SCAJ2014で見つけた、新しいモノ。
進化する珈琲世界!
10月1日は、コーヒーの日です。
全日本コーヒー協会が決めたからという理由もありますが、国際協定により、本日からコーヒーの新年度が始まるからです。
それに先立ち、9月下旬に、SCAJSpecialty Coffee Association of Japan。一般社団法人 日本スペシャルティコーヒー協会のこと2014(正確には、「SCAJワールドスペシャルティコーヒーカンファレンス アンド エキシビション 2014」といいます。)が開催されました。
入ってすぐ分かったのは、昨年より人数が多い。
業者用の催しではありますが、一般の方も十二分に楽しめますからね。
さて、そんな会場内、これはと思ったモノがありました。
ご紹介しましょう。
■業務用焙煎機 Behmor 1600 Plus
Behmorの焙煎機は、昨年も展示されていました。
導入は2013年中ということでしたが、ちょっと上手く行かなかったようですね。
このモデルは、2014年7月に米国で発売されたモデルを日本の電力事情に合わせ改良を加えたモノだそうです。
まず、電圧。100V対応ですね。
他に、プログラムを一部変更したり、アフターバーナーを改良しているそうです。
発売予定は、2014年12月。販売価格は、68,000円(税込)の予定だそうです。
こう書くと、去年と同じように聞こえるかも知れませんが、事情がちょっと異なります。
業務用として販売するというのです。
面白いのは今考えている販売のアイディアです。
「一坪で、焙煎小屋を開きませんか?」
というのが、そのアイディアです。
地方には時々、米の精米小屋というのがあります。
玄米で購入し、必要な分だけ精米し食べるわけです。
玄米保存は、米の味が落ちにくいですからね。
それのコーヒー版です。
ユーザーは、生豆で豆を保存。必要に応じ焙煎し、飲むわけです。
保存は生豆が一番ですからね。
しかし、生豆の販売ルートは中々ありません。
このため、この焙煎機を「豆のサポート」ができる人に売ってもらおうというわけです。
豆にこだわるスペシャルティ・コーヒーらしい話です。
また、焙煎データーを計測することができる測定器もありました。
これ結構欲しいです。
やはり、少しでも上を目指したいからですね。
PC連動型ですから、データーの保存も、活用も非常に楽です。
■民生用焙煎機 PRESSO社 Smart Roaster
この焙煎機もオーブントースター型です。
が、オーブントースターと違いとても強固な作りです。
焙煎メニューも非常に豊富ですし、チャフ(焙煎時に出てくるコーヒー豆の表皮カス)の除去も簡単そうで、扱いもやさしそうです。
話を聞いてみると、気を付けなければならないのは2点だけの様です。
1つは設置場所。
左右、後、上も20cm程度開けて欲しいとのことです。
なにやら、古いオーブントースター、電子レンジの設置条件の様です。
もう1つは、オート冷却機能。
焙煎した後は、それ以上焼きが進まないように、冷却させるのですが、この焙煎機は大きさの関係で冷却器が付いていません。
そのため、イイ程度まで焙煎した後は、外に出してやる必要があります。
熱いので、火傷に注意する必要がありますが、手間がかかるという程ではありません。
逆に、連続焙煎が可能というメリットもあります。
希望小売価格は、95,000円。
次は、抽出です。
まずは、ドリップ方式から。
■コレス 新型ゴールドフィルター C270
定評あるコレスのゴールドフィルターに新しい形が加わりました。
円錐形です。
待ち遠しかった一品です。
円錐形ドリッパー、V60で一世を風靡したハリオも、円錐形のペーパーレスはステンレスですからね。
それのゴールドフィルターです。
まだ価格は未定とのことですが、10,000円は切るようです。
兎に角も、使ってみたいフィルターです。
その隣には、新しいドリップスケールがありました。
タイマー内蔵型ですね。
計る部分が木製で、非常にきれいなスケールです。
■OTFES Auto Hand Drip Machine
聞いたことのないメーカーですね。
聞いてみると台湾のベンチャー企業でした。
お湯を注ぐ部分を自動化したドリップマシンです。
ドリップの基本は、中央部から外側にゆっくり円を描くようにお湯を注ぐことです。
普通コーヒーメーカーは、この注ぎ方の代わりに、断続的なシャワーの様にお湯を注ぎます。
ところが、このマシン、円を描きながらお湯を注いで行くのです。
有りそうでなかった製品であることは事実です。
