世の中は無洗米三昧です。
とにかく面倒がいりませんからね。
しかし、風味はどんどん抜けます。
それはそうですよね。
稲は自分の種子を守るために、最外周にモミ、そして内側にヌカを配置。
いろいろなモノから米を守るようにしています。
無洗米は、これを双方とも外した状態です。
無茶な例えですが、生卵を割り、中身が出た状態に近いと考えてもらってもいいです。
■安心できる米、美味しい米
今、生産地を見ないで米、野菜を買う人はまずいないでしょう。
これは何故かというと、安心、美味しさを量るためですね。
「新潟魚沼産のコシヒカリ」。
安全で、美味しそう。
「コシヒカリ」。
目立たぬ所へ「中国産」。
味はともかく、農薬を過剰に使ってそうでいや。
しかし、本当に美味しいのは、良い水田で、良い水、そこの土地に合った銘柄を丹精込めて作ったモノです。
単なる銘柄を超えます。
できれば、知り合いの農家から買い付けられれば最高です。
「いい出来だよ」と共に送られ、「美味しい」となります。
ところが、なかなかこの様な生活ができない。
農家から精米したものを送られると、風味はどんどん落ちますからね。
良い米であればある程、風味の差が激しい。
特に夏場は早い。

米・食味国際コンクールのエントリー米。
風味をおとさないために、玄米で送られてくる。
小まめに精米してもらい送ってもらう手はありますが、パッケージと送料がお米ほど掛かります。
一番イイのは、玄米で買うことですね。
風味の落ちが一番遅い。
そして農家は自分の米は玄米で保存しますので、それから出す分には、手間も少ない。
「安心」「美味しさ」が保証される米ですからね。
■どんな精米機が使いやすいか?
そこで登場するのが、家庭用の精米機です。
ところが精米機を置く家は非常に少ない。
置かない理由のベスト3は次の3つ、
1)設置場所がない。
2)一合だと、精米がうまく行かない。
3)ヌカの処分
では、今の炊飯器のトレンドは何でしょうか?
次の3つです。
1)3合炊きが主流に
2)お米は美味しく
3)分づき米、玄米も美味しく炊ける
炊飯器のトレンドは、高齢化社会の並みをかぶっています。
世帯数に対し、世帯構成人数が下がっているのです。
つまり、一人身で過ごす人が多い。
だから3合というより、1合を上手く炊くために最大容量を下げたと思ってください。
1合でも上手く炊ける。
しかも美味しく炊くための、いろいろなコースがあります。
食事は人間に最後まである欲求の1つですからね。
当然の要望です。
そして老人になれば出てくる欲求が「健康」です。
玄米と白米だと、間違いなく「白米」の方が美味しいです。
これは仕方がない。
が、玄米を3日食べると体調が変わるのが分かります。
一番変わるのは、お通じでしょうね。
するりと出てきます。
そして膝なども滑らかに動きます。
■精米機と現代生活
食事制限はいろいろありますが、一つの方法がお米の工夫です。
玄米で買うのですね。
すると保存が楽。
風味が落ちません。
虫が沸くともいいますが、私が住んでいる東京では沸きませんね。
次に体の調子に合わせ、分づき米を使うことができます。

今回、レポートする精米機。
山本電気のBisen、YE-RC41
特に一人暮らしでは、自分で気を付けることが必要。
一番良いのは、「1日3食、50品目」なのですが、一人暮らしだとまず無理ですね。
しかし、一部、分づき米を食べることにより、完全ではありませんが、サポートすることができます。
精米機は、美食にも有効ですが、健康にも有効。
現代生活の1つの相棒です。
■Bisenのメリット1:精米時間

左)Bisen(美・鮮の意) 白の外観、右)フタをあけた所
で、今回長期使用してみましたのは、山本電気の家庭用精米機YE-RC41「Bisen」です。
一番嬉しいのは、精米時間が短いことですね。
基準となる「白米」、5合で「2分30秒。」!
これは非常に「楽」です。
というのは、途切れずに「家事」を進めることができるからです。
炊飯器を用意するのに丁度イイ位の時間。
これより長いと、ダレてしまい、家事はテキパキ進めることができませんし、これより短いと時間がギシギシした感じになります。
家事で丁度イイというのは、リズムが取りやすい時間。
次の準備をした時に、ほんのちょっと空く位の時間です。
これが続くと、家事が進みます。
しかも気持ちがイイので、疲れがでないです。
■Bisenのメリット2:使い勝手
使い勝手に関しては、3点チェックが必要です。
1つめは、何ができるのか?です。
「白米」系は、「上白米」「白米」そして「無洗米」。
「分づき米」系が、2、3。4。5.6.7、8分。
「胚芽米」系が、「胚芽精米」「胚芽 白米仕立て」。
あと、「再精米(白米みがき)」ができます。
また、無洗米は、白米を無洗米化することも可能です。
2は楽にできるのか?です。
パーツは3つ。
「ぬかボックス」、「スクリーン」、「ブレード」。
それぞれ極めて単純な形をしています。
単純な形は重要なことで、セッティングしやすい、そして清掃しやすい(洗いやすい)ことを意味します。

