“IFA2014″ 仏トムソンの展示を見ながら思ったこと
何がホームシステムに必要なのか?
ベルリンは高緯度です。このため日の入りが遅い!
午後5時でも暗さの欠片(かけら)も感じられない位です。
そんな時、会場の西端奥でトムスンのブースを発見しました。
読者の方のほとんどは、ご存じないと思いますが、フランスの家電メーカーです。
トムスンを意識したのは、Blu-ray(ブルーレイ)関連の仕事をしていた00年代前半です。
幹事会社に名前を連ねていたので確認を取ったのが最初です。
ヨーロッパの友だちに聞くと、「フランスのフィリップスだよ」と言います。
理由を聞くと、「扱う商品が、AVとグルーミングだもん。」
なるほど、「これに電球を加えると、まさにフィリップスだよなぁ。」と納得した記憶があります。
その内、社名を「テクニカラー」に変更したという話を聞きました。
とにかく、国内でTVに力を入れていたメーカー全社、大なり小なり厳しい状況に置かれたわけですからね、「そうか、フランスも韓国、中国の追撃が厳しいのか。」と思いました。
それから音沙汰無しでの邂逅でしたからね。
懐かしいというより、「まだトムソンやっているじゃないか!」という感じです。
■新旧の家電対比
見せ方は、新旧の家電対比で人を集めると共に、現在の商品をアピールするやり方です。
ところが、旧式が格好イイ。
PC、AVは「なるほど、それなりに錬れたなぁ」と思いますが、ラジオ、髭剃り、トースターは、性能は置いておくとして、デザインは旧式の勝ちではないでしょうか?
特に旧品の色、当時好まれた水色が使われています。
景気がイイと、明るく軽い色調が好まれたといいますが、当時「冷戦」とはいうものの、政情はかなり安定していましたからね。「より良い未来」を示したいと思ったのではと思います。
これに比べると、やはり黒は「重い」です。
質感を出すには、非常に有効なのですが、これが未来を切り開くというとそうではないですよね。
サックスブルーに限りませんが、「明るい未来を示すデザインを」と思います。
ちなみにこれが電話です。
昔の電話は、非常にいいデザインで、使いやすいです。
それをそのまま活かしたデザインですね。(まんまという話もありますが・・・)
日本でも欲しいです。
■人に役に立つシステムを!
あと感心したのは「システム」の組み方です。
「水と安全はタダだ」と日本を評したのは、1970年に出版された「日本人とユダヤ人」でイザヤ・ペンダサンがいった話です。
が、今は違いますね。
世は不景気。
前と違って会社はリストラしまくるし、こうなると「押し込み(強盗)」になるしかないと考える人が多くなっても不思議ではありません。
現在、国はエネルギー問題に取り組み、HEMSを何とかして使ってもらおうとしていますが、家の概念からいうと本末転倒ですね。
家は、その中にいる限り、安全に休息できることが第一です。
家全体を司るシステムなら、第一に安全性(=防犯性)、第二に環境制御(光、水、空気)が来るべきで、エネルギーは第三でしょうかね。
しかし、CEATECでも、HEMSを家の鍵と結びつけているものはほとんどありません。
火の元(火事の原因になるかもしれない所)を、枕元で確認するものも同様です。
しかしこれを保証することは、大変です。
ハッキングを受け、鍵が別の所から開け閉めされるようになっては大変ですからね。
が、ハウス・システム(HEMSはこのシステムの一種)を世に問う時に、安全性、環境制御が提案されないというのは妙なことです。
ま、それは置いておくとして、トムソンは、簡単ですが、安全、健康、ホームオートメーション(環境制御)の展示をしていました。
安全は、物理的な鍵と共に、通信システム、サーバー(データー保管所)が必要とされています。
健康は、体重、血圧、活動量計(含睡眠計)を、タブレット型端末でみます。
ホームオートメーション(環境制御)は、家中の鍵、照明、コンセント、換気が上げられています。
現時点で、リーズナブルな考えです。
日本のHEMSにも取り入れて欲しいサービスです。
2014年9月19日