年の瀬も近い12/19。
フジ医療器が、新型マッサージチェア「AS-770」発表会を行いました。
技術は史上初の「つかんでほぐす」!
新しい歴史が始まったと、思いました。
■マッサージチェアの買い方
マッサージチェアは、各社ラインナップ戦略を掛けておりますが、多くの場合、最高級品がベストです。
マッサージチェアの目的は、「コリ」をほぐすことにありますので、「やさしく、効果がある様に」しようと思えば、やはりいろいろと機能を持たせられる最高級品がイイ。
しかし、最高級品は50万円近くしますからね。
そう簡単に手が出ません。
このため、型落ち品を狙ったり、特売やアウトレット情報をじっくり探す場合が多くなります。
■「コリ」対象者と増加と商品戦略
その一方、マッサージチェアを必要とする人は増えています。
フジ医療器の木原社長の話によるとスマートフォンが原因だとのことです。
大阪の企業らしく「アップルに足を向けて寝られない」というような冗句も飛び出した位です。
ですから、若い人でマッサージ愛好家は増えています。
しかし景気が回復しつつある米国でも、50万円を製品は右から左へ売れるモノではありません。
フジ医療器は、「全ラインナップ、フルスペック」で手抜かりはないのですが、同じ技術で構成しますと、冒頭述べました通り「最高級品が良い」だけとなります。
ここでよく打たれる手は、最高級品の値下げです。
しかし、制御はデジタルとはいえ、アナログ(機械)パーツを多く使用するマッサージチェアで、その手を使うとコスト割れします。
で、フジ医療器が出した結論は、「売れる魅力を持ったミドル機の開発」です。
要するに若い人(30〜50代)でも買える価格帯の商品をです。
「なぁ〜んだ、そんなの当たり前じゃん」と思うかも知れませんが、今、この様な王道を進んでいるメーカーは少ないです。
メーカーなのに商品で勝負しないメーカーも多い。
社員を養うためというと聞こえがイイがですが、実際はメーカーでなく商社同様の儲け方をしているメーカーもあります。
■AS-770:外観
会場に入るとAS-770が置いてありました。
一目で思ったのは、「小さい」ということです。
事実、最高級機種:AS-970より、体積比:30%減だそうです。
そうですね、国際線のビジネスクラス対エコノミーのサイズ差がある感じと言った方がイイかも知れません。
しかし、ダウンサイジングした感じが全くしない。
それよりも、中身がズシッと詰まっている感じです。
イイものが持っている迫力があるのです。
145〜185cmの日本人を想定して作っているとのことで、まあほとんどの人に問題ないと思います。
そして、今回初導入の赤色。
色の雰囲気がイイですね。
イタリアの高級カーブランドにマセラッティがあります。
昔、ビトゥルボの試乗をさせてもらったことがありますが、ぶっ飛びましたね。
白レザー。
ある評論家は、シルクの女性用高級下着に例えていましたがね。
そこまでではないですが、イイ赤です。
赤漆塗りの椀を、夕方、日本家屋のかなり薄暗い中で見たような感じと言うべきでしょうね。
家電ですからね、安らぎの場である家に相応しい「しっとりとした高級感」があります。
■AS-770:技術
肩をもむ時、人間は「つかんでほぐします」。
今までのマッサージチェアは、「こねる」ような動きをします。
しかし、AS-770は、つかんでほぐすわけです。
もみ玉の突出量は、最大10cm。
こねる動きの場合、突出量との関係は何となくなのですが、AS-770はスゴく正確に分かる。
人間のマッサージ師へ注文を出しているような感じで、ダイレクトです。
このためリモコンの扱いが極めて楽です。
次にイイのは全身ポカポカになる「温浴背ヒーター」です。
手で行うマッサージが良いのは、手が暖かいことです。
例えば、子供がお腹が痛い時、母親は無意識の内にお腹をなでます。
この行為を何故するのかという理由の中に、「患部を手で温め、痛みを緩和させている」ということがあります。
お風呂もそうですね。
人間、暖かいとリラックス、つまりマッサージの効果が出やすくなるのです。
温浴背ヒーターは、背もたれ内部にセットされたヒーターが温風を送り出し、温風を蓄熱する特殊構造の背パッドを通じて、腰まわりから背中全体にかけてじんわりと温めるシステムです。
雰囲気は岩盤風呂ですかね。
足の方も「足裏ヒーター」がありますので、問題ありません。
■第一印象
小ぶりのAS-770を使ってみました。
筆者の身長は、170cm弱。
マッサージの時は、枕を使いませんので上にずらし、そして私は肩幅がありますので、肩部を拡げます。
あとはチェアの方で肩位置など全部合わせてくれます。
コースは次の5コース。それぞれ15分です。
全身疲労回復 | 全身をくまなくマッサージ |
全身集中 | 部位ごとにじっくり集中的に。 |
肩疲労回復 | たまった肩・背部の疲れに。 |
腰疲労回復 | 腰まわりのコリや疲れを念入りケア |
ストレッチ | 背すじを伸ばしてすっきり |
感じるのは、「手マッサージにより近くなった」なぁということです。
個人的には「押し込み感がある」のが好きなのですが、まさにそんな感じ。
ツボを心得てもんでくれている感じですね。
で、押し込み量を、やや大きくしてもらいました。
手マッサージでいうと、「もっと強く」というやつです。
ダイレクトに来ます。
AS-970のように、ややソフト目に強くしたのではなく、ビシビシきますね。
気持ちイイ。
そう調整してる内に、背が温かくなってきます。
気持ちイイ。
後は身を任せですね。
終わった後、カスタムコースは作れないのかと聞いてみた所、「ありません」とのことです。
ここは自分勝手な想像ですが、カスタムコースは値段の関係ではなく、作らない方がベターと考えたのではないかと思いました。
というのは、コリはいつも一定ではないからです。
そしてAS-770は、極めてダイレクトな感触で、リモコン操作ができますから、余り面倒でもありません。
例えば、強めの時にカスタムコースを作ったとしたら、コリの少ない時には変えなければなりませんからね。
逆に言えば、手マッサージに近いのもプラスなのですが、リモコン操作とマッサージ効果がダイレクトに結びついているのもプラスです。
いろいろ書きましたが、ミドルクラスとは思えません。
より単純にいえば、「欲しい」と思いました。
サイズも手頃ですし、価格はそれなりですが、AS-970より手を出しやすい。
メーカーの本気度がうかがえる商品です。
商品のより詳しい情報は、フジ医療器のホームページにてご確認ください。
http://www.fujiiryoki.co.jp/
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