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花粉症に有効な家電
花粉問題対策事業者協議会 2014年度 秋季フォーラムより


元日に、「総合的な視野」の話を書かせて頂きました。
書くと簡単ですが、一人の視点では視野が当然狭くなるので、なるべく多くの人に参加をとすると、まとめることすらできない状態になってしまう。
しかも、いろいろな問題が、微妙に絡んでいるために、1つ要素を変えることになると、修正に継ぐ修正が必要になるので、スゴく手間がかかります。
このため、実質的には一度決めたモノは、少々強引でもしてしまう方が楽です。
ところが、お役所的といってもイイこの行動は、ろくな結果を生みませんね。

それを避けるポイントは、ビジュアル化し、論理的ではなく直感的に結果を把握できる様にすべきということです。

 
■花粉問題対策事業者協議会
昨年12月3日に「花粉問題対策事業者協議会 2014年度 秋季フォーラム」が開催されました。
2012年3月に設立された民間の協議会です。
設立理由は、「花粉問題に取り組む企業や研究機関が中心となり、花粉問題への取り組みを多様な角度から検討し、より効果的・効率的な対策をオールジャパンで進めるため」だそうです。

現在、参加しているのは、サントリーホールディングス(株)、ダイキン工業(株)、武田薬品工業(株)、日油(株)、三菱電機(株)、ユニ・チャーム(株)、(株)ADEKA、(株)ウェザーニューズ、(株)NTTドコモ、塩野義製薬(株)、田辺三菱製薬(株)、帝人ファーマ(株)、名古屋眼鏡(株)、
ロート製薬(株)の14社です。

薬品会社が目立ちますが、割と多岐に渡っています。
総合的に見るための基本は抑えられていますね。

 
■花粉問題イメージ図
今回の発表は、どれも中々力が入っていました。
まず、全ての基本となる「問題イメージ図」をお伝えしたいです。

花粉問題対策イメージ図_001 これは、飛んできた花粉により花粉症が発症するまでを、「花粉の生成」「飛散」「曝露」「発症」にわけ、横軸を時間軸としてイメージを図化したモノです。
上下に、「現状」と「対策後」を並べ、どの様に変えることができるのかを示します。

 
例えば「曝露」です。
花粉を体内に取り込むことです。

「現状」では、次のようなシーンです。
女性が家に入ってきます。
同時に花粉も入ってきます。
服を脱ぎます。
そして部屋の中に、花粉が舞い散っています。

意味するところは、花粉が家に入るのは、戸・窓の開け閉め、そして衣服によるというものです。

 
「対策後」になると、
女性は家に入る前に、服を脱ぎはらっています。
部屋では、エアコンと空気清浄機が作動しています。
女性は掃除機をかけています。
そしてTVでは花粉飛散情報を流しています。

意味するところは、家の中に花粉を入れない工夫をする。
これが「服をはらう」ということです。
次に、エアコンと空気清浄機で、花粉を濾(こ)すわけです。
さらに掃除機で、床の花粉を吸い取るわけです。

 
これを文字で書くとイイようですが、図示すると矛盾が幾らでも出てきます。
例えば、

○玄関で服を脱がないのでは?
○窓を開けての、空気の入れ換えはしないのか?
○掃除する時も、窓を開けないのか?
○エアコン、空気清浄機が両方かかれているのだが、両方ないとだめなのか?
○家自体の換気機能は、どの様に関わっているの?
○洗濯物は、布団の外干しは?
などなど・・・。

 
■曝露対策に有効な家電
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ダイキンのストリーマ空気清浄機
吸引が高い上、ストリーマの花粉への
効果も証明されている。

上の疑問に対しては、今の家電でもかなり対応が可能であるとのことです。
具体的には、「空気清浄機」「洗濯乾燥機」「掃除機」。
さらに「エアコン」「布団乾燥機」があれば、現時点のベストです。

まず空気清浄機は、設置場所が大きなポイントなります。
合い言葉は「花粉を侵入させるな!」です。
つまり窓を開けるときは窓際に、ドアを開ける時は、ドア際がイイわけです。

