東芝は、医療機器メーカーとしても世界有数です。
CEATEC2014では、その東芝の、ウェアラブル生体センサが展示してありました。
唸りましたね。
健康家電と発想がまるで違うのです。
■健康計測家電の考え方
まず、健康計測家電の考え方を再確認しましょう。
今でこそ、心電計、尿糖計なども揃っていますが、基本は「体重計」「万歩計」です。
人間の生活は大きく分けると、「運動(歩行)」「食事」「睡眠」です。
これをサポートして行くのが健康計測家電の考え方です。
生活のリズムを整えること、そのリズムで問題がないことを確認することができます。
このため、健康計測家電は、薬事法が適用されません。
だから安いですし、デザインなど色々なバリエーションを作ることもできます。
■医療で必要な最低情報
風邪を引いて、近くのクリニックに行った時を思い出してください。
体温計で「体温」を計って、「脈」を見ながら血圧計で「血圧」を測り、そして聴診器で「呼吸音」と「心臓音」を確認しますよね。
そして患部を確認・・・。
要するに体の状態を正確に知るための計測をするわけです。
現在は、「体温計」「血圧計」も健康家電扱いで売られていますが、薬事法の認証がされています。
■東芝の3つのウェアラブル生体センサ
東芝が今回揃えたのは、次の3つです。
リストバンド型 活動量計 |
日々の活動量(歩数、移動距離、消費カロリー等)と睡眠(睡眠時間、サイクル等)を計測。 |
アプリとの連携で「活動量、睡眠、食事」をトータルで管理 | |
Silmee | 複数の生体情報(心電位、脈波、体動、体表温)を同時に連続計測、送信、保存 |
ヘルスケアサービスシステム構築のためのソフトウェア開発環境を提供 | |
基礎体温計 | 連動した管理アプリ「楽天キレイドナビ」で体温タイプ判定とホルモンバランスチェックが可能 |
利用者の体調やタイプに合わせ、美容や健康アドバイスを提供 |
Silmeeは他社にない生体情報を計る機器ですね。
■リストバンド型活動量計
基本24時間付けておくべき活動量計の性能は、きちんと押さえてあります。
歩数、睡眠が計れます。
他と違うのは、睡眠モードのスィッチを入れる必要がないことです。
なんてことない機能ですが、私はお酒を飲んだりすると忘れますので、嬉しい機能と言えます。
使い勝手、アプリを試さないとこれ以上の評価は出せません。
■Silmee(Smart healthcare Intelligent Monitor Engine & Ecosystem)
今回の東芝のセンサの中で、一番特徴あるセンサです。
粘着シートで本体を心臓の上、胸に貼り付けるという特殊な方法で装着します。
手に取ったところ重いモノではありませんが、付けて見ないことには何ともいえません。
「心電位」、「脈波」、「体動」、「体表温」という医療に必要なデーターが取れ、それらは個人にフィードバックされる他、ビッグデーター化されるそうです。
病気に関係ある因子は、現在3つ上げられています。
「生活因子」「環境因子」、そして「遺伝的因子」です。
「生活因子」は、生活習慣のことです。
これは体重計、活動量計で、確認。
良くない場合は、改善することができます。
「環境因子」は、居住空間。そして生きている環境です。
居住空間はエアコン、空気清浄機、そして掃除機などの生活家電で、改善することができます。
生きている環境というのは、その環境から与えられるストレスを意味します。
アレルゲンのような物質ではなく、苦手な人に会う、好きな人と死別するなど人間関係の環境も含まれます。
そして最後の「遺伝的因子」は、現在、バイオインフォマティック技術、ゲノム解析技術などを使って分析中です。
これと、Silmeeでとられたデーターをビックデーター化したモノを組み合わせ解析、将来の健康状態を予測しようというモノです。
これができると、病気の3因子を、人間がコントロールできる可能性が出てきます。
他のメーカーがこんなことをいうと、「背伸びし過ぎでは?」と思うのですが、医療に大きな貢献をしている東芝ですからね。
現実味が、グンと増します。
■基礎体温計
基礎体温は、体の動きが一番安静な状態にある時の体温です。
使われるのは、女性ホルモンの動きの確認ですね。
生理、排卵日と関係があることが知られています。
データーを貯めて行くと、自分がどのような状態にあるかが、わかるわけです。
もし東芝の動きが上手く行くと、「病気予防」に対しての1つの解答が得られるわけで、現在の莫大な医療費を軽減できる可能性があります。
これはスゴいことですヨ!
東芝の動き、注目です。