新製品

日立、新しいカテゴリー 2合炊き IH炊飯器
名は「おひつ御膳」RZ-VS2M


先にレポートしました5.5合でも少量美味く炊けるIHジャー炊飯器「ふっくら御膳」と同時発表の、2合炊き IH炊飯器「おひつ御膳」RZ-VS2Mをレポートします。
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ニーズが顕在化した「少量炊き」の
新コンセプト商品。「おひつ御膳」。
オープン価格。9月中頃発売。

IHジャー炊飯器「ふっくら御膳」で説明した様に、2合を中心とした少量炊きに人気が集まっているのは、事実です。
量販店でも3合以下の炊飯器を集め、コーナーを作っています。

平日でも、必ず何人か必ずいる人気コーナーです。

 
■「おひつ御膳」のコンセプト
「2合以下の少量がおいしく炊けて、おいしく食べられる。」
ふっくら御膳が、「5.5合も、2合・1合も、いっぱい炊いても、少量炊いてもおいしい。」です。

コンセプトは、設計指針と同じです。
ふっくら御膳の方は、現在あるIHジャー炊飯器の弱点、少量炊きの問題点を克服した商品であることがわかります。

では、「おひつ御膳」は、IHジャー炊飯器の2合炊き版で良いのでしょうか?
そればノーですね。
何故ならば、ジャー炊飯器が「ふっくら御膳」に対し、2合炊きは「おひつ御膳」ですからね。

炊飯器に対し、より軽い感覚の「おひつ」。
この「軽さ」が「おひつ御膳」の特徴となります。

 
■「おひつ御膳」の仕様
2合だけ炊けばよいということで、「おひつ御膳」はかなり思い切った仕様にしています。

主な仕様を列挙しますと

1)IHジャー炊飯器ではなく、IH炊飯器。

おいしくお米を炊けるようにするため、次の技術を盛り込んであります。
①全周断熱構造(本体の円周部分)
②調圧構造(本体のフタ部分)
③重厚打込鉄釜

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左)「おひつ御膳」カットモデル。お釜の横に白い断熱材が入っており「全周断熱構造」であることが分かる。
右)右手に真空断熱材、左手に中身を見せながら、「全周断熱構造」を説明する鈴木主任技師。


 
2)電熱部と本体は離すことができ、本体だけテーブルなどに持って行くことができる。「おひつ」といわれる所以です。

3)本体部は全周断熱構造により、魔法瓶に似た保温構造になっており、かなり長時間、それなりの温度を保つことができる。

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左)分離された「おひつ」本体と、熱源部。
右)おひつの保温曲線(赤)と電源をいれないジャーでの保温曲線(青)。


 
4)操作部は余分なスイッチがなく使いやすい。パーツが少なく手入れもしやすい。

5)大きさが適切であるため、微妙な水量まで調整できる。

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左)熱源部のコントロール部。最小限のスイッチで構成される。
右)内釜にある水位目盛り。釜が小さいため、水量も微調整が可能。


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毎回手入れが必要なのは、お釜を入れて3つ。
これは楽!


 
 
 
 
 
 
 
■第一印象
「おひつ御膳は美味しくご飯が炊けるか?」と問われたら、「プレミアム炊飯器の適正量で炊いたモノほどではないが、十分美味しく炊けている!」と返事ができます。(会場で、茨城産「コシヒカリ」の試食会あり)

「おひつ御膳は使いやすいですか?」と問われたら、「その通り!」でしょう。

「おひつ御前は新しいですか?」と問われると、私はちょっと違和感を感じます。
何故でしょう?
それは「おひつ御膳」が、そのコンセプトに相応しいデザインになっていないからだと思います。

 
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テーブル上の「おひつ御膳」。
女性のいるのですが、堅い感じがします。
違和感があるのは、私だけでしょうか?

例えば色です。
今回採用は、ブラウンゴールドとブライトシルバー。
ブライトシルバーは、一見、アウトドアのコッフェルキャンプ、登山等主に屋外で使用される携帯用の小型の調理器具を思わせます。
調理的には、使いやすそう、片付け楽そうというイメージがします。

が、それをテーブルに置くかと聞かれたら「?」です。

お米の基本は、「茶碗」と「箸」。
炊く時は「釜」でも、食卓近くの「おひつ」は、「木」であったはずです。

日本は、ヨーロッパと違い、基本的に金属をテーブル上に持ち込みませんからね。

 
つまりデザインが、コンセプトである「おひつ」。
「そのまま食卓に持って行って楽しんで」と、違う方向を指している様な気がするのです。
「今まで通り、台所に置いておいて」という感じなのです。

 
いいコンセプトなのに、全てが同じ方向を向いていない。
「おひつ」という軽さが、表現し切れていない。
「惜しい。」
これが、私の第一印象です。

 
この傾向のデザインで押すなら、別のコンセプトがあるのではと思います。
それは「加温器」です。
発表会後、ある方が、「お燗はできないの?」といわれていましたが、まさに慧眼、素晴らしい意見です。
調理器の雰囲気を持っているわけですので、テーブルの上での調理(加温)に使うわけです。

 
「新しい酒は、新しい革袋に」
遊牧民の諺です。
新しい、香りの高い新酒を古い革袋に入れると、古い酒の香りが移り、酒が台無しになるわけです。

「おひつ御膳」という新しいコンセプトを、「炊飯器」という古いデザインで包んでしまった。
そんな気がしてなりません。

 
ただ、デザインは人により見方が一番変わる要素でもあります。
コンセプト、性能はイイ商品ですので、是非店頭で、モノを見て判断して頂けると幸いです。

 
商品のより詳しい情報は、日立のホームページにてご確認ください。
http://kadenfan.hitachi.co.jp
 
■関連記事 新製品:日立の2合以下でも美味しく炊ける5.5合炊き IHジャー炊飯器「ふっくら御膳」RZ-VW3000M

2014年6月26日

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