シャープ、中小型ディスプレイの
取り組みについて発表
本日、シャープが中小型ディスプレイの取り組みについて発表しました。
あくまでも商品で勝負しようとするシャープに「メーカー魂」を見る思いでした。
シャープが液晶の市場を開拓してきた歴史はスゴいです。
「電卓の液晶」から始まり、巨大な液晶パネルをもつHi8ムービー「ビューカム」、「デジカメ」。そして「PC」に「TV」。
どこか液晶が使えるところはないかと、液晶の量を追求してきた歴史のように見えます。
しかし、量が出ると安くなるのは、自由市場の原理です。
2K TVの質は高いですからね、それだけで満足度が高い。
このため、売価が販売要素として大きなウェイトを占めるようになってしまった。
現在は、そんな状況です。
ただ、前回のCEATEC(2013年)でシャープは、フレームレスの液晶を展示をしています。
展示を見てもらうと分かるのですが、フレームレスは先の仕様(4K、8K)を、より上手く描写するための基本技術になるのではと思っています。
■フリーフォームディスプレイ:FFD
今回シャープが、中小型ディスプレイで提案しようとしているのは、自由形状のディスプレイ、FFDです。
と言ってもアメーバのように、見ていると丸になったり、四角になったりするのではありません。
自由な形状が選択できるディスプレイです。
例えば、クルマのメーターパネルのような形の液晶ディスプレイです。
平面液晶であることは変わりませんが、形が自由なわけです。
■形が変わればニーズはあるのか?
現在、見えているのはクルマ分野ですね。
が、カーナビとは違います。
パネルなど、今まで四角の液晶を幾つかはめ込んできたのを、一気に全面液晶化しようというわけです。
クルマのデザイナーからいうと「よくぞ、来てくれた。」という感じでしょうか?
アニメではないですが、3次元で表現できないが2次元なら表現できるものもあります。
例えば、映画のCGがそうですね。
CGが発達した今、いろいろなデザインの可能性があると思います。
毎日、違うデザインのパネルが楽しめるだけでも面白いですから。
■超極細フレーム追求で出来た技術
通常のTFTパネルの場合、パネルの走査線ごとに必要なゲートドライバーはまとめて額縁部に収納されています。
配電は楽ですが、当然額縁は大きくなります。
狭額縁化を目指した時は、ゲートドライバーをゲートドライバーを左右に振り分けました。
これだと額縁は、1/2の大きさにできます。
FFDには、超狭額縁技術にも応用された技術が応用されました
ドライバーを極限まで小さくし、分散配置するのです。
捜査線をまとめて、面倒見るのではなく、区画割りにしてやるのです。
そうするとコントロールする面積が小さいですから、ゲートドライバーは小型化が可能です。
しかも、これだと縁がなくても、コントロールが可能なわけです。
尚、シャープの強みはFFDだけではありません。
液晶の基本がしっかりしている、IGZOパネルがあるからです。
IGZOに、新しい要素を加えるわけです。
■クルマ以外の用途を模索
シャープは本日の発表で、車載用途以外に、MEMS、医療用市場を指摘しました。
MEMSには、「超低消費電力」「耐環境性能」「高色純度」がキーになるそうです。
まだMEMSの使われ方が判然としないため、それだけで良いのか? とか思ってしまいますが、液晶のことをずっと考え続けてきたシャープのこと。
液晶の引き出しはまだまだあると思います。
新しい技術による、新しい市場の開発。
大いに期待しています。
より詳しい情報は、シャープのホームページにてご確認ください。
http://www.sharp.co.jp
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タグ: FFD, シャープ, フリーフォームディスプレイ, 中小型ディスプレイ