●穀雨[初候]葭始めて生ず
葭は、あしと読みます。が、江戸以降はほとんどの場合、「あし」が「悪し」に通じるので「よし」、つまり「吉」と言い換えます。
有名なのは江戸の吉原ですね。
使えない水辺の「葭原」に作った岡場所。岡場所は、悪所とも言われるので、皆、「悪し原」をイメージしたのでしょう。このため、「吉原」と言い換えたのですね。
神代の昔から、日本の地名は駄洒落じゃないかと思う話ばかりですが、逆に言えばそれだけ「言葉」が強い国なのかも知れません。言霊はまだ生きているようです。
●山吹
山吹で最も有名な話は、太田道灌の話でしょう。
突然の雨に会った道灌は、近くの農家を訊ね、雨具である蓑を借りようとします。
ところが、農家の娘は、「七重八重 花は咲けども 山吹の実の一つだに なきぞ悲しき」の句を道灌に渡し、「お恥ずかしい」と言うのです。
道灌はわけが分かりませんでした。その時、家臣がこれは後拾遺和歌集の兼明親王の歌で、「蓑一つないので、貸せないのです。申し訳ない。」という意味で使われたのでしょうと。
で、道灌は歌道にも励み、文武両道と名将になったという話です。
場所は、豊島から新宿当たりだそうです。
写真の場所は、四国讃岐。第73番札所 出釈迦寺の奥の院 捨身ヶ嶽禅定への参道です。ちょっと信じられない位の斜度ですが、桜を始め花は綺麗、景色も良く風光明媚を画に描いた様な所でした。
2014年4月19日