アレルゲンのお話
01 室内塵性ダニと家電による対応
ハウスダストと言う言葉を聞いたのは、小学校3年生のこと。
今では人口に膾炙され、ほとんど一般用語。
しかし、最近それを逆手に取ったようなことを言う人がいますので、一寸説明させてください。
■チリダニ
ダニ。
「社会のダニ」。
その様な言葉があるように、一般的には弱者から生き血をすする悪のイメージです。
しかし実際は、全世界で2万種。
千差万別、いろいろなダニがいるのです。
現在の日本の家屋にいるとされるのは、その内の数種類です。
性格は色々異なります。
その中で、アレルゲンとなるダニは、チリダニ科に属するダニです。
実は、チリダニは、人の血を吸いません。
人のフケ、皮膚カスなどの動物性タンパク質などがエサです。
しかも小さい。
400μm(0.4mm)という小ささです。
人間の目だと、目を凝らして見える大きさといえます。
注)割合は目安です。1m2当たりの総数で、10万匹を越す場所もあります。
■アレルゲンとしてのダニ
チリダニがアレルゲンと書きましたが、それは3つの形態があります。
1つ目は、ダニそのもの、もしくは死骸ですね。
2つ目は、ダニの脱皮カス。
3つ目は、ダニがするフンです。
1つ目は、1匹に付き1つ。
寿命は、成長するまでに約1ヶ月、それから1〜2ヶ月の寿命です。
メスは、その間1日に1~2個、生涯では約80個の卵を産むとされています。
2つ目ですが、成長過程を分けると、6期あると言われています。
つまり脱皮は、6回以上です。
3つ目は、フン。
1日6個だそうです。180日生きるとすると、1080個。
つまり1匹のダニは、1090個のアレルゲンを作り、その99%はフンなのです。
ちなみに、アレルゲンは人間の体の中に入って初めて、威力を発揮します。
つまり入らない大きさだと、アレルゲンにならないのです。
人間の気管に達するのは、100μm以下ではと言われています。
これ以上の大きさだと、人間の防疫システムの1つであり、鼻毛等にトラップされるからです。
これは何を意味しているのかというと、上に上げた3つの内、要注意は最も小さいフンだということです。
次は脱皮カス、死骸ですね。これらは割合バラバラになり易いからです。
つまり衝撃で小さくなる。
この2つは、10μmになるということです。
逆に言えば生きているダニは、アレルゲンを作る生物としては要注意なのですが、ダニ自体は大きいので直接的な被害はもたらしにくいということです。
■アレルギー発症を防ぐには?
完全な方法は有りませんが、なるべく発症させないようにするには、2つ方法があります。
1つめは、「ダニ退治」です。
でも目で見えません。(正確には見えにくい)
黒い稲妻、ゴキブリの様にスリッパ片手に叩くことはできません。
一番手早く出来るのは、「熱」を掛けることです。
「50℃20分で死滅」と言われています。
私のお勧めは、ダニが多いタタミ、絨毯はスチーマーで、ふとんは布団乾燥機で対応することです。
スチーマーは100℃に近い高温ですし、布団乾燥機は「ダニ退治」モードを持っています。
言い忘れていました。
ダニが多いベスト3は、「ふとん&クッション」、「タタミ」、「絨毯」 だそうです。
理由は、湿度ですね。どれも溜まりやすいです。
前出の表を見て頂きたいのですが、夏場にダニが出るというのは、湿度から見ても妥当なことなのです。
場所も同じなのですね。
布団の天日干しは、よく紫外線消毒と言われますが、ダニに限って言えば、湿り気をなくすことにより、ダニが住めない状態にしているわけです。
が、完全に死滅させるところまでは行かない。
そうするとダニは再度繁殖。というわけです。
とにかく、まず生体を撲滅、もしくは極力少なくすることが重要なのです。
2つ目は、死骸、脱皮カス、フンを取り除くことです。
これは、布団専用のアダプターを付けた掃除機ならOKです。
専用の掃除機である必要はありません。
床、等を掃除する時とは異なるキレイなアダプターがあればOKです。
ただフィルターに関してはご用心。
HEPAフィルターレベルであることが重要です。
そうでないと、ダニのカスを当たりにまき散らすことになります。
またアレルギー体質の人は、どちらかというと紙パック掃除機をお勧めします。
サイクロン型だと、ゴミを捨てる時に、吸い込む可能性があります。
ただここら辺は、個人差がひどく出てきますので、「必ず」こうなるとは断言できませんが・・・。
注)ペットなど、人間以外の動物がいないことを前提としてあります。
2014年5月14日
タグ: ダニ