昨年発売された、ダイソンのスティック型掃除機、DC62。
多少気になるところがあるものの、魅力的な掃除機です。
スティック型掃除機としては、ベストな選択の1つかも知れません。

DC74 “fluffy”を持つ、コードレス製品開発部責任者 ケビン・グラント氏。
DC74は、ローラーが剥き出しという特異なヘッドを持つ。
DC74 “fluffy(フラフィー)”は、そのDC62の改良版です。
どこが改良されているかというと、ヘッドですね。
■ヘッドの特性

ふかふかしたローラー。
fluffy(フラフィー)の名の由来である。
「fluffy」。
意味はフワフワしたという意味です。
それもそのはず、ダイソンの新しいヘッドローラー、かなり柔らかい。
そうfluffyはヘッドから来たペットネームなのです。
ダイソンはゴミを2つに分類しているそうです。
大きいゴミと小さいゴミです。
大きなゴミは、米粒、シリアル、パンくずですね。
小さいゴミは、ダニ、花粉などを含むホコリで、0.001〜0.5mmだそうです。
ヘッドのポイントは密閉性にあります。
密閉性を上げると、小さなゴミまでよく吸い取るのですが、大きなゴミをヘッドの中に取り込むことができず、ちょうど除雪車が雪を前方で掻くように、ヘッドの前に大きなゴミを掻き溜める感じになります。
これら大小のゴミをうまく処理できるヘッドが、fluffyのヘッドなのです。
■変形を使う

小さなゴミ対応のヘッド。
大きなゴミは、ヘッドの前に溜まってしまう。
この素材も重要なのですが、ポイントは柔らかさとローラーが剥き出しなことですね。
ブラシの毛は、基本、小さいゴミに対して設定されています。
でもそれでは、今までのヘッド形状では、大きなゴミを寄せるだけでした。
このため、ヘッドの前面の枠の代わりに、柔らかいローラーにしたのです。
大きなローラーは、ブラシの毛ではなく、この柔らかなローラーに押される形で、吸引口に運ばれるのです。

大きなゴミは、ヘッドローラーが
後ろに押し出す。
つまり密閉性の高い空間=吸い込みの良い空間を生みます。
ジェームズ・ダイソン氏が柔道の心得があるか、どうか分かりませんが、「柔よくゴミを制す!」
一本勝ちです!
■全幅を使う

ローラー内にモーター&ギア
中にモーターが入っているのです。
強引な設計のように見えますが、非常にバランスのよい設計です。
元々ダイソンのスティック型掃除機はハンディ型の進化型で持ちやすすい上に、手と同じように扱える位バランスがイイ。
DC74も、その美点を引き継いでいます。
さらにこの構造だと、ブラシの幅=ヘッドの幅とすることができます。
非常に効率よく掃除することが可能です。
■確実に吸い取るために、「ロー・フロー・スクープ」
大型のヘッドローラーは、使ってみると、かなりパワフルにゴミを中にヘッド内に導きます。
この場合、ゴミは静止した状態と違いますので、中々吸引口に進んでくれません。
確実に、素早く吸引するためには、ゴミを一端制止させる必要があります。
この機構を「ロー・フロー・スクープ」と呼びます。
単純な言い方をすると、吸い込み口の後方に設けた出っ張りです。
これが壁の役割をするのですね。
ローラーにより、かなりのスピードになったゴミをこれで停止。
すると、ダイソンの強力な吸引力が、最大に生きてくるというわけです。
■ダイソンらしく、モーターを改良

まるで、クルマのエンジンのような名前ですね。
このモーター、110,000回転/分で駆動し、強い吸引力を作り出します。
サイクロンは、2ティアーラジアルサイクロン。
上下2段に配置された、15個のサイクロンが強い遠心力を生み出し、空気とホコリを見事に分離します。
■デモ
お約束のデモの様子を。後ろになってしまい、ちょっと見えにくいのですが・・・。
■第一印象

DC62、DC74のヘッド比較。
DC74の方が高性能だが、癖もあるので
実機確認後の購入をお勧めしたい。
よく吸い込みます。
美点はそのままで、それにまた魅力が1つ加わった感じです。
ただ、あれれと思ったのは、後退が全くと言ってイイほどできない。
考えてみればそうですよね。
前進して吸い込む様に設定されていますので、後退は意味を持ちませんので。
上手に使うためには、ちょっと慣れが必要ですね。
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