新製品

au 新製品発表会
通信からの脱皮?


ソフトバンクの孫社長が、「スマホ、携帯の種類も限られた今、新製品発表会を行う意味はない。」と発言した翌日。
auの新製品発表会が、ザ・プリンス パークタワー東京で行われました。
確かに孫社長の言うことも分からないではありません。
スマホは、アンドロイドとiPhoneに二分化。
アンドロイド数機種は細部の違いはありますが、iPhoneほどの差違はありませんし、iPhoneは基本一機種ですからね。

しかし通信市場に、docomo、au、ソフトバンクがひしめき合う中、いろいろな場面で折に触れアピールすることは必要だと思います。
docomoが投げかけた通話料金の値下げ、特にauは明確に答える必要がありますからね。

 
■お礼とお詫び
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KDDI(株) 田中孝司 代表取締役社長
卓には、「au あたらしい自由」の文字

壇上の田中社長の発言は、ユーザーさんへのお礼の言葉から始まりました。
契約者数が「4千万人」を超えたお礼だそうです。
母数が何であるのか仕事で使用することを考慮しない(法人を入れない)場合、基本的な最大数は日本国民数となる。法人を入れると、母数は比較的に拡大する可能性が出てくる。明言されませんでしたので、コメントはしません。

次のお詫びは、料金プランに関してのコメントは、別に席を設けますとのことでした。
元々、今年中に発表と聞いておりましたので、違和感は覚えませんでしたが、消費税が値上がった今、auユーザーとしては、早く見直して欲しいと言うのが本音だと思います。

 
■auの事業
田中社長によると、auは6つのことを発信しなければならないとのことです。
「ネットワーク」「端末」「サービス」「サポート」「料金」そして「ウォレット」。
頭の5つは、見慣れた文字が並んでいます。
が、「ウォレット(財布)」って何?
そう今回の発表で一番の目玉は、この「ウォレット」なのです。

私も、今回、この商品に絞りレポートさせて頂きます。

 
■新商品プリペイドカード「au WALLET」
ウォレットと言いましても、au印の革財布を出そうというわけではありません。
新プリペイドカード「au WALLET」を出そうというわけです。

田中社長によると、現在クレジットでの決済は年々増加し現在約50兆円に、電子マネーでの決済は現在約2兆円になっております。
さらに言えば、電子マネーは1件当たりの金額は小さいのですが、件数の伸びは著しく、クレジットの3割に達するそうです。

電子マネーカードというのは、いわゆるプリペイドカードです。
一番利用されているのは、交通機関系の「Suica」「PASMO」でしょうかね。

後、セブンイレブンなどイオン系の店で使える「nanaco」、i-storeから音楽、映像を買うことができる「i-Tuneカード」があります。
皆さん複数枚お持ちのことと思います。

しかし、そんな中、同じ電子マネーカードでも、デビットカードでの支払いは伸びていません。
デビットカードは、銀行が出してくれる電子マネーカードです。
口座を開設すると、勝手に付いてくるカードです。
持っていない人はいないのでは、と思える位、バンバン発行されています。
そんなカードが、2006年位まで伸びて、後はずっと微減。
何故でしょう?

単純にいえば使えないカードだからです。

 
元々プリペイドカードは、手形、商品券の延長線で考えられています。
商品券を考えたのは、鰹節の老舗「にんべん」ですね。
にんべんの六代目、天保年間の時代です。

面白いのは、信用の付け方です。
鰹節が買える銀貨と同じ目方の銀で商品券を作ったそうです。

万一、にんべんが潰れても損はしない分けです。
それからハクが付く(信用度が増す)に従い、紙に変えていったそうです。

お金の歴史を見ているようです。
実は、紙幣でも同じことです。
よく例に出されるのは「ドル」ですね。
1ドル=35オンスの金本位制という言葉、聞いたことはないでしょうか?

金貨を持って歩くとしようがない。
そのため、政府が紙幣発行分だけ金の地金を持っていますよ。
最悪の場合、1ドル=35オンスの金に変えますよ。
だから安心して使ってください。
というわけです。

それが、今は「アメリカは(一企業のように)潰れない」だから安心してドルを使おう。
と言うことになるわけです。
金との交換に変え、信用が重要になるわけです。

だからギリシアの様に、政府がギブ・アップするとさあ大変となるわけです。

 
さて、上での説明でも出てきましたが、金貨⇒紙幣になったのは、そちらの方が軽く取引に便利だったからです。
メリットがあると、物事は変わります。

先ほど「使われない」とお話ししたデビットカード。
現金とどこが違うのでしょうか?

