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シャープ、アカデミア主導の臨床研究において、
プラズマクラスターにより小児アトピー型の軽症、中症の喘息患者の、
気道炎症レベルが低減したことを発表


最近、医療関連の情報もかなりオープンになってきました。
しかし、それは基本、学会に報告された後の話です。というのは、アカデミアの臨床研究は、まず学会に報告することが義務付けられているからでです。
それだけに、今回、完全とは言わないまでも、大まかな報告がシャープが設けた席で発表されたのには、ビックリしました。
 
■シャープがプラズマクラスターで実証してきたこと
「マイナスイオン」問題をご記憶の方も多いと思います。
2002年まで、いろいろな媒体が「健康に良い」と書きたてた「マイナスイオン」です。

現在、この「マイナスイオン」が使われなくなりましたのは、2003年景表法景品表示法が改定されたためです。
商品の表示に対しては合理的な根拠が要求されるようになったのですが、それをほとんどの場合、それを突破できなかったのです。

 
クラスターイオン正・負

プラズマクラスターイオンの分子模型。

プラズマクラスターが商品化されたのは、2000年。
私が知っている限り、プラズマクラスターがどんなものか、きちんと説明された技術レポートとして公表されたことの意。のは、2003年8月のシャープ技報「放電プラズマにより生成したクラスターイオンを用いた気中ウイルス不活化技術」(西川和男、野島秀雄)ですから、シャープはギリギリ、景表法をクリアしたことになります。

その時語られたのは、理論です。

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シャープ 加湿空気清浄機 KI-EX100-N。 25000個/cm3のイオン発生能力を持つ。

プラズマクラスターイオンと称するモノは、どんな原子が、どんな構成を取っているのか。
それは、どんな反応があることかです。

 
次にシャープが行ってきたのは、研究室での実験です。
これは、ある条件下で、ブラズマクラスターの効果を確認したものです。

プラズマクラスターイオンの効果は、次のようなものが上げられています。
1)浮遊ウイルスの作用を抑える
2)付着ウイルスの作用を抑える
3)浮遊カビ菌を除菌
4)付着カビ菌の増殖を抑える
5)浮遊菌の作用を抑える
6)ダニのふん・死がいの浮遊アレル物質の増加を抑える
7)タバコの付着臭を分解・除去
8)衣服に付いた汗臭を「スポット脱臭」
9)衣類の生乾き臭を「スポット脱臭」
10)浮遊ニオイ原因菌の作用と抑える
11)静電気を抑え、誇りなどの付着を抑える
12)お肌にツヤを与える
13)お肌にハリを与える
14)お肌のキメを整える

これらを実験で確認して行くわけです。
今まで行われた、第三者機関による実証実験は次の一覧表です。
2014年09月21日00時23分07秒.pdf004 ただ注意して頂きたいのは、ウイルス、細菌、カビという表現です。
それぞれ、××ウイルス、××菌、××カビと、いろいろな種類があります。
インフルエンザウイルスに対する薬と、ポリオウイルスに対する薬が異なるように、種類によって効果も異なります。
つまり、確認したいウイルスの種類、細菌の種類、カビの種類を限定し、確認することが必要です。

それぞれの項に、複数の実験データーがあるのは、いろいろな種類に対し実験を行ったからです。
ただ、全ての種類に対し実験してはいないことは、覚えておく必要があります。

 
ここまでは、理論とその検証です。
これで効果がありそうだとなると、臨床実験。
人がいる所での実験となります。
臨床実験は、なかなかできません。

まず、被験者(患者)が安全であることを見極めれることが必要ですし、実験は被験者に負担を強います。
病人ですからね。体力が落ちています。

その上、「新しいものを、初めて」と言われると非常に怖い。
プラズマクラスターは細菌などに効果があるとされています。
細菌は生き物の一つです。
ちょっと怖いことを言うようですが、生き物を殺す力を持っているわけです。
病人ですからね。弱気にもなっています。
そんな人たちから、承諾を得るのは、とても大変なことです。

