IHクッキングヒーター(以下IH)の普及率は、2013年で17.7%。日立によると、今年の予想は18.7%。
大物ですので、歩みはゆっくりですが着実に伸びている調理家電です。
2014年3月に日立が、IH:139名、ガスコンロ(以下ガス):189名を対象に調査した「使用時の不満点(12項目より複数選択)」によるとIHとガスでのトップ3は下表の通りです。
IHの不満点 | ガスの不満 |
不満点はない(35%) | グリルのお手入れ性(50%) |
グリルのお手入れ性(25%) | コンロのお手入れ性(48%) |
コンロの口数(14%) | 不満点はない(18%) |
IHの場合、コンロ部はフルフラットですからね。お手入れの問題は狭いグリル部に集中します。
■ラク旨グリル(ラクうまグリル)登場
日立は、このグリル部に専用の器具を用意しました。
名付けて「ラク旨グリル」です。
このグリル、フタも付いています。
IHの場合グリルは電気オーブンと同じですから、イメージとしてはオーブンを汚さないように、専用のフタ付きフライパンを入れたようなものです。
これだと汚れる心配はありません。
焼いた時に油分が多く出て、グリルを汚しやすいサンマを100尾塩焼きにしても、きれいなものです。
しかも、パラジウム酸化触媒が、強い臭いを緩和します。
万が一、油汚れが気になる様でしたら、下ヒーターがリフトアップする「3面・そこふけ〜る」を使います。
かなり使える機能です。
■専用レシピは220種!
日立は、このラク旨グリルに対し220種類のレシピを用意しました。
肉、魚を焼くのはもちろんのこと、フタ付きですから、総菜パンや「蒸し焼き」調理もできます。
オープン操作部にも工夫があります。
ホワイト液晶で判読しやすいこともそうですが、使用する付属品を表示したり、使う水の量を表示したりします。
■少人数世帯でも便利
この日立のIH「火加減マイスター」ですが、少人数世帯にも考慮しています。
従来の調理制御は、約4人分の材料を調理することを前提に、少ない量にも対応していました。
しかし、今回は専用の「少量コース」を設けています。
専用の制御で、少ない分量に適した火力で美味しく調理するわけです。
トーストも焼けますので、オーブントースターは必要ないかも知れませんね。
■業界トップクラスの「3.2kW」の大火力
3.2kWは実際パワフルです。
2013年モデルのHT-H300XTWF(W)は。3.0kWです。3.2kWと余り差がないように感じる方もいるかも知れません。
4.0L、20℃の水を湯にしてみましょう。
3.0kWに比べ、3.2kWは、実際には37秒の時短になっています。
日立の計測だと、約7分36秒。約8%の時短となります。
料理を手早く作るには、大火力は嬉しいですね。
■オールメタルは実にパワフル
「IHにはIH対応の鍋を」とよく言われます。
しかし、お気に入りの鍋が必ずしも鉄・ステンレスとは限りません。
アルミ、銅などのこともあるでしょう。
そんな時はオールメタルがお勧めです。
しかもオールメタルは時短にも、省電にも強いようです。
■第一印象
汚れに対し、今回は一種のフライパンで対応した様な感じでした。
が、サンマ100匹焼いた後もキレイで、大いに効果は上がっていると思います。
ただ、既存のグリルサイズにこだわり過ぎているのでは、とも思いました。
完全電化ですから、新しい発想で、位置、サイズを見直す手もあるのではないでしょうか。
また当日、エビの天麩羅、ナスの天麩羅、アクアパッッア、スパゲティーを試食しました。
アクアパッッア、スパゲティーは美味しかったです。
エビ、ナスの天麩羅は、今流行の天玉を使うタイプでした。
味は悪くはないのですが、衣がやたら分厚くなりますので、食感は悪いです。
正直、そうまでして天麩羅をオーブンで作る必要があるのか、私には分かりません。
基本をきちんと押さえたイイ商品であることに間違いはないのですが、ちょっと肩に力が入りすぎているようにも感じました。
■日立 環境ビジネス機器事業部
ところで、IHは環境ビジネス機器事業部が開発しています。
ここの商品はIH以外に、照明、エコキュート、太陽電池がありますが、照明、エコキュートは今年度の省エネ大賞を取っています。
当日展示してありましたので、再度ご紹介します。
太陽電池も負けていません。パネルは25年保証ですし、パワーコンディショナーは96%とトップクラスです。
商品のより詳しい情報は、日立のホームページにてご確認ください。
http://kadenfan.hitachi.co.jp
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