
パワースィッチは、やや遠い位置にあります。
パワースィッチを近くすると、台座に戻す時に、誤って押す可能性があるための措置だそうです。
ちょっと持たしてもらいました。
掃除機のポール長さは可変型ではありません。
しかし、縦型収納のため、適切な長さになっており、ほとんどの人は違和感なく使えると思います。
重さは、2.1kg。
軽量化のため、カーボンを練り込んだ樹脂を使うなどの工夫がなされており、前記の可変型でないポールの採用も軽量化のための工夫です。
しかも日本製らしく、パワーブラシ採用のヘッドなので、扱いは極めて楽。
使用時の重さは余り感じられません。
ゴミをためる集じん部とゴミを遠心分離するサイクロン部を別にした三菱独自のサイクロンシステムを使った吸引力も、トップクラスに入る強力さです。
小麦粉状のモノを絨毯に巻いて吸わせて見ましたが、
■機能:排気
掃除機はゴミを吸い取る家電ですが、昔と今はかなり違って来ています。
特に違うのは排気ですね。
これは使われかたが違ってためといえます。
昔は、窓を開けて、そして掃除機を掛けていましたが、今は窓を開けずに掛ける人も多い。
家にいるのは夜だけ、花粉が多くて窓が開けられないなど、いろいろな理由があると思います。
とにかく、密閉空間で使用しても問題ない掃除機が必要なわけです。
先に書いた通り、三菱はゴミをためる集じん部とゴミを遠心分離するサイクロン部を別にしています。
ためたゴミの中を空気がほとんど通らないシステムです。
そして、ゴミを99.9%取ってしますのですが、排気に対しては、さらに2つのフィルターを用意しています。
モーターガード用のHEPAフィルターと、モーター周りに位置する高性能フィルターです。
使ってみましたが、排気が体に掛かる感じもありませんし、
今の要求に沿ったクリーン排気システムです。
■機能:空気清浄機
空気中の浮遊物を捕まえる空気清浄機と、掃除機は似た機能です。
空気を大量に「吸い込み」、「ゴミ」を除去するわけですので。
このため、三菱は充電中のインスティックに、空気清浄機としての性能を持たせました。
能力は8畳の部屋を51分。
細い棒ですから、空気の取り入れ面積が狭いためですが、メインで使うにはモノ足らないですね。
また、空気清浄機は、空気を下から吸って上から出すのが通常です。
重い浮遊物も吸い込むための工夫です。
インスティックは、吸い込み口は上、キレイな空気を出すのが下です。
では、この機能は無駄なのかというとそうではないと思います。
インスティックを部屋の真ん中に置く人は、余りいないと思います。
置くとしたら壁際です。
私は、ここで窓側、戸側に置くことを提案します。
要するに浮遊物が入ってくるところです。
ここならば、重い浮遊物も舞い上がりながら入ってくるので、十分捕らえられます。
残った分はメインの空気清浄機がとるのですが、先手必勝の使い方をするのです。
しかも戸口の場合、コートを脱ぐことも多い。
春先、花粉は服に付いてきて、脱ぎ着する時に室内で飛散するのですが、それを抑えてやろうというわけですね。
上手く使えば、とても便利だと思います。
■その他
ゴミ捨ても簡単です。
またダストボックス他、基本水洗いが可能です。
バッテリーはリチウム・イオン。
1000回の充放電といいますので、3〜4年間持ちます。
買い換えまでに、1回交換という感じですね。
2時間でフル充電。また90%を70分で充電する急速充電も選択できます。
掃除時間はフル充電、標準で20分、強で10分。
標準での吸い込みが強いので、20分掃除ができると考えてください。
アタッチメントは「毛ブラシ」。
充電台の後ろ側に収納可能です。
その他のアタッチメントは、現在検討中だそうです。
■印象
まずデザインにココロ惹かれます。
評価は分かれるでしょうが、小さい面積にすっと立ったデザインはイイ感じですね。
着脱はスムーズです。
ハンドルも無理な感じが全くありません。ポール長さも適度です。
違和感は、電源スィッチに指が届かないことですね。
ここは、何とか対応して欲しかったですね。
もし今の位置しかないというのでしたら、充電台から外して5秒後に電源が入り、充電台に乗せると自動的に電源が切れるなどの工夫が欲しいですね。
初動のわずらわしさは、大きな欠点だと思います。
しかし、他の部分はイイですね。
特にヘッド運びが軽いのと、吸引力が高いのは特にイイです。
後、気付いたのはゴミ捨てですね。
インスティックは自立型ではないので、ダストボックスを外す時に、何かに寄りかからせなければなりません。
しかし、会場で気付いた欠点は、その2点。
逆に、他の部分は、よく出来ています。
総合的には「ようやく海外メーカーと肩を並べるスティック型掃除機が出たな」という気持ちです。
商品のより詳しい情報は、三菱電機のホームページにてご確認ください。
http://www.mitsubishielectric.co.jp/home/cleaner/
2015年2月11日