ウェザーニューズのポールンロボ
室外環境探知家電の可能性と2015年の花粉予測
来月から花粉症の季節に入ります。
私は花粉症ではないのですが、息子が重度の花粉症で、現在、季節到来に備え、空気清浄機のフィルター交換などをしています。
そんな中、家にあるとイイかもと思ったのが、ポールンロボです。
■花粉の管轄は?
私は、空気中の中で注意すべきモノとして「花粉」「黴菌」「ウイルス」「PM2.5」を上げます。
これらは「予報」なども出され、ニュースでは「お天気コーナー」で報道されますが、管轄は気象庁ではありません。
気象庁の管轄は、「天候」ですからね。
「気圧」「気温」「湿度」「降水量」「降雪量」「積雪量」「風向」「風速」「日照時間」「全天日射量」「雲」「視程」「大気現象」などが気象庁の管轄下に入ります。
「PM2.5」は大気汚染に属するので、環境省の管轄です。
流行する「黴菌」「ウイルス」は、厚生省の管轄です。
さて「花粉」はどうでしょうか?
花粉は、昔から大気の中にあります。
また、花粉症を引き起こし、人を苦しめます。
ということでは、厚生省の管轄なのでしょうか?
実は「環境省」です。
環境省は、まず「大気汚染防止法」に基づく汚染物質が、今どんな状態にあるのかわかる監視システムを持っています。
愛称は「そらまめくん」。
チェックできるのは、「二酸化硫黄(SO2)」「一酸化窒素(NO)」「二酸化窒素(NO2)」「光化学オキシダント(OX)」「非メタン炭化水素(NMHC)」「浮遊粒子状物質(SPM)」「微小粒子状物質(PM2.5)」そして「風向・風速」「気温」です。
この中に花粉は含まれていません。
環境省花粉観測システムは別途用意されています。
愛称は「はなこさん」。
飛散状況の大枠が分かるようになっています。
■今までの方法で取れないゲリラ豪雨
「ゲリラ豪雨」という都市型の夕立があります。
夕立と書いて見たモノの、夕立のような詩情は全くありません。
低地だと排水溝から水が溢れ、坂の下の交差点が軽く浸水するのは日常茶飯です。
ゲリラ豪雨は、災害に直結する可能性があるため、リアルタイムで状況を知る必要があり、現在、従来型の情報強化と、多数の利用者から情報を入れてもらう2つの方式で追いかけられています。
というのは、ゲリラ豪雨が、エリアが極めて狭いこと。
そして、極めて短時間で、危ない状態が来るからです。
従来型というのは、気象レーダーのデーター処理の高速化です。
今まで30分に1回だとしたら、それを5分に、1分に詰めて行きます。
と書くと簡単そうですが、6倍、30倍の処理能力を要求されています。
当然ながら、中々進みません。
多数の情報を入れてもらう方法は、ボトムアップ型といえるでしょう。
こちらはこちらで、多くの問題を抱えます。
情報を入れるのが、素人ですからね。
一定の目で見ることは難しい。
しかも、雨が降っている、降っていないのようにON/OFFでないと処理しにくい。
問題は多くあります。
■花粉観測のポイント
花粉は、気象、大気汚染物質とは一寸違います。
それは、空気の中の汚染物質より重いです。
つまり、近場でも分布が違うことは意味します。
大きな建物で、風向きが独特のため、花粉がないエリアもあると思います。
私の家は、世田谷区。
「はなこ」の観測所は、文京区の日本医科大学付属病院、東京小平市の多摩小平保健所。
家からはスゴく離れています。
実際、息子にいわせると、「天気予報の花粉情報と、実際はイマイチ合わない」そうです。
ここで出てくるのが、ウェザーニューズのポールンロボ。
ウェザーニューズが開発、使い始めて10年以上。
実績十分のロボットです。
花粉の観測は、ある面積の中に落下した花粉の数をレーザーで検知、観測します。
そんなに複雑な構造ではありませんが、継続観測ですからね、
市販されていず、毎年1000人の里親を募集しています。
平均して、各県に20台以上ある計算ですから、今までより全然精度があがります。
