どの活動量計が自分に合うのか? 2014 その1
活動量計の区分
活動量計の売り場は、今や大盛況。
タニタ、オムロン、パナソニックの健康計測家電の御三家、decomo、au、Softbankの通信御三家が出しているモノ、JAWBONE、Mitfit、POLARの海外勢、エプソン、ソニー、東芝の国内新興勢力、そしてNIKE、Addidas、GARMINのスポーツ勢力、Sunto、My Kronoz等のスマートウォッチ勢力などなど。
が、私から見ると、比較しても余り意味がないものまで、同じ棚に並べましたという感じです。
一つ皆さんにわかりやすいように、整理しなおしてみましょう。
■分類のポイント
昔、博物学という学問が盛んでした。
いろいろな定義がありますが、「自然物についての収集および分類」という定義が多分一番的確でしょう。
私が、中学の生物で一番最初に学ばされたのが、分類学でした。
「原生動物」から始まり「ほ乳類」に至るまで、特徴と見分け方を学ぶのです。
自然科学の原点のような勉強ですからね、とても面白かったです。
そう分類ができるということは、そのものの特徴を明らかにするということなのです。
特徴は、モノの場合、出自に大きく左右されます。
確認すべき特徴は、次の6つです。
●出自
●計測項目
●データーの正確度
●装着部位
●動作時間
●リアルモニタリング
●データー転送
■(1)歩数計を出自とする活動量計
全ての活動量計の原点です。運動量を確認するのが目的に作られたガジェットです。
●計測項目
歩数、距離、運動消費カロリー数が基本です。
最近は運動消費カロリー生命維持に必要な代謝カロリーを加えた消費カロリーが表示されるのが一般的です。
●データーの正確度
あり。
●装着部位
振動が拾えればよいので、体ではなく服のポケットなどに入れるのが基本です。
●動作時間
歩く時だけ使用するので、1ヶ月以上持ちます。
●リニアモニタリング
小型ディスプレイが付いており可能です。
●データー転送
付いているモデルと、付いていないモデルがあります。
■(2)運動を安心して行うための心拍計を出自とする活動量計
運動には大きくわけて、純粋有酸素運動(心拍数:〜110)、有酸素運動(心拍数:110〜150)、無酸素運動(心拍数:150〜)があります。体脂肪を減らすには、有酸素運動が、運動能力の向上には、無酸素運動が有効とされています。
活動量計としてより、正しい運動がなされているのかが優先します。
●計測項目
心拍数、時計、歩数、距離、消費カロリー数が基本です。
●データーの正確度
あり。
●装着部位
手首、もしくは胸に装着します。下に血管がある所に付けることが必要です。
●動作時間
10時間前後
●リニアモニタリング
小型ディスプレイが付いており可能です。
●データー転送
付いているモデルと、付いていないモデルがあります。
■(3)生活リズムを把握するために作られた活動量計
今、人気の分野です。ライフログ(生活記録)を作り、生活リズムの把握、見直しを行います。
このため、24時間違和感なく付けられることがポイントです。当然、睡眠も計測されます。
人の行動を縛らないために、できる限り存在感を感じさせない仕様がポイント。
●計測項目
歩数、距離、消費カロリー数、睡眠時間、睡眠状態が基本。
●データーの正確度
それなり。全体を把握することが重要であり、個々の正確さは
●装着部位
手首。もしくはペンダントとして首にかける。
●動作時間
2週間以上。
●リニアモニタリング
あることを意識させないため、基本的にディスプレイはありません。
最低限の情報がLEDで表示されます。
●データー転送
スマホにデーターを転送し、確認します。
このためスマホを扱う通信会社が、参入しています。
また転送したデーターを確認するアプリの自由度が、使い勝手を左右します。
■(4)スマホに近い機能を持った時計(スマートウォッチ)に組み込まれた活動量計
今後、参入メーカーが増えると考えられます。
現時点で、スマートウォッチは、まだ定義が定まっていません。一義的には、スマホに近い機能を持ったウォッチといえます。
●計測項目
歩数、距離、消費カロリー数、睡眠時間、睡眠状態が基本。
●装着部位
手首。
●動作時間
24時間。多機能だけに消費電力が高いです。
●リニアモニタリング
ディスプレイで確認できます。
●データー転送
スマホにデーターを転送し、確認します。
消費電力以外の欠点はなさそうに見えますが、重さが欠点になります。
問題は起きている時ではなく、寝る時です。ややでも重いモノを付けると寝にくいモノです。
■健康の定義は?