これが違うのです。
デビッドカードは銀行口座を財布とし、その分だけ使えるカードです。
つまり銀行の口座が使える時間が、デビッドカードが使える時間です。

電子決済が当たり前の昨今ですが、まだ現金に負けてりう部分も多いのです。

それ以外にも、次の様な不便さがあります。
1)クレジットカードのように、ポイント特典を付けているところが少ない。
2)暗証番号は、キャッシュカードと同じ番号。安全性が悪い。
3)店がディビッドカードを使えるようにするためには、基本的に銀行と直接交渉が必要。

24時間使え、落とさなければ問題ない現金に比べて、魅力が少ないカードです。

 
■au WALLETの魅力
au WALLET

au の説明資料より抜粋

さて魅力的なプリペイド・カードになるのかは、次の3点がポイントになります。
1)お金のチャージがどこでも可能
2)使える場所、時間と問わない
3)得点ポイントががっちり集められる

今回のauの戦略は巧みです。

私は交通機関系のカードで、PASMOを使っていますので、これを例にして説明しましょう。
定期としても、切符としても使えるPASMOは実に便利です。
実感するのは「切符」として使う時ですね。
切符売り場で、あ〜だ、こ〜だ、言うことなく、乗って降りれば、後は自動ですから・・・。

と言っても、お金のチャージは必要。
その度に、切符の自動販売機で入れていましたが、これが面倒。
最終的に、ある金額を切ると、クレジッド会社が自動入金してくれる方法を取りました。

さほどに入金は面倒臭い。
家で、カフェで、できればどんなに便利だと思いませんか?

これができるのです。

通信事業者のメリットは、契約者は支払い用の口座を持っていることと、ネット端末となるスマートフォン、ケータイを持ってくれていることです。
このため、ユーザーは、これらの端末を通じ、カードにお金を振り込めばイイわけです。
実際、専用アプリで、ワンタッチです。

 
次は使えるエリアと時間です。

例えば先に例として上げたセブン&アイ・ホールディングスの電子マネー「nanaco」です。
セブン&アイ・ホールディングスと言えば、傘下にセブン-イレブン、イトーヨーカドー、デニーズ等を有する巨大流通です。
では、nanacoを皆使っているかと言えば、そうでもない。

要するに人は色々な場所でお金を使っているというわけです。

 
クレジットカードのように、いろいろな所でつかえたらなぁ・・・。と思いませんか?
思いますよね。
そう、エリアと時間、クレジットカード会社と提携してやれば良いのです。

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左)Mater Card Exective Vice President
Global Prepaid Solutions Mr. Ron Hynes
中)KDDI 田中社長
右)(株)セブンーイレブン・ジャパン 商品本部
サービス部 矢島弘樹 総括マネージャー

auはその手を取りました。
「Master Card」との提携です。
これだけで、一躍 全世界 3,180万店で使えるようになりました。
当然、賛同店も多いですから、店を限定されてしまうことは割と少ないと思います。

海外でも使えるところは嬉しいですね。
クレジットカードを海外でスキミングされると堪りませんが、プリペイドカードなら被害額は特定されますからね。

 
最後はポイントです。

良いところ採りの au WALLETはこれも強い。
ポイントで有名なのは、航空会社の「マイル」ですが、使いやすいかと言われればさほどでもありません。
これは後から、ポイントの使い方を様々に付け加えてきたためです。

実はポイントの使いやすさは、後発カードの方が有利。
今回は、リアル、ネットを問わずポイントが同じカードの中に貯められます。
ポイントを貯めるコツは、1つに集約するですからね。

 
さて新しいカードですからね、初回特典も多い。
余りにも多いですから、下のURLから auのホームページでチェックしてもらえればと思います。

 
■CMは所ジョージさん。
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田中社長より頂いた、
巨大 au WALLETを持つ所ジョージ

CMは、雰囲気を一新し、所ジョージさん。
司会の女性から「何故、CMキャラクターに選ばれたのでしょうか?」と質問されると、
「何たって、最新式ですからね。やはり最新なら、私、所ジョージでしょ。」とのお答え。

その瞬間、田中社長はマジ顔で「違います!」
「自由のイメージ」で選ばれたそうです。

DSCF8361当然CM等も作成された後ですので、ワザとの掛け合いですが、社長の演技も中々の素晴らしく面白かったです。

コピーは「グッバイ!お財布」。
雰囲気を伝えるCMですね。

 
商品のより詳しい情報は、auのホームページにてご確認ください。
http://www.au.kddi.com

2014年5月12日

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