 
■今回の臨床実験
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中央大学理工学部教授 東京大学名誉教授 大橋靖雄氏

今回の臨床実験は、中央大学理工学部教授で、東京大学名誉教授 大橋靖雄氏と、東京慈恵会医科大学付属第三病院小児科 診療部長 勝沼俊雄氏の手によりなされました。
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東京慈恵会医科大学付属第三病院小児科
診療部長 勝沼俊雄氏

大橋教授の専門は「生物統計学」です。
どんな実験をしても、生物には個体差があります。
つまり、1回目と2回目で実験データーが異なることなどはよくあります。(データーのばらつきと言います)
しかし3回目、4回目と実験回数を増やすとある傾向が見えてきます。
そう、ばらついたデーターから、適切な結果を導き出すのが「生物統計学」なのです。

今回の実験は、大橋教授の案により進められました。

 
■喘息の特徴と、実験方法
アレルギー喘息は、アレルゲン(アレルギーを引き起こす原因。ハウスダスト等。)により、ノドが炎症を起こし腫れ、気管を塞ぎ、発作を起こします。

私も喘息でしたが、私以上に母が気の毒でした。
何とかしてやろうと、ありとあらゆる手を尽くすのです。
申し訳ない気持ちで一杯です。
私が本日あるのは、ひとえに母のお陰です。

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今回臨床実験に使われた
プラズマクラスターイオン搭載機

その体験からいうと、喘息はかなり心理的要因も入ります。
要するに「発作が起こるだろうな、母さんに悪いな」とクヨクヨすると、発作が起こり、安心していると起きにくい。
ここでいうと、「プラズマクラスターがあれば安心」ということになると、それで発作が起こりにくくなるわけです。

その時、ノドの状態がどうなっているかは不明ですが、これでは実験結果が正確に出ません。

このため大橋教授は、「個人ランダム化クロスオーバー二重盲検比較試験」を用いました。
これは、プラズマクラスターイオン発生器と見分けの付かないブラセボ有効成分の入っていない薬のこと。ここではプラスマクラスターイオン発生器を有しないもの、すなわち偽物の意味で使われている。機を用意。途中で入れ替えて、効果の程を確認しようというものです。DSCF5720 正確度は増しますが、長期に渡るため、患者の負担は本当に大変だと思います。

また今回のテスト機は、市販されているプラズマクラスターイオン発生機:IG-GK100の約4倍の濃度、100,000個/cm3を放出します。
何処まで人体に基本的に無害なのか、線を引くのは厳しいですが、現在までのテストで人体に影響ないレベルは、これより2〜3桁高いレベルです。
こちらの方もキチンと詰める必要があります。
2014年09月21日00時27分09秒.pdf002

シャープから提示された、安全性のデーター


 
■軽症、及び中症の専属患者に対し、効果あり。
今回発表されているのは、テスト機で実験したところ、軽症、及び中症の喘息患者に対して、気管炎症レベルを低減する可能性があることが、分かったことです。

詳しいレベル、他の医師も賛成してくれるのかは、11月8日の小児アレルギー学会での発表を待たなければなりません。

 
今の時点で言えるのは2つ。

1つ目は、プラズマクラスターイオンが、病気で苦しむ人々の手助けをする日が来る可能性があること。
ある意味前倒し発表ですからね。結果が覆されない自信がないとこれはできません。

2つ目は、シャープの真摯な態度ですね。
いろいろな注意点があるにせよ、臨床実験まで行ったわけですからね。
少なくとも、健常者、及び炎症を起こしたノドには無害であり、アレルゲンを制御できる可能性を示唆するデーターがないと医者は話を聞いてくれません。
「よくここまでデーターを積み上げました。」という感じです。

さて何にせよ、11月8日の学会報告結果が楽しみです。

 
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2014年9月22日

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