日立掃除機、パワーブーストサイクロン、CV-SA700。
新製品発表会で、そのパワーに魅せられてしまいました。
実際の使用感を、レポートします。
■ディスニー映画にも登場できる! かも・・・
「いましいちびのトースター」という本があります。
作者はアメリカのSF作家、トマス・M・ディッシュ。
別荘に置き去りにされた家電が、自分たちを使ってくれる人間を探しにでるお話です。
旅に出る家電は、トースター、掃除機、目覚ましラジオ、電気毛布、卓上スタンド。
なるほど、動かして使うモノばかりです。
タイトルは、サンビーム社のトースターですが、リーダーはフーバー社の掃除機。
「カーズ」のように目鼻を付けしゃべらせれば、たちまちディズニー映画アニメーションができあがりそうです。
日本にそんな掃除機があるでしょうか?
あります。
日立のCV-SA700。
どことなく丸みを帯びたユーモラスな形。
大きく目を書き込めば、ディズニー映画の主役に抜擢されそうです。
イケているデザインだと思います。
■軽いヘッドとパワフルモーター
使ってみると、すごく楽です。
キャニスター型掃除機は、パイプ長の調整から始めますが、まずそれが楽なのです。
パイプ長の調整は、パイプのどこかにあるロックを外しパイプをスライドさせるのですが、ロックがグリップハンドルの所にあるので、あとは足でヘッドをフンでグイ。
上体を倒したりしないでも、オーケーです。
「スティック型掃除機」に比較すると、キャニスター型は使うまでに「電源ケーブルを引き出す」「コンセントに差し込む」「パイプ長を調整」が加わります。
これに部屋外にある場合は、「そこから出す」が加わります。
キャニスター型のメリットはいろいろありますが、スティック型との差を詰めることも大事です。
ちょっとした点ですが、評価できます。
さて、スィッチをオン。
モーターが回り始めます。
ややこもった様な音です。
データー的には49〜54dB。「静かな事務所レベル」と評されるものです。
普通の掃除機よりはるかに静かですが、絶対値としてはもう一声欲しい。
ではどのレベルかというと、「赤ちゃんが起きないレベル」。
子供を育てたことがある人はよく分かると思いますが、赤ちゃんがいるとき、家事は寝ている時にしかできません。
大体の場合、掃除は最後にしますね。
他の家事と違い、赤ちゃんが起きる可能性がありますからね。
起きたら掃除は止めて、手を洗い、抱っこです。
掃除機の音に関しては、2つの言い分があります。
「ある程度大きい方が掃除している気分がでる」という人と「静かな方がいい」という人ですね。
実は現在「静か」というのは、達成すべき大きな課題だと思っています。
特に共働きの人は、掃除を夜するしかないですからね。
自分の友達にN氏は、朝5時に起きて掃除するのだそうです。
お嫁さんは炊事、ぼくは掃除・・・って言ってましたけど、「朝5時って何?」です。
彼がどんなトリックを使ったのかは知りませんが、まだ「五月蠅い」という苦情は来ていないようです。
次に感じるのはヘッドの軽さ。
縦横無尽に操れます。
重さ自体は、505gですので、余程バランスが良いのだと思います。
しかもこのヘッド、出来がすこぶる良い。
掃除機の吸引力の50%以上は、ヘッドで決まるといっても過言ではありません。
まず、吸い込み部分は2つのローラーに挟まれた狭い部分。
狭いエリアを作り出し、そのエリアのゴミを確実に吸い込む。
ヘッドのセオリーです。
CV-SA700は、パワーのあるモーターを相まって、強い気流でドンドン吸い込みます。
更に、狭いエリアの作り方も上手い。
この狭いエリアは3方向が壁で囲まれていることが必要です。
イメージは「ちり取り」。
ヘッドが動いている間にゴミを取り逃がすようなことがあってはいけませんからね。
CV-SA700は、前向きに進んでいる時は、前側のローラーだけが回りゴミを中に入れます。
後側のローラーは止まっているのですね。
そしてヘッドを引く時は、後側のみ回転、前側は止まるわけです。
そしてパワーがあり、ヘッドの吸い込み部分も十分狭いのでサイドからもゴミが吸えるようにしてあります。
縦横無尽という言葉は、この掃除機のためにある感じがします。
が、掃除のポイントは、ゆっくり吸わせることですからね。
そんなかけ方をすると、「鬼に金棒」という感じでしょうかね。
■あれれ・・・、吸い込みがイマイチになったぞ!
