今、家電の中で激戦区の1つは掃除機ですね。
間違いなく質問が多いです。
逆に言えば、情報はそれなりに多いのですが判断に困っている人が多いのですね。
■日本という地域(エリア)
日本は世界にない、いろいろな風土、習慣を持っています。
掃除を考える上での関係事項を上げてみましょう。
○靴を脱いで生活
○畳の上で寝る
○自分の掃除は自分で行う
○水で清める
日本人に取り、上2つは当たり前のことでした。
元々掃除の原点は、ゴミを部屋の外に出す行為でした。
今でも田舎の方で、室内のゴミを外に掃き出す人がいますが、そんな感じです。
ところが日本は、それではままなりません。
何故なら、そこを素足で歩くのですから。
どうしても掃き残しの細かいゴミが足に付きます。
足の裏はそんなに敏感な所ではありませんが、ゴミが付くと足触りが悪くなります。
特に夏などは気持ちが悪い。
で、「拭く」という掃除が出来たわけです。
拭くのはスゴい。
ホウキで取れない、細かなゴミも取れますし、ちょっとした湿り気が残るので空気も落ち着きます。
ハタキを掛け、ホウキで掃き、ゾウキンを掛ける。
このスタイルが日本の掃除なのです。
このスタイルを今でも伝えるのは学校教育ですね。
理由は、明治の教育を作ったのが「武士」だからです。
昔ですから、皆、仏教徒なのですが、武士の多くは禅宗です。
今でも宗教は強い力をもっていますが、昔はこんなものではありません。
命のやり取りも、多いです。
鎌倉時代に政権を握った武士は、それまでの朝廷が保護してきた天台宗ではなく、禅を選んだのです。
新しい政治なので、既存宗派ではなく、新しく伝えられ宗派を選んだと考えてもらえばいいです。
禅の教えの1つに、何でも自分で行うことという教えがあります。
だからでしょうね。
武士は、自分の学舎(まなびや)は掃除をするのです。
特に道場とかはそうですね。
その武士、志士が明治時代になって、教育制度を作った。
このため日本の学生は、学校掃除をするのです。
ホウキで掃いて、ゾウキン掛け。
素足でも気持ちがいいレベルに。
これに加わるのが、水でのお清めです。
日本人は「ケガレ」を極端に嫌う民族です。
それを払い、清めるのは水の力です。
古事記にも、そのことが描かれていますね。
黄泉の国(死者の国)に行ったイザナギが、日本に戻った時に海岸で体を洗い、身を清めるシーンがあります。
左目を洗うとアマテラスが、右目を洗うとツキヨミが、鼻を洗うとスサノオが生まれたとあります。
江戸時代は、流行病(はやりやまい)は風の神送りと言って、どんどん他の町内へ送る。
最後は、川、もしくは海で、遙かかなたに押しやってしまいます。
水は清める力がありますので。
今でも、自分の身を清めるための、滝行などありますし・・・。
ゾウキン掛け。
感覚的にも、心情的にも、実に日本に合った掃除方法です。
■最近の事情を加える
これに最近の事情を加えます。
○最近の家の密封性は高い
○窓を開け放しにしなくなった
○共稼ぎが多い
一番上の密閉性は、建築法に強制換気が必要と記載されていることでもわかります。
2000年代の法律改正ですね。
理由は新建材から排出されるホルムアルデヒドだそうです。
密閉度が良すぎて、逃げて行かないのです。
それと特に都会で目立つのですが、窓の締め切りが多くなりました。
開けっ放しで外出すると泥棒に入られますし、夏・冬は開けっ放しでは家に居られない位の気候。
では、春・秋はイイかというと、花粉、黄砂、PM2.5が入って来ます。
先ほど、ホルムアルデヒドの話をしましたが、細かいホコリも同じですね。
人間に害をもたらします。
ついでにいうと「湿気」も逃げません。
11月4日に、「被災児、ぜんそく発症2倍・・・仮説生活影響か?」という記事が載りました。
仮設住宅ですから、今の技術の標準モデルです。
「エネルギー効率」優先の考えですからね。
カビ、ダニのエサになるホコリ、水分が外に極めて逃げにくい構造です。
逆にいえば、掃除、除湿をキチンとしなければ、通常の家屋より、カビ、ダニが増えても可笑しくはありません。
最後、共稼ぎが多いというのは、ゾウキン掛けする時間などほとんどないということです。
それどころか、掃除機を掛ける時間も惜しい。
できれば、面倒臭い掃除自体、平日はしたくない!
