自分の話で申し訳ありません。
私は、どちらかといえば童顔で、丸顔。
結婚した時、嫁さんの友達からいわれたのは、「クマのプーさん」。
50歳を過ぎました。
貫禄があるように見えるのかということで、ヒゲを生やすことにしました。
口ヒゲと、アゴヒゲ。
どうも上手く行きません。
形が決まらない。
ということで、知っているようで、知らない電気カミソリを教えてもらうために、パナソニックを訪ねました。
■ヒゲを整えると、ヒゲを剃るは根本的に違う!
話を聞いてよく分かったのは、整えると剃るでは根本的に考え方が違うということです。
整えるというのは、散髪のカットに近い。
髪の毛の場合、活躍するのはバリカンですよね。
そしてハサミ。
そうなのです。
ヒゲを整えるのに必要なのは、バリカン機能なのです。
逆に、うなじなど、毛がない方がベターなところがあります。
ここはカミソリの出番です。
電気カミソリは、それに変わるモノとして登場したもので、ヒゲを整えるなどの機能は持っていません。
■電気カミソリの最大命題といえば・・・
滅茶滅茶単純にいえば「肌に無理なく、深ぞりがきく。」
おっと、どこかのメーカーのキャッチコピーになってしまいました。
しかしこれが、ヒゲを伸ばさない人の思いです。
「深ぞり」というのは言い換えれば、1日活動している間、ヒゲが伸びたとしても、それを分からず(デートでも女性にバレずに)に済ませることができることを意味します。
つまり、朝と夕で顔の雰囲気が変わらないということを意味します。
男は女性と違い、いろいろなタイミングで顔のチェックはしませんからね。
夕にヒゲが出てきて「ゾリ」っとした感じだと、女の子は嫌がりますからね。
相思相愛の仲でも、キスする時に「おヒゲが痛い。もう知らない、プン。」とか言われかねません。
せっかく、口臭をチェック、歯磨きしても、NG。
男でもそうですね。
大事な契約を夕方にするとします。
相手が無精ヒゲを伸ばしていたら、NGですね。
「まじめに考えているのか?! この取引をバカにしているのか?!!」
となります。
ということで、まずはキレイにヒゲを剃る方法から説明します。
■刃の種類
電気カミソリの原理は割とシンプルです。
皮膚に直接ふれる網刃とヒゲを刈り取る内刃からなります。
網の目は、ヒゲと、そして皮膚をトラップします。
それを内刃が削り取って行く。
深ぞりすると、ひどい場合血が出るのは、皮膚を多くトラップされ、それを切られるためです。
つまり、なるべくヒゲだけトラップする網刃を作るのが鍵です。
網の目の大きさ、形で対応するのは、もちろんですが、現在はそれだけでなく、「厚み」を利用されます。
網刃の厚み:60μmを巧みに利用するのです。
パナソニックのメインでヒゲを剃る刃は、「フィニッシュ刃」と呼ばれていますが、5つある刃の一番外側に位置します。実はこれが最も活躍する刃で、主なヒゲはほとんどこれでカットします。
写真を見て頂ければおわかり頂けると思いますが、普通の網刃と違いますよね。
そう、一部「段」が設けてあるのです。
この部分の厚さは、41μmだそうです。
差は19μmですね。
そしてヒゲは非常に堅く、皮膚は変形します。
つまり、皮膚は60μmの網にトラップされても変形することができるので、下へ逃げます。
そして、ヒゲはカットされます。49μmの部分でも同じです。
この刃のポイントは、それらが交互にくるということです。
実は全て49μmだと、皮膚が下に逃げた時、逃げ切れない部分が出てくる。
つまり、皮膚の表面を切られるわけです。
が、交互ですと、皮膚の逃げる場所に余裕ができますので、上手く逃げ切れる。
というわけです。
逆にヒゲの方から言うと、19μm余分に切られるのはもちろんのこと、堅いので、刃が完全にヒゲを切断する間に、もう少し引きずり出されます。ヒゲを引っ張った状態にするわけです。すると毛根の孔より、ちょっと余分に出てきます。で、そこまでカット。
深剃り完了。 となるわけです。
ちなみに、鋼(はがね)をこのように加工する技術は、日本独自のものだそうで。
ハイテク・ジャパンの面目躍如たるものがあります。
■癖っ毛に対応する2種類の刃
パナソニックのシェイバーは、5枚刃。
外側の2つは、いずれもフィニッシュ刃が使われているのですが、残り3つはなんでしょうか?
