シャープは、4K TVとして、ここまでUD1ライン、UD20ラインをラインナップしてきました。
そして今回のU20ラインで、4K TVのラインナップが出揃うとのことです。
U20が、どんな感じかレポートします。
■4Kとは何?
地デジ対応のために、皆さんは家にハイビジョンTVをお持ちのことと思います。
実は「ハイビジョン」というのは、「日本の高精細度テレビジョン放送」の愛称で、商標はNHKが持っています。
どこでも通用する言い方をすると、「2K解像度」のTVといいます。
デジタルの画は、皆さんもご承知の通り、多くの小さな点からできています。
当然、この点が多ければ、多いほどキレイに見えます。
この点の数を画素数といい、解像度の前の数字が横の画素数を表します。
2Kでアルファベットが入っていますが、これはメートル法で1000を示す「キロ」ですので、2000の意味です。
正確には、1920なのですが、まるめて2000と呼んでいるわけです。
デジタルTVでは、縦横比アスペクト比といいます。は、16:9と決まっていますので、ここが決まると画総数系のスペックは決まります。
4Kも同じ意味です。
名称 | 画素数 (横×縦) |
アスペクト比 (横×縦) |
面の画素数 |
2K | 1920×1080 | 16:9 | 2,073,600 |
4K | 3840×2160 | 16:9 | 8,294,400 |
■高解像度になると何が変わるのか?
一番にいえることは、画面がはっきり見えるということです。
これは、今後高齢化社会となる日本には、特にプラスです。
次にプラスに働くのは、視聴距離です。
2Kだと、TVの高さの3倍。4Kだと、TVの高さの1.5倍といわれています。
これってスゴいです。
例えば、55インチだと、約70cmの高さになります。
ハイビジョンだと2m10cmなのですが、4Kだと1m5cm!
4.5畳でも余裕です。
より楽に視聴ができるのが、4Kといえます。
■4K TVは買い時か?
実は、現在55型の4K TVは、30万円位が市場売価です。
安くなりました。
ハイビジョンが15万円位ですから、少々高目ですが、高性能TVとして考えると許せる範囲だと思います。
まだ、「4K放送していないし、4Kのソフトは高いから要らない!」と思われている方も多いと思います。
実は、現在の2K放送を、4Kにして観ることができる、アップコンバーターを現在の4K TVは持っているのです。
割とあるのが、TVはハイビジョンで、DVDを見る組み合わせです。「ハイビジョン画質でないDVDも十分キレイに見れるし、解像度なんて関係ない」、「アップコンバートなんか自分には無縁」といわれるのです。
DVDの元画は、NTSCNational Television System Committee(全米テレビジョン放送方式標準化委員会)の略称。日本がアナログ時代使用していたテレビ方式。走査線:525本。というアナログ放送を基本にしています。解像度は、1000に全く届かないレベルです。
これがハイビジョンTVで、キレイに見られるのは、アップコンバートされているからです。
そう多くの人は知らない内に、その恩恵を受けているのです。
当然、元々4Kで撮影された画には敵いません。
しかし重箱の隅をつつくような見方をしなければ、満足度はかなり高いです。
値段がこなれたこと、4Kの画像が流れる4K放送はCSしかないにせよ、アップコンバートすることにより、十分楽しめる。
これが、現在の4K TVの状況です。
■そんな中、シャープのU20の特徴は?
売れる環境が整った時、メーカーはどんな商品を出すのでしょうか?