ちょっと面白い一品です。
■ハリオ Smart Beam Heater for coffee syphon
コーヒー器具の中で最も優美なのは、多分サイフォンでしょう。
とにかく形がキレイです。
しかも最近は、熱源が変わりました。
アルコールランプから、ヒーターへです。
多くの場合、サイフォンはガラスに黒の把手で構成されています。
これに水とコーヒー豆が彩りを加えると、いいたいところですが、色的には地味です。
これに彩りを加えるのは、熱源です。
アルコールランプは、炎の色。イエローからオレンジの炎がキレイです。
これに対し、ビームヒーターはイエローからオレンジ、レッドまで色が変わります。
人間は、炎を見つめる習性がありますが、この熱源もそうですね。
見ていて気持ちがイイ。
数台並ぶと快感です。
しかも今回ハリオのヒーターは、デジタル制御版です。
余りのカッコ良さに、「買えますか?」と聞くと、「基本業務用です。」と言われてしまいました。
カタログを見ると、本体価格:50,000円。
ちょっと手が出しにくい価格ですね。
しかし、コーヒー機器は美しくあるべきなので、きっとサイフォン用のヒーターは一般用としても発売されることと思います。
値段の折り合いをどうするのかが問題ですが・・・。
ここは気長に待つしかないですね。
■エアープレス BLOSSOM ワン ブルワー V6
完全な業務用機ですが、革新的なので紹介します。
エスプレッソを上手く淹れられるようになると実感するのですが、コーヒーの抽出の基本は科学です。
使うコーヒーのグラム数。使うお湯の量、温度。
これに豆の焙煎状態、保存状態、コーヒー粉のサイズが関わってきます。
エスプレッソは、7gの豆で、90℃のお湯で、9気圧の圧を掛け、20秒で、30ml抽出。
そして飲む時の温度は、67℃ です。
これでも淹れ手により、バラつくのですから、誠に珈琲道というのは深淵です。
BLOSSOMの人に、何故エアープレスを基本にしたのか、聞いてみました。
理由は、温度コントロールがほぼ完全にできる方法だからだそうです。
味わったのは、84.5℃と86℃と、1.5℃ 抽出温度を変えたコロンビア スプレモ。
見事、1.5℃ で味が違いましたね。
84.5℃ はバランスがよく、口当たりがイイ。
86℃ は、ほんのちょっと酸味がきついです。
久しぶりに、「極」を付けてもイイようなマシンに出会いました。
やってることは、プレンチプレスでの押し出しを、圧を掛けて行う感じなのですが、何かが違う。
ワンランク上のマシンが出たという気がします。
■UCCの新しい挑戦
またUCCも新しいステージに挑戦中です。
一昨年から吹きあふれた「カプセル旋風」。
メジャーな所は、全てカプセルをラインナップしました。
UCCも例外ではありません。
そして、このカプセルには共通の特徴があります。
基本「ブレンド」なのです。
ところが現在のトレンドは、スペシャリティ・コーヒー。
「ブレンド」ではないのです。
で、UCCが取った道は、スペシャリティ・コーヒーのカプセル化です。
しかも豆がスゴい。
今をときめく「ブラジル」、「コロンビア ゲイシャ」、「エチオピア」。
単なるストレート・コーヒーの豆をではありません。
これが出ると、かなり雰囲気が変わるでしょうね。
種類も多くなり、いろいろな味を選ぶことが出来るようになります。
「コーヒーが好きな人は、UCC」という形すらできるかも知れません。
さらに、「フレッシュアロマシステム」の提案もされています。
豆を、飲み物を入れるような形状のアルミ缶に入れたモノですが、缶の中に入れている間に、アロマオイル成分が多く出るような状態にする仕組みを持っているのです。
さらに言えば、開封まで豆の劣化はしませんし、再度フタを閉めることにより、豆も最低限の劣化で済むというわけです。
コーヒーは「豆」が基本ですが、その原点の「豆」で提案してきたUCC。
是非、双方ともなるべく早く店頭を飾って欲しいものです。
最後に、コーヒーの麻袋を使ったリサイクル・トートバッグをご紹介。
日本のKISSACO(喫茶去 / キッサコ)というメーカーが作っているバッグです。
中々楽しいバッグです。
どうですか、気になるものはありましたか?
コーヒーは嗜好品ですからね。
どうせ遊ぶなら、本気で遊んだ方が楽しいです!
2014年10月1日
タグ: 2014, Behmor, BLOSSOM, OTFES, PRESSO, SCAJ, UCC, アロマ, エアープレス, キッサコ, ゴールド, コレス, サイフォン, ハリオ, ヒーター, フィルター, 焙煎機