掃除機メーカーとしてのアプローチ
コーボルト ロボット掃除機:VR200
ロボット掃除機を手がけているメーカーは、今や世界各国にあります。
日、米、韓、台、英、そしてドイツ・・・。
そのドイツ、コーボルトのロボット掃除機の新製品:VR200を紹介します。
■ロボット掃除機の動き
ロボット掃除機は、「ロボット」+「掃除機」。
「ロボット」サイドからのアプローチをしている代表は、もちろんiRobot社ルンバシリーズですね。
社名にロボットと付いているように、もともとロボットメーカーです。
当然ロボットからのアプローチですが、その特徴は何でしょうか?
それは動きですね。
ルンバは、ランダムに自在に動きます。
同じ所に、都合4回、4方向からアプローチするのです。
ゴミも4方向の内、いずれかの方向は引っかかりが少ないですから、掃除可能というわけです。
合理的な考えですが、実際動きを見ていますと、極めてランダムに動きます。
トリッキーといってもいいし、「昆虫」のようで動きが読めません。
目的に対して極めて合理的なプログラムではありますが、人間的な動きではありません。
ドイツのメーカー、コーボルトは、「掃除機」からのアプローチです。
人が掃除機をかける時の感覚で、ロボット掃除機にアプローチします。
人間が掃除をするときは、エリアを決めて隅から隅まで、そしてコンセントの位置を変え端から端まで。
人間がそこにいるということは、結果確認もできるわけですから、ゴミが吸えてなければ、その場でやり直すのが最も手っ取り早いわけです。
そうすると丁寧に隅から隅というのが最も合理的な動きになります。
隅から隅に動くというのは、システマチックな動きですが、極めて人間らしい動きです。
アプローチの仕方で、こんなにもと言う程、変わるのです。
■VR100とVR200の違い
コーボルトの先代のロボット掃除機:VR100のナビゲーション・システムは、米ネイト社のものをそっくり用いています。
それにコーボルトの掃除機と付け加えたのですが、ネイト社もコーボルトと同じD形ですので、見た目は余り変わりません。
コーボルトの他の商品は、オリジナルですので、非常に珍しい。
理由は、ロボット掃除機市場へ参入するタイミングを遅くするわけにはいかなかったためとのことです。
VR200はVR100の進化系。
こちらもD形です。
外見(上側)は、ほぼ同じレイアウトなのですが、
ナビゲーションは、レーザーレーザーの色は透明を用いたシステム・ナビゲーションです。
根本的なナビゲーションは、VR100と同じです。
が、細部は、コーボルトでチューンしたそうです。
次に、フロントマスクもかなり違います。
今までなかった凹みが3つ。
超音波センサーを仕込んだそうです。
コーボルトのロボット掃除機は、右サイドを壁にこすりつける位寄せて右側にのみあるブラシで隅のゴミを掻き出し、吸い取ります。また、椅子の脚周りなどは念入りに掃除をします。
壁、家具に擦りやすい方法でもあるのですが、「隅から隅」だとこうするしかありません。
で付け加えたのが超音波の目。
確実に進化しています。
さらにVR100より1cm高さが低い。
今まで入れなかった、高さ9cmにも対応。
ロボット掃除機は余りスペースはほとんど有りませんからね。
これは重要なポイントです。
さらにさらに、出っ張り部にはラバーのガード。
当たった場合でも、家具にキズを付けないように配慮しています。
まずは、螺旋を描くように進みながら、巧みにゴミを吸引するところをご覧ください。
が、段差2cmまでは乗り越えることが可能です。
ちなみに、USBを使用し、アップデートすることも可能です。
日進月歩のロボット掃除機ですが、クルマでいうとフルモデルチェンジが必要になるまでは、VR200のアップデートで対応するとのこと。
モデルチェンジが少ない海外メーカーらしい発言です。
■ブラシと吸い込みローラーの位置
VR100とVR200では、ブラシとローラーの位置が逆転しています。
基本ブラシで掻き出して、ローラーで吸い込むわけですので、VR200の方が順序よく吸引される感じですね。
ブラシの形状も変更。
ブラシホルダーの位置も微妙に変更。
細かな変更が光ります。
■フローリングならエコモードで十分
コーボルトの発表によると、VR100と比較して2倍の吸塵パフォーマンスがあるそうです。
で、面白かったのは、その説明時「音は大きいです。」と言い切ったことです。
コーボルトは、元々絨毯屋さんです。
その絨毯を最もきれいにするための掃除機を作り始めたのが、コーボルトの掃除機です。
絨毯は、もっともゴミを吸い取りにくい環境ですからね。
当たり前ですが、音よりもゴミ取りを取ったわけです。
ちなみに、それよりもゴミが取りやすい環境であるフローリングでは、エコモードで十分だそうです。
当然、音は少し小さくなります。
■フィルターは現在のニーズにマッチ。ダストボックスには面白い仕掛け!
ロボット掃除機は、基本密閉された室内で使われます。
しかもコーボルトは一度通った所を通らない、システムナビゲーションですから、排気でゴミを撒き散らかすことはできません。
このために重要なのはフィルターです。
VR200に採用されているフィルターは、300nmのサイズに至るあらゆる粒子を85%の割合でキャッチするそうです。
ちなみにPM2.5が2500nmですから、これはかなりのモノです。
ダストボックスの面白い仕掛けというのは、コーボルトの掃除機でゴミを吸い出せる機構が付いていることです。
コーボルトの掃除機は、「紙パック」方式ですので、ゴミをまとめて捨てるという意味では、とても楽です。
ロボット掃除機のダストボックスは、下手な捨て方をすると飛び散り易いですから、これはイイですね。
■第一印象
今回の発表会の時、自分の手でセットしたわけではないので、あくまでも見た印象です。
ドイツメーカーらしい、きっちりとした動き、吸い込みは、イイ感じですね。
特に、自分の義務を果たすべく、ギリギリまですり寄る動作は好感が持てます。
そして動き方が整然としていますので、お嫁さんが掃除をしている様で、余りロボット掃除機という雰囲気はしません。
しかしTVの音声は聞きにくいレベルですね。ロボット掃除機でもありますので、やはり家を留守にする時に使うべきでしょう。
他の仕様もかなり作り込んだんだという感じがします。
ただロボット掃除機の泣き所は、髪の毛が絡み、ブラシが段々本来の働きをしなくなることですからね。
各社、手入れをし易い工夫をしています。
ここの部分の実力は未知数です。
商品のより詳しい情報は、コーボルトのホームページにてご確認ください。
http://www.vorwerk.co.jp/
2014年12月16日