そして開閉の瞬間は、「強」「ターボ」のように強く動作をさせてやる。
部屋に侵入しようとする花粉をキャッチするわけです。

 
次は入ってきてしまった花粉に対してです。

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左から、加湿機、ふとん乾燥機、掃除機。
いずれも三菱電機製。
中でも掃除機「風神」は、よくできたモデル。

方法は2つ。
1つは掃除機です。

現在の掃除機は、排気が極めてきれい。
これを別の言葉でいうと、花粉は必ず吸い込んでくれます。
ポイントは、「ゆっくり静かにかける」ことです。
とにかく、軽い花粉が相手0.5g/cm3ですからね。

ゆっくり静かにかけると、アレルゲン物質も取ることができます。
アレルゲン物質の場合、20秒/m2がよいとされています。
花粉の目安にもなると思います。

ちょっと気に留めて置いて欲しいのは、ゴミ捨てです。
紙パック式は、細かいホコリが再飛散することはないのですが、サイクロン式は、再飛散します。
サイクロン方式の泣き所ですね。
サイクロン式のゴミ捨てでの推奨は、「ビニール袋の中でダストボックスを開けること」です。ちょっと面倒臭いですがね。

 
部屋の中、飛翔した花粉に対しては、またまた空気清浄機の出番です。
この時のポイントは空気の流れ。

空気の流れを作るために、エアコン併用もありです。
設置場所は、エアコンの反対側です。
エアコンの風は床に落ちるようにします。

床を這うような気流が、重い花粉を空気清浄機に寄せます。
空気清浄機は下から吸って上から出すのが基本です。
花粉を伴った気流は、空気清浄機できれいにされ、上から出、エアコンに戻ります。

空気清浄機単体でも、同様なことはできますが、エアコンとタッグを組むとさらに強いわけです。
エアコンは、「送風」モードで十分。

 
もう1つポイントがあります。
「最初、強く運転させる」ことです。

目安は、部屋容積、1回以上です。
時間は30分空気清浄機は、一番強いモード:30分で、粉じん濃度:1.25mg/m3を、ビル管理法で定める0.15mg/m3にできるように設計されているのが常。です。

 
さて、洗濯物です。
できる限り、室内干しが望ましい。
花粉の多い時期だけ、乾燥機を使うのも手です。
外干し希望の人は、取り込む時によく振るってやることです。

 
で、次は布団です。
ホコリダニと違い、中に中への入り込む修正はありません。
通常の掃除機にフトン用のアタッチメントを付ければOKです。

同時にダニ退治を考えている人は、布団乾燥機との併用を!
布団乾燥機は、高熱でダニを殺すことができる機能を持っている製品が多数あります。
そうやってダニを殺してから、死がいを掃除機で吸い出すのです。
今、できるのはこんなところです。

 
主役といわれると空気清浄機になると思うのですが、それだけでは不十分です。
外出時の衣類、洗濯物、布団の外干しで室内に運び込まれるのは、全体の40%に当たるそうです。
後の60%は換気ですね。

参考になったでしょうか?

 
■補足
高級木材として「スギ」は欠かせませんし、日本は高いモノを育てなければなりません。
このためスギを否定することはできませんが、花粉の制御は可能です。

例えば、春先の風が、伊豆から東京へ花粉を運んできます。
スギが、風上の伊豆半島ではなく、風下の千葉に植えられていたらどうでしょうか?
植生エリアを変えることで対応できます。

また、花粉の少ない品種に変えるのも一つかも知れません。

 
飛散への対応は、長くなるので、別稿で書きます。

 
曝露に関しては、小物対応もあります。
眼鏡、マスクですね。

今回は眼鏡をご紹介。
名古屋眼鏡(株)の花粉防止グラス「スカッシー」です。

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名古屋眼鏡(株)の花粉防止グラス「スカッシー」。
たぶん最も安全な花粉症対策眼鏡。普通の眼鏡として使えるほど、デザインも洗練されている。


軽くて、抜群のフィット感。
スゴイ素材があるものです。

花粉症ではありませんが、理工学部では、実験の時必ず保護眼鏡が必要です。
これ大学〜大学院にいた頃にあったら、使っていたのに・・・

 
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2015年1月3日

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