CEATEC 2014の東芝ブースの記事(新製品「“CEATEC 2014″ 本気の東芝!医療を意識したウェアラブル生体センサ」)で、書かせて頂きました通り、医者が「被検者が健康(病気をしていない状態)であるのか」を判断する時は、体温、脈拍、血圧、などの情報が必要です。
が、それは病気でないことがわかるだけです。
健康はそうではないですよね。
意識しないで、自分の考える行動ができることだと思います。
このためには、きっちり体の調子を整えなければならない。
そしてもう1つ。
それは、いろいろな要素から成り立ちます。
例えば、管理された完全な健康食を毎日食べているとします。
が、寝ないでずっと労働に従事していたらどうでしょうか?
健康とは言えない生活ですよね。
つまりいろいろな方向から生活を計測できることが重要です。
逆な言い方をすれば、「運動」「睡眠」「食事」「ストレス」が数値化でき、ベストな対応法を見いだせるのが望ましい。
「生活リズムを把握するために作られた活動量計」はそれを意図して作られたモノです。
このため、(1)(2)の活動量計にはない「睡眠計」が付いているわけです。
■アプリに必要なこと
でも「食事」「ストレス」がわからないって。
そうなのです。
これは「アプリ」のお仕事なのです。
アプリに必要なことは、3つあります。
1つめは、食事のデーター、ストレスデーターが、手早く入れられることです。
食事のデーターを入れるのは、現在かなり急ピッチで進められております。
が、まだまだ洗練されていない。
そして、ストレスデーターですが、これは一言コメントの羅列でもイイのではと思います。
ストレスを何に感じたかがわかれば、イイのですから。
このため、生活ログでもある、このアプリは、「スケジュール」「ダイアリー」と組み合わせられると便利です。
「12:00〜13:00 昼食」のスケジュールが、次のようになるわけです。
12:00〜13:00 昼食
麻布トンカツ
歩行 10分 50kcal
ロースカツ定食、ごはんお代わり、ギャベツお代わり、 1600kcal 1300円
歩行 10分 50kcal
秘書課の××子ちゃんと食事。行ってみたいと言っていた麻布トンカツへ。
美味しくてお代わり。週末のデートも約束してくれ (^_^)v
スケジュールに足して行くと、あまり手間が掛かりません。
また、それぞれの数値を拾い上げグラフ化できるようにしておくと、変化点が明確にわかります。
その時のコメントを拾えば、そうなった理由もおおよそ見当が付く、というわけです。
2つめは、体組計(体重、体脂肪)、血圧計(血圧、脈拍)とつながり、データーの相互間比較できること。
単純にいえば、どんどん体の調子がわかる数値を入れて行くわけです。
女性ならこれに基礎体温も合わせた方がイイでしょうし、案外トイレの回数がポイントになっているかも知れません。
3つめは、調子のバランスが崩れそうになったら知らせてくれることです。
標準値から、かなり離れたら知らせてくれることですね。
いずれにせよ発展途上にあるこのアプリ、いち早く「使えるなぁ」と思えるアプリをプロデュースする会社が大きく発展することは間違いではないと思います。
■今買うなら
歩数だけわかればよい、脈拍だけわかればよい人には、(1)(2)をお勧めします。
単機能ですから、使いやすい。
が、ライフログを視野にいれるなら、(3)(4)がイイです。
睡眠が入っているのがポイントです。
でどちらがお勧めかと言われると、(3)ですね。
(4)のスマートウォッチは、充電と重さの問題が付いて回ると思います。
後、1年位様子を見てもイイかも知れません。
(3)に関しては、どんなメーカーがどんな特徴を持っているのか、近日紹介したいと思います。
2014年10月14日