左)全てのパーツを外したところ、右)「ぬかボックス」を設置したところ。

左)「スクリーン」を設置したところ、右)「ブレード」を設置したところ。
コントロール・パネルは全て日本語表示。
押すボタンは、「メニュー」「精米度」「量」「スタート・ストップ」の4つのボタン。
操作は簡単明瞭です。

左)メニューボタンで、どんなことをするのか決める。「精米」「再生米」
「玄米無洗米」「白米
無洗米」「胚芽」「胚芽 白米仕立て」から選ぶ
右)「精米度」を選択。「白米」「上白米」、「2分つき」〜「8分つき」から選ぶ

左)「量」ボタンで量を設定、その後「スタート・ストップ」ボタンでスタート
右)3分つきができあがった様子
ここで注意することがあるとしたら、5合を基本にしていることです。
このため定格時間は10分です。
定格時間というのは、連続使用可能時間です。
米の精米は、米の固さを利用します。
米を「金属性のスクリーン」もしくは「米」同士をぶつけることによりヌカをこそぎ落とす(削り取る)作業なのです。
これを短時間で行うには、効率よく米を撹拌することが必要です。
しかし米は作物の中でも、ずしりと重い。
つまりモーターへの負荷は極めて大きいのです。
しかし精米機への要求は、より小型に、より速くです。
山本電気は、元々工業用モーターの専業メーカーでしたので、このニーズによく答えた商品を市場に送り出しているのですが、それでも限界があります。
それで定められているのが、定格時間です。
定格時間ギリギリまで使用したモーターはかなりの発熱です。
砂漠でクルマがダメになることを見てもわかるように、熱は機械にかなりのダメージを与えます。
一番時間がかかるのは、玄米から無洗米を作る時で6分25秒。
Bisenは5合ですから、それ以上無洗米を作る場合は、時間が掛かります。
モーターを冷やす必要がありますので、1時間ほど間を置くのがいいそうです。
3つめは清掃です。

左)2合を精米した時の「スクリーン」。細かいぬかが付着している。右)ぬかボックス。ぬか量はかなりになる。
洗えるパーツは、スポンジか、柔らかい布で、毎回洗うか拭くかします。
基本は、60℃以下のお湯で手洗い、自然乾燥。
単純な形ですので、苦になりません。
またフタ部分(取扱説明書だと「カバー」)も外すことができます。

唯一コツがいる、フタ外し。
左)ボタンを押す、右)スライドさせるように外す。
ちなみに60℃を越すと、樹脂パーツが変形する可能性があること。
またキズとか付けると、入り込んだヌカが取れなくなりますので、そこは注意してください。
■Bisenのメリット3:サイズ
次のメリットはサイズです。
20(W)×30.7(D)×23.5(H)cm。
ずば抜けて小さいわけではないですが、バランスが良い。
しっとり感のある手触りの樹脂でできており、重さが3.7kgある割りに持ちやすい。
精米機は、使用時間が短い家電です。
このため、棚などにしまえるなら、スペースを有効に使えます。
Bisenは、際だった形状はしていないのですが、それだけにどんな棚にも仕舞いやすい。
これはかなりのメリットです。
■感想
無洗米が当たり前の時代に、精米機とは? といわれる方もいると思います。
が、Bisenは、わざわざ精米しているという感じはないです。
精米時間が短いので、炊飯のリズムが崩れないのです。
こんな感じの精米機ですから、お金を余り掛けずに、食卓を豊かにしたい人に、お勧めです。
また、分づき米は健康にイイです。
それが自在にできる。
米ですからね、体に害になることはありません。
高いお金を出して、わけのわからないものを摂取するより、よほど安心です。
しかも、手入れもしやすいし、置き場も選ばない。
とても使いやすい一品です。

左)「取扱説明書」と「レシピ集」、右)おかゆ、まぜごはん、パエリアなどの米のレシピ集。
最後の2つは、ぬかのレシピ集。「ぬかどこ」と「ぬかクッキー」
精米機を検討中の人は、是非候補にお加えください。
商品のより詳しい情報は、山本電気のホームページにてご確認ください。
http://www.ydk.jp/homeelectronics/yamamoto/rc41.html