それはそうでしょうね。
疲れたら料理だけで手一杯でしょうからね。
■完全掃除は「3+1」
以上のことから言えるのは、今の掃除は、
1)ゴミ(チリといった方が良いのか)は小さくなっている。
2)換気は少ないので、一度吸い取ったゴミは排気に出さない。
3)ダニ対応できる。(寝具掃除はマスト)
4)平日はなるべく手抜きできる。
を意識しなければならないということです。
私が思うのは、「3+1」の強力ラインナップです。
平日は「ロボット掃除機。」
平日は掃除をお任せにします。
その代わり、細かいところは文句を言わない。
単純にいえば、生活動線(よく動くルート)がキレイならOKとします。
部屋に居る時間も少ないですし、テーブルとベットしか使わないならなおさらです。
次に週末です。
これは自分で掃除機を掛けます。
「キャニスター型サイクロン」、「キャニスター型紙パック」、「スティック型掃除機」どれでも構いません。
床はもちろんのこと、階段、壁、隙間など、あらゆるところが相手です。
ポイントは、掃除機のバランスとアタッチメントの豊富さ。
バランスが良いと、掃除機、振り回せますからね。
日頃できない隅々まできれいにするわけです。
最後は、現代に蘇ったゾウキン、「スチームクリーナー」です。
ちょっと面倒臭いですが、高温&拭き取りの最強性能ですからね。
ダニも殺せるし、除菌も可能。
細かいホコリも拭き取れます。
何たって足触りが違います。
■「+1」とは?
+1は、布団掃除です。
ただし、私は専用掃除機ではなく、「布団乾燥機」をお勧めします。
乾燥機でダニを殺した後、強力な吸引力を持つ掃除機に専用アタッチメントを付け、吸わせるわけです。
これだと、布団はフカフカですし、ダニもいなくなる。
一石二鳥と言うわけです。
専用掃除機は、基本布団掃除だけしか使えません。
しかし乾燥機は、いろいろと使えます。
しかも安い。
これは大きなプラスです。
■アレルギーがある人は
アレルギーがある人は、私は「紙パック掃除機」をお勧めします。
サイクロン型の最大の弱点はゴミ捨て時にあります。
かなり舞いますからね。
正直言いますと、アレルギー体質の人は、ゴミ捨てできないです。
発作が起きやすい時期だと、それだけでアウトです。
ただし条件があります。
紙パックは「純正品を使うこと」です。
一番大きな違いは、細かいホコリのトラップと吸引力の維持です。
純正品は、少なくとも3層、多いモノですと10層構成ですからね。
モノが違うのです。
発作が起こると、医療費で紙パック1回分よりお金が掛かります。
パナソニックの掃除機に採用されている「ハウスダスト発見センサー」もお勧め。
医療用の喘息のガイドラインには、1m2当たり20秒で細かなハウスダストも掃除できるとしています。
センサーを見ながら掃除すると、それに近しい時間になります。
これは嬉しい機能といえます。
これにスチームクリーナー、布団乾燥機の組み合わせです。
スチームクリーナーは、除菌、PM2.5まで拭き取ります。
布団乾燥機は、ダニモードがあるものが条件ですね。
そして終了後、布団用のアタッチメントを付け吸い取ります。
■省略するとすれば・・・
価格は置いておくとして、3台並べるとかなりの場所を取ります。
ロボット掃除機は約30cmが相場ですので、後の2つはできる限り、小型で強力なものが欲しいわけです。
順当に考えると、ロボット掃除機か、スチームクリーナーです。
どちらかと問われれば、ロボット掃除機でしょうかね。
強力なスチームクリーナーの応用範囲は非常に広いです。
カビにも有用ですからね。
使いこなすととても便利ですから。
■来年、スチームクリーナーはメジャーに!??
スチームクリーナーの朗報は、IFA2014に展示されていたケルヒャーのスティック型スチームクリーナーが、来年日本で発売されることでしょうね。
スチームクリーナーの泣き所は、ボイラーの大きさ。
使えると思ったモノは、サイズが大きかったのですが、今回、コンパクトで使えそうなものが日本上陸なわけです。
紙パック掃除機も、パナソニックから小型で強力なモノが発売されまし、スティック型掃除機は小型です。
さらにスチームクリーナーも小型となると、余りスペースは取らないで、自在に掃除できる形が整います。
■さて、掃除にかかる金額は?
どの機種がイイか、論じる前にどの位お金が掛かるのか、計算してみたいと思います。
ざっと計算すると、こんな感じですかね。
ロボット掃除機 | 70,000円 |
掃除機 | 50,000円 |
スチームクリーナー | 35,000円 |
総計 | 155,000円 |
しかし家事に、褻(け:日常のこと)と晴れ(はれ:儀式などの非日常のこと)はないですからね。
日常的に使う順で見直すと順当という気もします。
こうしてみると、スチームクリーナーの性能が際立つと思います。
日本の掃除の最終兵器、「ゾウキンの現代版」なのですが、ゾウキン掛けのように辛くはないですし、除菌すらできる優れものです。
しかも安い。
ただし性能はピンキリです。そこは注意が必要です。
皆さんも、まず自分の健康、生活、住居を考慮して、自分なりのスタイルを見つけてください。
そうすると、まず、どのカテゴリーの掃除機が欲しいのかが分かります。
カテゴリー別のお勧めは、次回掲載です。