スターバックス、クローバー
これが現代のアメリカンコーヒー マシンだ!
全ての店舗ではありませんが、スターバックスには、リザーブというメニューがあります。
コーヒー第三の波、スペシャリティー・コーヒーを飲ませてくれるサービスです。 スマトラ ブルーバタック、100% コナ コーヒー パリー エステート 等、喫茶店でも腕に覚えのある店が提供するような豆を使います。
面白いのは、抽出方法です。
喫茶店では、こんな時は、ハンドドリップです。
豊かな香り。
爽やかな酸味、後追いする苦みが混じり合いますが、雑味のないピュアな味。
丁寧に抽出された濃い焦げ茶色の液体は、少量でも1枚払う価値は十分にあります。
スターバックスは、フレンチプレスですね。
4分掛けて抽出、プレスし、粉を取り除いたコーヒーは、ハンドドリップより濃厚。
味の複雑さはこちらが勝りますが、雑味もあります。
■クローバー
先ほど、スターバックスの一部で、リザーブというサービスがあると書きましたが、そのリザーブをしている店の一部に置かれているのが、本日紹介したい「クローバー」という機械です。
厨房に入ることはできませんでしたので、全面写真はないので、イメージが掴みにくいかも知れませんが、次のように使います。
豆の使用量は、通常の倍以上40g。
これを天面に空いた穴に入れます。
90〜95℃位のお湯が上からトプトプと注がれます。
マドラーで、コーヒー粉が全面お湯に浸されるように混ぜます。
そうですね、湯量も1.5杯分位ですし、この間、15秒前後です。
穴の底は70メッシュの網(金属フィルター)になっています。
上の抽出されたコーヒーを一気に負圧で吸い出します。
抽出は30秒掛かるか、掛からないかですので、時間的にはエスプレッソ並。
最後はせり上がって来たコーホーかすを掃除して(手前のカス受けに布巾で拭き取る)終わりです。
香り豊かで、酸味と苦みが上手く混ざり合った感じです。
フレンチプレスだと一口目は酸味。時間が立つほどに苦みが追いつく感じですが、クローバーで入れると酸味と苦みのバランスが良好になったものが初めから味わえます。
■これってアメリカンじゃないか!
昔、アメリカンという淹れ方がありました。
焙煎はやや浅め。
豆は通常より、タップリ使用して抽出します。
香り豊か。バランスがやや酸味に寄った薄味、薄焦げ茶のコーヒーです。
腕が確かな人が作ると、本当に美味いコーヒーです。
豆の良いところだけを味わうため、豆を多く使う実に贅沢なコーヒー深みのないコーヒーと評する人もいます。しかし嗜好品ですから・・・ね。です。
単純に言えば、エスプレッソの正反対。
エスプレッソは少ないコーヒー豆エスプレッソは凶作など豆の不足が源になり出来たと言う人もいます。から、加圧、その他の行為によりトコトン絞りとりますので・・・。
私がクローバーで抽出したコーヒーを飲んだ時、思い出しのがアメリカンでした。
焙煎こそ、今のトレンドで深めになっていますが、多くの豆を使い、香りなど豆の抽出しやすい成分などを一気に吸い出す。加圧ではありませんので、微粉の中にまで強制抽出しません。
アメリカンコーヒーの良さが全てあります!
■でも売ってないんだよなぁ・・・
このマシンのプロト型は、2007年に米国のコーヒーショーで発表されたそうです。
で、これを味わったスターバックスの社長は、即、会社ごと買ったそうです。
すげー。
でも分かります。
いい判断ですよね。
コーヒーのサードウェーブの発祥の地は日本。
実は、スペシャリティーコーヒーの豊かさは、日本人の職人気質に支えられているともいえます。
使い込まれた道具。
信用できる所から持って来られた素材。
お客を見て、合ったコーヒーをカップで勧める。
まさに職人技。
しかしチェーン店では無理ですよね。
そのためのマシンです。
一台欲しい位のシロモノなのですが、残念ながら売っていません。
久しぶりにアメリカンコーヒーを感じられて嬉しかったです。
スターバックスの中には、こんな面白いマシンを使っているところもあるんですよ。
と言うより、エスプレッソマシン似ではなく、こんな発想のコーヒーメーカーはないですかね!!
2014年5月10日