シャープ コードレスサイクロン掃除機「FREED」
王道コードレス掃除機
シャープ、コードレスサイクロン掃除機「FREED」が発表されました。
この掃除機、鬼面人を驚かすような雰囲気を醸し出していませんが、実はスゴいのです。
「王道」進化を遂げた掃除機と言っても過言ではないでしょう。
最近のスティック型掃除機の人気は留まるところを知りません。
知り合いの女性から、質問を受ける数では多分一番多いでしょう。
今までは「2台持ち」と言われてきたスティック型掃除機ですが、去年位からイメージがガラリと変わってきています。
「これ1台で十分。」が、そのイメージです。
■スティック型掃除機は2タイプに分かれる
スティック型掃除機は、その源流は2つに分かれます。
キャニスターから進化しているタイプと、ハンディから進化しているタイプです。
似ていますが、「全く違う」と申し上げても過言ではありません。
双方とも床を掃除できます。
しかし、キャニスターから進化しているタイプは、それしかできません。
卓上、カーテン、TVの裏などを掃除するには、別の掃除道具を用意しなければなりません。
理由は、バッテリーとモーター、そしてパワーヘッドですね。
それぞれ重い。
少々の軽量化では、女性の細腕では持ち上げるのは厳しい。
で、コードレスだが、床に接触することを基本とするスティック型掃除機が生まれるわけです。
この前提があるため、どうしても「床」重視型となります。
確かに掃除の95%以上は、「床」ですから、通常時不都合はないと言えばそうなのですが、「これ1台」となると疑問が残るわけです。
逆のことが言えるのが、ハンディ型から進化したスティック型掃除機です。
基本がハンディ系ですから、アタッチメントを変えることにより、どこでも掃除できます。
重いでしょうと言われると、その通り。
本体に重心があるため、ヘッドが床に着いていても、重いですからね。
このため必要なことは1にも2にも軽量化、そしてバランスです。
しかし単に軽量化すると、吸い込みが悪い(モーターの力が弱い)、掃除時間が短い(バッテリー容量が足らない)などの問題点が出てきます。
技術的難易度は高いです。
しかし、ハンディ型から進化させることができれば、アタッチメントで、いろいろな所を掃除することができるメリットを手にすることができます。
メーカーから見れば、非常に難しい選択であります。
■ハンディ型進化の「FREED」
シャープは、ハンディ型からの進化を選択しました。
このためには、前述の通り、モーター、バッテリー、他 十分な軽量化が条件となります。
軽量化の一番手は、モーターです。
2013年モデル(EC-DX100)で、本体:約600g、制御回路:約100g、計:約700gあった駆動系を一体化し、なんと60%の軽量化を達成。約280gにしました。
その他のパーツも見直し、掃除機全体では約2.2kg。
世界最軽量ではありませんが、トップクラスの軽さです。
■バッテリーは取り外し可能
次の特徴はバッテリーが取り外せることです。
実は取り外せるバッテリーと言うのは、基本、円柱、もしくは直方体の形です。
いわゆる扱いやすい形です。
ところが多くの場合、バッテリーは内蔵型で、本体から外せません。
何故でしょう。
それは、形を選ばずバッテリーを作ることができれば、少しでも多くの容量を稼ぐことができますし、バッテリーの取り外し機能を付けなければ、より軽くできるからです。
では、バッテリーを取り外すことにより得られるメリットとは何でしょうか?