そう基本刃では中々上手く処理できない「癖っ毛」のための刃です。
ここで「癖っ毛」というのは、長過ぎたり、寝過ぎたりしているヒゲのことを言います。
アゴの後ろ当たりの毛、寝ていませんか?
よく剃り残してしまいますよね。
そんな感じの毛です。
また一週間の休暇で、伸びてしまったヒゲ。
「電気カミソリじゃあ刈りにくいので、薬局でカミソリを買ってきて・・・」と思ったことありませんか?
そう、長いとシェイバーは処理しにくい。
この癖っ毛、実は割と剃る場合、難易度が高く、大学当時などは、剃り残しの部分だけ、小バサミで手入れしたこともありました。
では、これらの処理はどうしたらいいのでしょうか?
単純にいえば、ヒゲの癖を、普通に正してやれば、イイのです。
「くせヒゲリフト刃」と呼ばれるこの刃の特徴は、真ん中のプレートです。
これで立ち上がらせるわけです。
立ってしまえば、こちらのものですからね。
ただ長すぎるヒゲには、通用しません。
で、出てくるのが、中央に位置する「クィックスリット刃」です。
こちらは立たせて短くカットです。
立たせるには当たる角度が、非常に大事だそうです。
モデルを見ると、なるほどと思いますね。
■使ってみると
まず、当たりが柔らかいのに感心しました。
5枚刃というのは、どちらの方向かでもよく剃れるようにという配慮からですが、もう一つ。皮膚に滑らかに当てるということも含まれます。
線ではなく、面で当たりを受ける感触ですね。
で、切れる、切れる。
とはいっても、メカ的にシャープという感じは全くせず、小人の床屋がシェイバーの中にいて、丁寧に剃ってくれているような、一種独特の柔らかさなのです。
そうですね、「剃る」という意志がなくても、キレイになっちゃいましたという感じしょうかね。
この日のために、一週間無精ヒゲを伸ばしたのですが、難なく剃れて仕舞ったわけです。
いやー・・・。
スゴ過ぎです。
また質感もイイですね。
デジタル時代になり、質感を追い求めることが少なくなりました。
そうですよね。
デジタルは、プログラムでいろいろなことが可能ですからね。
時計なんかは、ずいぶん変わりました。
高級よりも、機能のてんこ盛りというべきでしょうか?
1万円以下の、スマートウォッチでも、基本機能はかなりのものですからね。
そんな中で、この質感です。
「シルバー調」と銘打たれておりますが、「調」とはうまい表現ですね。
「銀」のハーモニー。
男は、外に出る前に、幾つかすることがあるのですが、ヒゲ剃りもその中の1つ。
そういう、男の儀式に相応しい感じです。
後、面白いのはサウンド(モーター音)。
電気カミソリはラインナップにより使う刃が変わります。
当然、それによりモーター音が変わります。
これがバイクのエキゾーストノート(排気音)のように、その電気カミソリの特徴を表します。
ここでも好き嫌いがでます。
ちなみにこのリニアモーター。高ストロークですから、肌への負担は高くなります。
このため制御をかけるのですが、制御はオートで行います。
名付けで「ヒゲセンサー」。
ヒゲの堅い当たりを、振動で拾い、的確制御。
もうスゴすぎです。
今の電気カミソリは、実用品というより、自分の相棒感覚で選んだ方がイイですね。
■その他のポイント
まず、お風呂対応か、否かがあります。
お風呂対応は、皮膚を痛めないように石鹸が使えます。
これは、お風呂対応の方をお勧めします。
次に、全自動洗浄充電器の有無があります。
実は私は、これをマストとは思っていません。
お風呂対応だと、丸洗いできますからね。
むしろ、「刃物」ですから、自分の目でチェックすることが重要と思っています。
週一のメンテナンス時に、洗ってやり、太陽光に少しの間、晒してやればイイ(湿気を取るのと、日光消毒。ただし長時間当てすぎて、電気カミソリが熱くなるのはNG)と思っています。
むしろ、それより気を配って欲しいのは、「刃」の寿命です。
包丁等を使うとよくわかりますが、刃物の切れ味が悪くなるのは、割と早いです。
ミクロンオーダーでコントロールしている場合は、特にそうです。
ここは、マニュアル通りの使い方を推奨します。
ちょっと長くなりましたので、今回は電気カミソリの話でとりあえずまとめます。
ヒゲの整え方は、後編で書きます。
商品のより詳しい情報は、パナソニックのホームページにてご確認ください。
http://panasonic.jp
■関連記事 レポート「ヒゲダンディになるには? (後編)、毛を制する者は、人生を・・・」