ダイソン AM07 タワーファン
扇風機ではなく「タイフーン」と呼びたい。
クーラーのなかった子供の頃、6月に入ると衣替えをし、梅雨明けと共に夏グッズを出していました。
蚊帳、蚊取り線香、麦わら帽、浴衣、氷掻き、団扇、扇、そして扇風機。
5人家族の我が家には、4枚羽根のシンプルな扇風機が3台もありました。
通常の家電は一家に一台ですから、異常に多い数です。
お婆ちゃん用、両親用、子供用でした。
昔なので、窓全開で蚊帳を吊って寝ていたのですが、当然暑い時があります。
そうなると扇風機に登場してもらわないと寝ることができません。
扇風機 LOVE な子供時代でした。
この扇風機、江戸時代には、すでに現在の原型ができています。
江戸時代ですから、今ほど暑くはないにせよ、湿度の高い日本の夏は過ごしにくい。
このためでしょうかね。
家電の中でも古い歴史を持ちます。
■「扇」のない扇風機・・・
「扇」がない・・・。
代わりに大きなオーバル形。
そのインパクトは果てしなく大きいと言っても過言ではありません。
特に「扇=羽根」で空気を送ってきた日本では、飛び抜けた発想です。
ところで、皆さん、幼い頃、指を羽根に当てたことはないでしょうか?
私はあります。
止めて回転がゆっくりになるのを見計らい当ててみる。
「コン」「コン」「コン」と割といい音がします。
止める時はトルクがありませんので、そんなには痛くありませんでした。
親に見つかり、大目玉を喰らいました。
5歳下の妹が真似をしたらということで、盛大に怒られました。
男の子はキズがあっても問題ないですが、傷だらけの少女はちょっと困りますからね。
そうなると発想は、柔らかい羽根、羽根のない扇風機に向かうのですが、それを世に出したメーカーはなかった様に思います。
■ダイソンの強み
ダイソンと言えば、「掃除機」「吸引力」「サイクロン方式」でしょう。
が、根底に脈々と流れているのは、それを実現する「強力無比な小型モーター」。
そして、「気流」を作り出す技術です。
ダイソンのうたい文句は「吸引力が変わらない」掃除機ですが、私の友達は全員「吸引力が強い」と思っています。
吸引力も変わらないのですが、モーターがスゴい! ちなみに音もスゴい!
特に発売された当時のモデルは、音を小さくよりも、掃除機の最も重要な特性「ゴミを吸う」に注力したためだと思いますが・・・。
さてAM07の送風部を見るとデザインは仮面ライダーの「タイフーン」ベルト仮面ライダー1号、2号が付けていたベルト。ライダーのエネルギーは小型風車が回るエネルギー。WタイフーンとうたわれたV3のベルトは大人気だった。ちなみに、乗り物は風を受けるサイクロン(オートバイ)。V3はハリケーン。
風のエネルギーが伝わるデザイン。格好良すぎです!
■何がイイって、どこでも置けるぞ!
扇風機の画を書くとすると、どう書きますか?
丸い羽根の部分を書いて、そして長い支柱、大きな土台を書きますよね。
そう扇風機は、割と大きい家電なのです。
1つは羽根で風を送っているためです。
基本、羽根の直径が、送風の中心エリアとなります。
送風エリアを大きくするには、羽根径を大きくする。
人間は縦長な存在ですから、全身に風を浴びるには、よほど径を大きくしなければならないのです。
しかも、扇風機の真後ろにモーターが付いていますからね。
大きな羽根&パーツで最大の重さのモーターですので、扇風機は大きい上に、割と頭でっかちなのです。
だから土台はどうしても大きくなります。
ダイソンのモーターは土台部分にあります。
つまり最も重いモノが地面ギリギリに設置されている。
それ以上重い部分はないので、土台を思い切り小さく出来るのです。
しかも、上のパーツも軽く邪魔にならない大きさです。
つまり、倒れないのです。
これは優れた利点です。
今までの扇風機と違うのは他にもあります。
私は書斎で使っているのですが、頭から足先まで風がくるのです。
で、送風の基本面積を算出してみました。
扇風機はφ30cmとします。
すると送風部分の面積は、15cm×15cm×π=706.9cm2
ダイソンの場合、オーバルの内面積です。
約73cm×16.5cm=895cm2
スマートながら送風面積はダイソンの方が大きい。
しかも、体全面ですからね。
理にかなったデザインです。
■風量チェック
ダイソンは風の強さでも定評があります。
紙テープ測定してみました。
なんとです!
2mの紙テープが地面に届かないではないですか!
実は、現在の紙テープは「重い」テープに属します。
宣伝でテープの流れを見せる時は、もっと軽い布、薄金属テープを使います。
垂れてしまうと格好が付きませんからね。
最大風量(レベル10)ながら、見事なモノです。
熱が籠もる風呂上がりにもってこいです。
■動作音と寝る時の使用 他 注意点
さて動作音ですが、やや大きめといえば大きめですが、レベル4〜5の連続送風なら、さほど気になりません。
最新版のAM07は、空気がスムーズに流れるよう空気の経路を再設計したり、モーター音対策のためにヘルムホルツ式空洞が設けられており、力を入れております。
公設試験研究機関内の無響音室で、2014年1月に行われた、風量最小での実験では、27.3dBだということで、この値自体は大したものだと思います。
ただし家電のモーター音は、洗練されていないのがほとんどです。元々のモーター音がイヤな人はこれでも厳しいかも知れません。
次にダイソンのファンは、構造上、前屈み姿勢がとれません。
つまり布団に寝た時、直接風はほとんど当てられません。
ただ上を風が通過しますので、風を感じることはできます。
また、移動することも考慮されていません。
取手がないですし、持つ時は下を持たないと、いけないですから。
このためリビング、寝室往復などを想定すると、ちょっとイヤです。
さらにいえば空気の吸い込み口などにフィルターとかは付いていません。
ここは扇風機のエンジン部分でもあり、取り外しができないようになっています。
一般家庭の場合、問題ないと思いますが、室内犬、猫を飼っている場合はどうなのでしょうか?
毛が入った場合など・・・。
吸い込み口は、地面からは約10cmなので大丈夫とは思いますが、ちょっと気になってしまいました。
■まとめ
ダイソンの扇風機は、リビング、書斎など、日常の活動空間で使うと、とても便利です。
送風大、設置面積小というメリットが最大限に活かせます。
幼児などが居る家庭にはお勧めですね。
羽根がないし、転倒の可能性が皆無なので、とても安心です。
ちなみに、扇風機が出てくると必ずする、「声出し」。
羽根がないのでも、声質が変わるのかと、子供からの質問でやってみました。
ダイソンでも問題ありません。声と風の角度を上手く調整するとできます。
ただし羽根による声の反射がない分、かなり効果は薄めですが・・・。
扇風機を楽しく使う方法は、いろいろありますね。
そうそう最後に、箱は捨てないでくださいね。
夏以外季節の保管箱になりますので。
商品のより詳しい情報は、ダイソンのホームページにてご確認ください。
http://www.dyson.co.jp
2014年6月13日