ショールームへ行こう!
面白すぎるぞ!『東芝未来科学館』@川崎
今年、1月30日にニューリアルした川崎駅前の『東芝未来科学館』(以下 未来館)。
一応、メーカーショールームなのですが、他のメーカーと考え方がちょっと違います。
現在、入場者数:20万人を突破したとのこと。今回は、そんな未来館のレポートです。
■各国からお客さんが・・・
最近、メーカーショールームも国際的になりました。
英語、中国語スタッフを雇っている場合も少なくありません。
しかし、国旗を掲げたお・も・て・な・しは、少ないと思います。
ここ未来館は、海外からの団体が来る場合、カウンターにその国の国旗を掲げるそうです。
平日にお邪魔させて頂いたのですが、右の写真の通りです。
しかも、その団体が帰られたら、旗を入れ替えなければならない繁盛ぶりなのです。
■展示は大きく3種類
未来館の展示は大きく分けると3つです。
1)今となっては珍しい年代物の家電が飾ってあるヒストリー・コーナー
2)今、使われているいろいろな技術と、それが体感できるゲームがセットになったフューチャー・コーナー
3)液体窒素、高圧電流を使うため、見るか、もしくは付き添われて体感するサイエンス・コーナー
大人は1)、3)が楽しいし、子供は2)、3)が楽しい。
とにかく体感型というのが強いです。
しかも、全コーナーそんな感じです。
ただ、2)も3)も親の解説は欲しいところですね。
そうすると会話も生まれる。
え、自分たちが今作って売っている製品がないって。
いえ、あるにはあるのですが、場所、規模、展示内容からいうと、正直、先の1)〜3)ほど錬れてはいません。
初めて見に行った時は、これで問題ないのと思ったほどでした。
では、野暮な説明は置いといて、観ることにしましょう。
■ヒストリー・コーナー
入り口には、巨大な年表パネルです。
こんなのもディスプレイ展示になったんだと思いましたが、下を見ると、各国語のスイッチが・・・。
これはディスプレイ展示の良いところですね。
東芝の創業者は二人います。
一人は、「諸器械製造所(のちの芝浦製作所)」を興した田中久重氏。
そしてもう一人は、「日本のエジソン」「電力の父」といわれる藤岡市助氏。
彼は「東京電気」の創始者。
この2つが合わさったのが、「東京芝浦電気」。「東芝」というわけです。
私は、藤岡市助氏は詳しく存じ上げないのですが、田中久重氏の方は、小学生時代読んだ「からくり儀右衛門」、その人ですからね。
興味芯々です。
まずは通り名にもなった「からくり」の妙をご覧ください。
どうですか。鳥の剥製を使ったからくり。
ちょっと信じがたい精巧さですね。儀右衛門の父は、腕のイイ鼈甲細工職人だったというので、精巧さは親譲りかも知れませんが・・・。
他のからくりもキレイです。
うなりますね。骨董品としても珍品の部類です。(酒好きなので個人的に欲しい!)
しかし傑作は、機械文化遺産にも指定された「万年時計」でしょう。
機能が充実し、気品があるこの置き時計は、機械文化遺産に登録されています。
次は藤岡氏です。
よくぞ残っていたというべきでしょうが、電球の数々です。
藤岡家から寄贈だということですが、素晴らしいコレクションです。
ちなみに電球の先が尖っているのは炭素電球。エジソンが「京都 八幡の竹が最高」といったタイプです。
マツダと書いてあるのはタングステン電球です。
実は「マツダ」は、米国会社の商標なのですが、1910年(明治43年)にタングステン電球を、より簡単にマツダ電球と呼ぶべく世界統一商標として使うことになりました。
その時のモノです。
藤岡氏は事業も手広く、「浅草の12階」と呼ばれた凌雲閣のエレベーターの設置や市電を通すなど、素晴らしい事業展開をした人でもありました。
さて、次のコーナーは、日本初のオンパレート。
面白部分を動画でどうぞ!
びっくりしたのは、稼働品であることですね。
単純な機械でも、歯車一つで廻らなくなります。家電メーカーといえどもメンテナンスは大変だと思います。
この後、後半はAV、コンピューターが並びます。
まだまだいろいろな家電がありますが、どうぞ自分でご確認を。
後半で自分の使っていたモノが出てくると当時の思い出がワッと出てきますので、大人向けでもあります。
皆で、「Always 三丁目の夕日」ごっこしましょう!
■サイエンス・コーナー
ここは見世物です。
子供から見れば、原理は分からないけど、見ると「えっ!」と思うものです。
未来館の素敵なところは、「タダ」であることです。
近くに住んでいれば、何度も見られるのです。
何度も見ていると、子供は「どうして?」とか、「自分もしてみたい!」とかなります。
未来館の出し物はよく錬れています。
まず「超伝導」です。
続いて「静電気」。
自ら被験者になってみました。これも中々体験できませんからね。
最後は、サイエンスショー。これは30分ですので、一部抜粋です。
どれも、質が高いです。
面白いです。
お金を払っても見たい、そんなショーです。
閉館近い時の写真ですので、行列はできていませんが、休日は行列ができるそうです。
順番待ちエリアも設けてあります。
■フューチャー・コーナー
一番広いエリアを占有しているのがフューチャー・ゾーンです。
これは、「エネルギー」、「まち」、「ビル」、「家」、「ヘルスケア」、「情報」に分け、それぞれの技術をゲームで体験する仕組みです。
例えば、「ビル」の場合、こんな感じです。
エレベーターの場合ですが、子供は解説パネルなどには興味ありません。
が、ゲームには飛びつきます。
エレベーターで効率よく人を運ぶゲームです。単純ですがこれがなかなか難しい。
私もトップが取れませんでした。
こうなると興味が沸きますので、パネルも再読。で、再挑戦ですね。
興味を覚えながら何度もするというのは、何かを会得する時の方法で、中々巧く出来ています。
情報の所だと半導体でしょうか?
さすがにフラッシュメモリとラップトップPCの雄、東芝です。
シリコンウェハーはともかく、インゴッドは中々お目に掛かれませんからね。
中の仕組みの説明はちょっと難しいのですが、その下 HDDに対する優位性は分かりやすい。
というより、100円玉HDDは、特に大人にはびっくりでしょう。
が、やはり人気はゲームです。
メモリーの中を走りまくるゲームで、映画『トロン』を彷彿とさせます。
人気も上々だそうです。
■未来館の意味
「おいしいコーヒーの作り方」という映画があります。
コーヒー業界の現状をまとめた映画で、アフリカの小作農の現状も表現されています。
彼らは食えるか食えないかギリギリの生活なのですが、村にまとまった金が入った時、言ったのは「学校を!」でした。
彼らは、未来を託す子供に対する教育を選んだわけです。
学ぼうとする気持ちの一番は好奇心です。
未来館は、それに対する1つの解答のように思われます。
地球は驚異に満ちています。
それが分かると、子供は自発的にいろいろなアプローチをします。
多分、東芝はそのために、未来館を設けたんだと思います。
単なる科学技術ではなく、未来を切り開くための科学を子供たちに託すために・・・・。
なんて話は止めましょう。
ここには、ここで紹介したもの以外に、まだまだ面白いものがあります。
本当です。
一緒に取材した友達の言葉で、この稿を終了させたいと思います。
「騙されたと思って行ってください、と書くべきだよ。スゴく面白いじゃないか!」
詳しい情報は、東芝未来科学館のホームページにてご確認ください。
http://toshiba-mirai-kagakukan.jp/index_j.htm
2014年7月27日