「ズバリ」お買い得品です。
初期は、高性能に期待する人が買いますので、高くても高性能がマスト条件です。
高いのは、開発費が「ドン」と乗ってしまうからです。
しかしそれでは数はでません。
が、ここで評判が立つと、買わない人にも「××社の、TV技術はスゴい!」というイメージが付き、その後のシェア獲得に有利に働くのは事実。
このため、各メーカー競います。
その後、数を稼ぎ、シェアを取りに行くことになると、ユーザーが望んでいる機能が入れられるわけです。
初期モデルが、飛び抜けて美人だけどちょっと取っつきにくいところがある女性に例えると、こちらは美人のクラス委員というところでしょうか。
当然、話もしやすいですし、親しみやすい。
では、「U20のどこが」そうなっているのかというと、「サイズ」です。
例えば、先ほど出した100インチ。
理屈は上の通りで、誰でも買えるわけですが、まず余程の人でないと買いません。
まず、大きいし、重い。
ブラウン管時代に比べ、圧迫感がなくなったとはいえ、TVを付けっぱなしということはないですからね。
適当なサイズと言うモノがあります。
現在、多くの人が買っているのはハイビジョンの30〜40型です。
さて、シャープのU20のラインナップは、40型と50型。
その上位機種、UD20が、70型、60型、52型ですから、ぐっと地に足が付いたレベルです。
ちなみに、買い換えを想定して8年間使用した2006年モデルと、横幅を比較してみましょう。
年 | モデル名 | 横幅 |
2006 | LC-32GH2 | 97.2cm |
2014 | LC-40U20 | 90.1cm |
年 | 型番 | 横幅 |
2006 | LC-37GX2 | 110.9cm |
2014 | LC-50U20 | 112.3cm |
これは、液晶のフレームを極細にしたためと、横にあったスピーカーを下に設置する工夫がなされたためです。
さらにいえば、画の高精細度は、2K、4Kの関係ですので、サイズが倍にならない限り、4Kの方がキレイに見られます。
置き場所の制約で、サイズアップを諦めていた方への朗報でもあります。
■4Kコンテンツへ対応
現在、CS放送で4Kの試験放送が始まっておりますが、それにはAQUOSの4Kレコーダーを通して視聴することが可能です。
少々マニア向きですが・・・。
むしろ一般の人が4Kコンテンツに触れるのは、今年10月から始まる「ひかりTV 4K」がいいのではと思います。こちらは、U20だけで対応が可能です。
もちろん、ひかりTVとの契約などはしてもらう必要がありますが・・・。
またアップコンバーターは、2Kを4Kに変換する「AQUOS 4K-Master Engine PRO」が付いていますので、お持ちのブルーレイ・ディスクを4Kで楽しむことが可能です。
また4Kは写真を楽しむにも丁度イイ感じです。
というのは、ハイビジョンは、207万画素です。
今のデジカメは、その4倍の画素数が当たり前。ずばり4Kと画素数がほぼ同じ。
4Kはデジカメ写真のイイ部分が、そのまま見られる!
キレイです。
■音にもこだわる
液晶TVの最大の特徴は、平面であること。
実は、これ音にとっては非常に辛いことなのです。
「えぇ、でもヘッドフォンっていい音するじゃん。」という人が居られるかも知れません。
実はヘッドフォンの音は、非常に小さいのです。
このため、耳に接触する、極近で聴くわけです。
ところが、TVではそうではありません。
音は空気を伝わって、数m行き、耳に入るわけです。
それだけパワーが必要なのです。
その時に、よく使われるのが共鳴増幅技術です。
難しいように聞こえますが、楽器と同じです。
口笛では、余り遠くまで聞こえない。
が楽器、例えばリコーダーはよく聞こえます。
これはリコーダーの管の中で音が共鳴増幅するからです。
平面スピーカーの音が悪いのは、スピーカーが十分共鳴していないからです。
特に低音は共鳴しないと、遠くまで聞こえません。
金管楽器でいうと、高音のトランペットに比較して、低音のチューバは、より複雑に管をねじ曲げ少しでも距離を稼ごうとしているのです。そのためあんな巨大になるのです。
話を元に戻しましょう。
U20は、バスレフ式スピーカーボックスを採用しました。
バスレフ式というのは、スピーカーユニット後面から発生する音の低音域をヘルムホルツ共鳴によって増幅する方式です。
当然、増幅にはスペースが必要なのですが、U20はかなり上手く配置してあります。
音もかなりイイです。
■スタンドでこんなに雰囲気が変わるなんて・・・
実は、今回のU20を見て、変わったなぁと思ったのはスタンドです。
スタンドの上に、パネルを置いた感じに見える「フローティングデザイン」。
ピカピカ光っており、かなり個性的です。
■第一印象
4K放送こそ始まりませんが、値もこなれてきており、そろそろ手を伸ばしてもイイ時期と思っていますが、その時、U20は候補に入ります。
画は文句の付けようがないですし、音もかなり出ている感じです。
またサイズも適当。イイ感じです。
私が気になるのはスタンド。光を反射し目立つのです。
映画他、映像は娯楽としてゆっくり浸りたい自分ですから、スタンドに目が行くのは避けたいですからね。
まぁ、慣れれば問題ないと思いますが。
商品のより詳しい情報は、シャープのホームページにてご確認ください。
http://www.sharp.co.jp/products/