これはウェザーニューズのメリットになります。
「はなこ」より観測地点が多いですからね。
■いかにも日本らしい仕様
ポールンロボを取り上げたのは、その外見にあります。
頭だけの「テルテルボウズ」ですね。
見ようによっては、かなり怖いといってもいいかも知れません。
なんたって「頭」だけですからね。
ハロウィンの「カボチャ」は、Jack-O’-Lantern(ジャックオゥランタン)と呼ばれる天国にも地獄にも行くことができずさまよえるジャックのランタンですから、こちらは怖くても当たり前なのですが・・・。
日本人は、モノを擬人化するのは大得意です。
これは「付喪神」の伝統があると思います。
付喪神は、長年(一節には九十九年。九十九は「つくも」とも読みます。)使ってきた道具が、それなりの神様になるというお話です。
室町時代の百鬼夜行図に、その姿を見ることができます。
日本の神は、八百万の神。
山川草木、自然のモノには、何にでも神が宿ります。
人が創造したモノでも、劫を経たら、神になるようです。
神といっても、実際は、妖怪変化になるわけで、琵琶の付喪神は、実写版の「ゲゲゲの鬼太郎 千年呪い歌」でました。
ユルキャラも同様。
人気者の「ふなっしー」も、見ようによっては妖怪も同然ですからね・・・。
ま、ポケモンも妖怪も、子供から絶大な人気。
そんな感じですね。
テルテルボウズも一種の呪術ですからね。
妖怪の一種でしょうかね。
ポールンロボは妖怪らしく・・・、ではなく、花粉の量を光る目の色の違いで知らせます。
実は、欲しいと思った最大の理由はこれです。
「リアル花粉量」がわかることです。
子供を少しでも助けてやりたいですから。
■室外環境探知家電の可能性
現在の家屋は密閉性がイイです。
逆な言い方をすると、家の中は夏、外は冬ということもあるわけです。
そうすると、外に出る時に体がショックを起こすことがあります。
良い例が、ヒート・ショックですね。
ということだけでもありませんが、室外センサー家電という分野があるのではと思います。
「気圧」「気温」「相対湿度」「雨、雪の有無」「オキシダント」「PM2.5」「黄砂」「花粉」を測定できるセンサーを1つにまとめたものです。
雪国だとこれに「積雪量」、今の日本だと「放射線量」を加えてもイイかも知れません。
落語の「三軒長屋」に、「武士が一夜でも住まえば、(長屋と言えども)城郭に等しきモノ。表は大手、裏は搦め手だ。前のドブは内堀だ。引き窓は櫓に見立ててある。それを何、店立てとは城明け渡しに等しきことを申すやつ。貴殿の御助勢は受けん。拙者一人で伊勢官(人名:伊勢屋官兵衛。悪い大家。)滅ぼして見せる。門弟ども戦争の準備を致せ!縁の下に地雷を!」という台詞があります。
今は亡き、三代目 三遊亭金馬師匠だと、立て板に水の名調子なのですが、最近、家というとこの一節が思い出されます。
つまり、劣悪な環境から身を守るのは、家に課せられた大事な役目というわけです。
大仰にいうと、「今の家は城も同然。花粉を含め、汚染大気からこの身を守るためにある!」というわけです。
で、見事守り通すためには、斥候(忍び)を駆使するのですが、それがさっきの室外家電です。
今までと違うのは、PCでデーターを管理できることが、各家庭でも可能になっていることです。
そうすると、大枠の予想に加え、いろいろなことができます。
どことなく愛嬌がある「ポールンロボ」の顔を見ながら、そう考えました。
そうそう、これに欲しい機能が一つ。
「カラス撃退」機能です。
■2015年の花粉予想
ところで、ポールンロボを使っているウェザーニューズさんのプレゼン資料です。
詳しい情報は、ウェザーニューズのホームページにてご確認ください。
http://www.weathernews.com/
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2015年1月8日