サムソンは、今回力を入れた商品を、展示しています。
洗濯機は、今回、WW9000という評判のモデルを展示しています。
が、同じブースで、ちょっと違和感を覚えたことがありました。
■シンプルながらも・・・
今回のサムソンの洗濯機。
WW9000。
看板には「Big Opening. Big Changes.」とあります。
聞いてみると、
「扉を大きくしたんだ。ほら、今まで入れにくかった毛布も入るだろ！」
と言われてしまいました。
「しかも、扉青だし。」

実際、180°近く開き、大きな開口部はとても便利。
サムソンは、今回「青」がお勧めカラーになっているのだが、水周りのモノが白と青で構成されているのは、キレイだし気分もイイ・・・。

 
■”Big Changes”の意味
でも、それはBig Changesではないですよね。

この洗濯機よく見てください。
表に、ボタンは2つ（「スタート」と「一時停止」）かないのです。
そして大型の液晶パネル。
そしてサムソンといえば、スマートフォン「ギャラクシー」。

何となく想像つきましたか？

実は、2014年3月に発売されたこの洗濯機「WW9000」は、いろいろなところで高評価を受けているのです。

 
IFAでは、”TECHNIK-TRENDS”（技術トレンド）というパンフレットを無料で配布しています。
そこにも掲載されています。

英国の情報技術（IT）専門誌の評価で満点が付けられたし、米「エキスパートレビュー」紙電子製品を専門家らが実際に使ってから評価した後、読者らに購入についてのガイドを示す専門誌であり、ホームページの訪問者が月520万人余りに上る。は、5つ星の満点をつけ、「お勧め（REcommended）製品」に選んだそうです。

 
担当説明者によると、衣類の種類、重さ、汚れ具合を、センサーで確認、判断。最も適切な洗剤量を決め投入し、後は全自動なのだそうです。
洗濯で面倒なことは、汚れ物自体を仕分け、それぞれ適切な洗い方をセットしてやることです。
まず、素材により、洗うことによるダメージが異なりますし、使える洗剤も異なります。
また、汗の汚れなのか、泥の汚れなのかでも、違います。

洗濯は化学ですから、そうする必要があります。

これを全て「自動」というのですから、スゴいモノです。

 
中央部にある5インチ液晶表示装置フルタッチスクリーン操作部は、センサーが読み取った状況を逐一、表示します。
写真が上手く撮れなかったので、サムソンUKのホームページにあったタッチスクリーンの写真を転載します。

しかもスマホからも、操作が可能の優れもの！　というわけです。

 
タッチパネルは、作り手側のインフォメーションが上手くないとイイ感じに仕上がりません。
上手いデザイナーが作ると、何も聞かなくても最後まで辿り着くのですが、下手だとダメですね。
ヘルプ画面が欲しくなります。

日常使うアプリで、ヘルプ画面を多用しなければならないアプリもありますが、それは使ってはならないアプリです。
サムソンの画面は、必要十分な情報が掲載されており、よく洗濯を理解している人が作ったと思われます。

 
ただ、洗濯は「服をキレイにしてナンボ」ですので、自分で使って得心しない限り、これ以上のコメントはできません。

それとスマート家電で、言われるスマートフォンでの外からの操作ですが、これも色々な条件が付いたりするので、実は問題がある場合が多い。
真のオープンプラットフォームで、あらゆるスマートフォンから対応できるようにして欲しいものです。

ちなみに、外出から戻り30分後に洗い上がると、干しに丁度イイなどと出てきますので、外からコントロールするのを否定しているわけではありません。

 
とにかく高名な洗濯機ですからね。
注目です。

 
■Air Washの意味
次に展示してあったのは、サムソンの売れ筋モデルです。
タイトルは「Wash Cool. Save Energy. 」
その前に冠技術として、「eco bubble Technoly」とあります。
単純にいえば泡洗いです。

細かい泡を大量に作り、汚れモノに対する接触面積、回数を多くし、均一に洗うのは手で洗っていた時からある技術です。
効率よく汚れを落とすには普遍的な技術といえます。
新しい技術というより、「再認識の技術」と言った方がイイでしょうか？

国内メーカーでも多くのメーカーがアピールする、しないに関わらず、使っている技術です。

こちらは置いておくとして、私が「えっ」と思ったのは、洗濯機にあった「AIR Wash」です。


聞いてみると、スチームで洗いますとのこと。
洗剤を使わないので、「AIR Wash」と目立つように書きましたとのこと。

スチーム（蒸気）は汚れを浮かせる機能があり、上手く使うと洗剤なして汚れを落とすことも可能です。
が、これも古くから使われている技法洗で、通常「Steam Wash」といわれ、「Steam」が冠されます。

AIR Washといわれたら何が何だか分かりません。

 
日本で販売されている洗濯機　AQUAのドラム式洗濯機には、「オゾン」を使って洗う特殊機能「エア　ウォッシュ」が付いています。
オゾンの有機物が分解できる特性を利用した水を全く使わない洗濯法です。

効果はスゴいモノがありまして、別途レポートしますが、夏場汗まみれになったスーツでも、20分でクリーニング同等の状態になります。
で、AQUAは、オゾンだと分かってもらえない可能性がある。「気体」で洗っているという意味で「エア」を使っていますとのことでした。

こちらは全く別物ですからね。
気持ちはよく分かります。
しかし、ウォークマンのように、「造語」であることが分かるようにして欲しいこと英語文では（a) Walking Manが正しい。が、「これは商品名！」と言うことで、Walkmanと一文字化した。これでも文句が出たが、ウェブスター辞書がwalkmanを単語として掲載、この対応は既成事実として認められることになった。も事実。
「Airwash」のようにつなぐ方法も含め、検討してもらえないものかなぁ・・・。

 
閑話休題

何故、こんな些細なことまで書くかといいますと、新しい技術は皆さんが思うほど生まれてこないからです。

WW9000の自動制御技術。
これがうたい文句通りでしたら、人が判断することが全くないのなら、それはスゴいことです。
「究極の」洗濯機と言っても過言ではない。

が、そこまで完全ではないにせよ、一歩でも理想型に進んでいるのは事実です。
これは拍手したいし、是非、日本でも出して欲しい。

 
しかし、「AIR Wash」という表記は違うと思います。
これは「特殊に見せようという仕掛け」だと思います。
問題は、「仕組みが想像できない」ことです。

これはイメージが重要なイメージネーミングではなく、使い方の部分に記載してある技術ネーミングとしては非常に問題ある使い方だと思います。

AQUAの場合は、仕組みが特殊ですから、むしろ引っ掛かった方がイイのです。
高濃度のオゾンは健康に問題があるのです。
万全の対応策は施されていますが、一番の対応策は「ユーザーに認識してもらうこと」です。

サムソンは、大メーカーです。
大メーカーだからこそ、してはならないこと。
「人を誤った認識に導かない。」

本体にスィッチが2つしかない先進性と、自分を特別だと言い張る後進性。
二面性を見る思いでした。