それは収納の自由です。
スティック型掃除機の大半は室内の片隅に立てかけられます。
しかし条件があります。
必ずコンセントの横。
実は割りと自由度がないのですね。
今回は、バッテリーと本体は別々ですので、本体は納戸でも、部屋の片隅でも、する人はないと思いますが壁にオブジェとして掛けても良いわけです。
これはメリットです。
バッテリーの話が出ましたので、どの位使えるのかです。
自動モードで、20分です。
また十分なテストはしていませんが、第一印象としてシャープの自動モードは「使える」という感触です。
逆に言えば、謳い文句の通り、20分使えると言えます。
あと、充電器の方に工夫があります。
急速充電が可能なのですね。
80分でフル。これは早い。
さらに言えば、5分の充電で1分は稼働します。
ちなみにバッテリーの価格は、8000円。
バッテリーを2本買って使うという手もあります。
■0.3μm以上のホコリを約99%キャッチするフィルター現在の家は、アレルゲンがいろいろあります。
現在の最右翼は、花粉、ダニのフン(ハウスダスト)。それにPM2.5等が続きます。
掃除機の排気が汚いということは、一端吸い込んだこれらのアレルゲンが、室内に放出されることを意味します。
しかも現在の家屋は密閉度がいい。
空気清浄機で対応と考える人もいられるかも知れませんが、やはり掃除機の排気はできる限り、キレイな方がイイです。
FREEDのフィルターは、0.3μm以上のホコリを約99%キャッチするそうで、期待に応えられる性能です。
ちなみにダストボックスの容量は、200ml。
3〜4日が限度でしょうかね。
FREEDのダストボックスは、取り外しが実に簡単。
私は、毎日ダスト処理することをお勧めします。
そうするとゴミにダニがわくこともありませんし。
またダストボックスは、まるまる水洗いも可能です。
1ヶ月に1度くらい洗ってやると、キレイに扱えます。
■工夫された扱い方
先ほど、ハンディタイプは色々なところが掃除できると書きましたが、実際それをするには、「バランスのよく持てること」が鍵です。
今回シャープが採用したのはラウンドハンドル。
ハンドルの前、後と、状況に応じ持ち帰ることにより、バランスの良い、使いやすいポジションを見つけることができます。
更に、アタッチメントも充実しています。
机の上、隙間、高所などいろいろありますが、別売ですが、布団専用アタッチメントがあるのも高ポイントですね。
別稿でも書きましたが、ダニは熱(布団乾燥機で十分殺せます)で殺し、掃除機でダニフンと死骸を片付けるのが、最も理にかなっております。
その場合、掃除機は、どこでもでき(=コードレス)、清潔な専用アタッチメントがあるのがベスト。
FREEDは、上質な布団掃除機としても、使えるわけです。
■第一印象
会場で触った印象です。
まずパワーに関しては、自動モードでフローリングの溝奥まで取れるので、基本いけそうだなと思いました。
まだ毛足の長い絨毯などでのチェックをしていませんので、何とも言えませんが・・・。
ただパワーブラシ付きのヘッドの出来が良さそうなので、期待大です。
次に隅の綿埃の吸い取りです。
空気の吸い込みに工夫をしてあるメーカーもありますが、キャニスター型ほどパワーも、電池容量もありませんので、ヘッドの下の部分だけを吸い込むことを重視するメーカーもあります。
そうなると、隅のホコリは中々取れないのです。
今回のシャープのモーターはなかなかパワフル。
それを利用して、ヘッドの前面を開放することにより、キャニスター型と同じような感覚で扱えるようになっています。
大きく評価したいポイントです。
操作は右手が基本です。
左手でも扱えないことはありませんが、排気が手に掛かります。
右手で操作する限り、排気を浴びることはなく、極めて快適に使用できます。
ちょっと気に掛かったのは、高く上げた時のバランスですね。
が、壁面、天井面の掃除は、頻繁にしませんので、大きな問題ではありません。
性能の満足度は高いです。
デザイン個人的には、もう少し目立つ色でも良かったかもと思っています。
掃除機は、家のゴミをやっつけると言う感覚がありますので、もう少しビビッドな色でも良かったかなと思います。
まぁ、色味は個人の好みですので・・・。
■さて想定市場価格は
5月下旬発売の、このFREED。オープン価格です。
市場想定価格は、5万5千円(税抜)。
FREEDは、よく考え抜かれた掃除機です。
スティック型掃除機1台で済まそうとしている方は、手に取ってみることをお勧めします。
商品のより詳しい情報は、シャープのホームページにてご確認ください。
http://www.sharp.co.jp
■関連情報
豆知識:「アレルゲンのお話 01 室内塵性ダニと家電による対応」
2014年5月15日