私が使っているプラズマTVは画質の良さで買いました。6年目ですが、4Kはともかく、2K液晶TVより綺麗です。
欠点は、放熱がスゴいこと、電気代がかかること、そして裏にホコリが溜まりやすいです。
ということで、TV台を、最悪の場合でも月に一度動かし掃除をする必要があります。
TVは私の趣味が出ていますので、これは私の仕事です。
ま、掃除機でホコリを吸うだけなんですがね。
このため「クルッとブラシ」を使って・・・っと。
「あれれ、吸いが悪いなぁ」
理由は極めて単純。
ホース径そのままなので吸いが悪いのです。
確かに、アタッチメントにはすき間用吸口があります。
が、たかだかTVの後ろ掃除ですからね。
わざわざ付けようとは思わないわけです。
私は、掃除機は、基本全てのアタッチメントで、ほぼ同一の吸い込みをお願いしたいと思っています。そうでないと、掃除がしにくくてたまらない。
吸ったり、吸わなかったり、ですからね。
そうなると、ゴミ詰まりのチェックなど、しなくてはなりません。
またパイプの径、そのままだと9cmですからね。
周囲にブラシの毛があっても、使いにくい。
案外、数値的には同様の吸い込みなのかも知れませんが、感覚的には違う感じです。
ここはもう少し工夫を願いたいです。
工夫ついでにもう一点。
掃除途中、電話などで手休め等が必要な時、ヘッドからホースを立たせておく機構がありません。スティック型掃除機でいえば、自律機能にあたります。
欧米に比べれば、狭い日本の家屋ですが、どこでも立てかけられるということはないですから、これも欲しい機能です。
■アタッチメントは高評価
まず高所用のアタッチメントですが、現在市販品の中で1、2を争う長さです。
我が家のリビングは吹き抜けで、壁面が大きいのですが、それでもかなりの部分に届きます。
強度もあり、割と使いやすいです。
キャニスター型は、「大掃除にも活用できる。」ところが魅力の一つ。
床しかできませんというのでは、何のために大きなモーターを後ろに引っ張っているのか分からなくなります。
ついでに、布団掃除用のアタッチメント。
叩き、吸うタイプです。
「効果はバツグンだ!ゲーム「ポケモン」の対戦時に多用される表現。自分のポケモンの技が相手に効いている時に使われる。」といわんばかりに、ホコリが取れます。
布団乾燥機の「ダニ退治モード」と組み合わせると、かなりのハウスダストが取り除けると思います。
■サイクロン掃除機の泣き所、ゴミ捨てにも工夫
様々な工夫がなされているCV-SA700ですが、ゴミ捨てにも工夫があります。
サイクロン掃除機の泣き所は、ゴミ捨てです。
紙パックの様に、パックごと捨てることは出来ないですから、どうしてもダストボックスから、ゴミを取り出す必要があります。
さっと落とせる時はイイのですが、そうでない時は大変。
振るとゴミが散らばりますし、手で掻き出すにはちょっと躊躇します。
CV-SA700は、ワンタッチです。
強みは押し出し機構です。
内部にバネが仕込まれており、それがノビ押し出すのです。
写真が上手く撮れなかったので、メーカーイラストで雰囲気をつかんでもらえればと思います。
吸い込みがイイのも、この掃除機の嬉しいところですが、個人的には、こちらはもっと嬉しい。
今までゴミ捨て時は、飛び散らないように気を遣っていましたが、これは、ちゃっちゃと捨てればイイのですから。
ハウスダストにアレルギーを持つ場合、サイクロン掃除機のゴミ捨ては鬼門。
微細なホコリが飛び散りますからね。
ワンタッチのCV-SA700だと、ゴミを捨てたら、さっと逃げ、ホコリが落ち着いてからゴミ箱の周りを掃除すればイイので、かなり楽です。
が、ここは更なる改良が欲しいところです。
ここが紙パック並みになればと思うのですが、なかなかそうは行きませんね。
■メンテナンス
メンテナンスに関しては普通といえます。
サイクロン掃除機のメンテナンスは大きく2点。
ヘッドとダストボックスです。
ヘッドはバラすことはできますが、ワンタッチではありません。
1ヶ月に1回手を汚しつつ、バラし髪の毛を取ります。
ついでにダストボックスを分解。
こちらは水洗いです。
手間は掛かりますが、月1回のメンテナンスですから大きな問題はないと思います。
■まとめ
吸い込みの良さとヘッドの軽さが一番の魅力です。
とても掃除がし易い。
しかもゴミ捨てもワンタッチ。
サイクロン掃除機の欠点もフォローしています。
ユーザーを問わずに薦められる掃除機です。
商品のより詳しい情報は、日立のホームページにてご確認ください。
http://kadenfan.hitachi.co.jp/index.html
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