新製品

4Kテレビの弱点、”色気”、”音質”を強化、
4K対応三菱レーザー液晶テレビ「REAL」LS1シリーズ


4Kテレビも普及価格に入ってきており、AVマニアではなく、普通の人が自分の好きな映画などを観るために買う時代が近づいて参りました。
「地上波での放送も始まっていないのに・・・」という声もわかりますが、商品はどんどん進化しています。
というのは、パッと見、「イイな、2Kテレビよりキレイだよね。」といわれる画質にも足りないところがあるからです。

 
■ハイビジョン放送(2K放送)と4K放送で再現すべき色数が違う
xy色図この図を見たことがありますか?

xy色度図と呼ばれる図です。基本全ての色が示されています。

線の周りには青い色で数値がうってあります。
まずこの線上の色は純色です。
そして、その数値は光の色の波長を表します。(単位はnm)

内側の色がついている部分は、混色です。
中央の白色点は、全ての色が交わるところです。

 
xy色度図を使い、2K放送と、4K放送(予定)の色の違いを示したものが、下の図です。

2014年08月25日21時46分24秒.pdf014

ITU-R:International Telecommunication Union – Radiocommunication Sector / 国際電気通信連合 無線通信部門
BT.2020:4K放送に関するスペックを定めた国際標準
BT.709:2K放送に関するスペックを定めた国際基準、
BL:バックライト、LS1:今回発売の三菱の4Kテレビ


2K放送が青、4K放送が緑で示されています。
なんと色数で170%の違いです。

 
■液晶TVの色の付け方
液晶TVは、大まかに言うとカラーフィルターに後ろから光をあて(=バックライト)、色を出します。
赤いセロファンに後ろから光を当てると、壁に赤い色が映るのと同じことです。
カラーフィルターは光の3原色、RGB(赤:Red、緑:Green、青:Blue)で形成されますので、いろいろな色が出せるというわけです。

光源で有名なのは、「LED」ですね。
でも白色LEDの元の色は白色ではありません。青色なのです。その青光を蛍光体を通過させ、白色にする。

光の3原色からいうと「赤」「緑」「青」が混ざり、白色となるのですが、その代替えです。
しかし、これができたからこそ、LED照明 他、LEDが世に認められ始めたのです。
今では蛍光体 他、進化していますので、LEDバックライトもよりよい白色が出せるモノが開発されましたが、全ての光が混ざった太陽光のような白色とは違います。

 
■LEDバックライトを越えるレーザーバックライト
色再現性を上げるために、三菱が選んだ光源は「レーザー」です。
レーザーは、LEDより色純度が高いですから、それを組み合わせるということは、より的確に色が出せるということです。
これにより、4Kに求められる色の80%をカバーしたそうです。

レーザーバックライトと従来機種(LEDバックライト)とを比較すると、差がはっきり出るのは「赤」色だそうです。
レーザーバックライトが深みのある赤というならば、従来モデルは朱に近い赤です。

DSCF4168

左)LS1シリーズ、右)従来モデル 赤の色が全くという位、異なる。またLS1シリーズの方は、トーンも落ち着いており、よりナチュラルな色再現になっていることがわかる。


他に位部分の描写力など、色々差が出ています。

LS1シリーズの画は、気持ちイイ画ですね。

 
■平面テレビの泣き所、「音」
今の若い人は知らないと思いますが、大手家電メーカー全てオーディオブランドを持っていた時代がありました。
東芝のオーレックス、日立のローディ、パナソニック(当時は松下)のテクニックス、そして三菱のダイヤトーン。

中でもダイヤトーンのスピーカーは別格。
放送局でも使われていましたし、私が中高通った学校の音楽室には「Mitsubishi」(ダイヤトーン・ブランドが出来る前)のフロアー型でした。
日本の標準スピーカーと言っても、過言ではありません。

今回の平面テレビには、その技術を入れたそうです。

 
中でもポイントは、ダイヤトーンのスピーカーを作っていた人に作ってもらったということです。
オーディオの開発は、技術が分かる人だけ集めてもダメです。
「音」がわかる人がいなければなりません。

原音に近く、そして聴いていて気持ちがイイ音を決めるのは、計測器ではありません。
人の耳なのです。
その耳を持った人が音を決めなければダメなのです。

オーディオ開発の難しさでもあり、面白さでもあります。

DSCF4156

左)テレビのスピーカーシステム、右)システムの解説資料


こうして作った音声システムが、テレビの左右にあるポールに組み込まれています。

実際に試聴してみますと、従来モデルが「音を聞く」なら、LS1シリーズは「音を楽しめる」レベルです。

女性ボーカル SHANTIさんの声は、細かなニュアンスも再現されており、目の前で歌ってくれているよう。
ちょっとした、オーディオ用スピーカーに引けを取りません。
しかも音響は立体的。007でも確認しましたが、アクション映画に不可欠なサラウンドも的確に再生。

気持ちイイです!

 
■さよなら光ディスク?
三菱のハイエンドテレビは、複数チューナー、HDD、ブルーレイ内蔵、そして外付けHDD対応がなされてきました。
しかし今回は、ブルーレイは内蔵されていません。
理由は、「壁掛けニーズ」が強く、そちらを優先させたためだそうです。

DSCF4174

左)従来品:BDドライブの出っ張りがあり、壁に掛けることができない。
右)LS1:壁に付けても問題のないすっきり型。


私は、ここで引っ掛かりました。
冒頭、書きました通り、まだCS放送以外で4K放送はされていません。
アップコンバージョン機能を使い、ハイビジョン映像を、4K映像にして楽しむことになります。
その時、ブルーレイ・ディスクは重要なコンテンツの様に思うのですが・・・。

ただ今からの時代、コンテンツはネットで買うのだから問題なしといわれれば、その通りなのですが・・・。

 
三菱は4Kで見て欲しいコンテンツとして、デジタル写真を上げていました。

2014年08月25日21時46分24秒.pdf015

左)写真をテレビで観ることを薦める三菱の資料
右)写真を写した所。「フォトナチュラル」「フォトビビッド」など、専用モードも用意されている。


確かに画素数からいうと言い分は最もなのですが、スマホ、タブレット、PCと静止画を見るディスプレイが家にありますからね・・・。

また、デジタル写真を標榜する場合、今までのデジタル写真の扱いとの整合性が欲しい。
例えば、私は、PCとサーバーで写真の管理をしているのだが、それをテレビで観る方法を指南されなければ、使えません。

さらにいえば、テレビといえば動画ではなかったろうか・・・。
テレビで写真をといわれると、「ちょっとね」という感じでもある。

しかし、実際に写真を写しだしてみると、薦めるだけあり「キレイ」。
しかも専用モードも持っており、オッと思わせられる。

 
■第一印象
2014年08月25日21時48分38秒.pdf001

三菱のカタログより抜粋

赤の発色が良く、画は実にキレイだし音も豊か。
この満足度は高いと思います。
BDレコーダー機能以外は含まれているので、使い勝手も悪くないです。
AVマニアでない限り、十分でしょう。

ただBDレコーダー機能がないのは、残念。
必要な人は、別にBDレコーダー / プレーヤーをケーブル接続する必要がある。

 
商品のより詳しい情報は、三菱のホームページにてご確認ください。
http://www.mitsubishielectric.co.jp/home/ctv/sp/ls1/index.html

2014年8月31日

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