レポート

ケルヒャー、スチームクリーナー SC 4.100C
除菌もできる!これが現代の雑巾掛けだ!


現在はフローリング全盛です。
大半は板張りです。掃除機は掛けますが、中々雑巾掛けはしません。
時間が掛かることも理由の一つですが、メチャクチャ疲れるのも理由の一つです。
また最近の掃除機は、ゴミ除去率が高いので、それだけでかなりキレイになることも事実です。

それでも年に二回位はしますね。
雑巾掛けをすると足触りが違うことが、すぐ分かります。
人は皮膚から水分や油分を放出しますからね。
掃除機だけでは、取り切れない汚れも存在するのです。

ならばということで、雑巾に付ける「柄」を売っています。
確かに便利です。

しかし、ここ一番、つまり落ちにくい汚れは、自分で雑巾を掴み手で擦ります。
なんたって確実ですから・・・。
そう、雑巾掛けは擦り落としですから、力がいるのです。
きちんと汚れを落としますが、面倒臭いと言えば、とっても面倒臭い方法なのです。

 
■スチーマーという存在
日本は世界に冠たる風呂好き、温泉好きの国民であり、無駄使いを「湯水の如く」と言う位、水の豊富な国でも有ります。
ところが「スチーム」を使うという話は余り聞きません。

fig31

ワットの蒸気機関。
最左がボイラー。


皆、ヨーロッパです。

これは、産業革命で蒸気機関が飛躍的な発展を遂げたことと、暖房にスチームが使われたことが理由だと思います。
水を沸かして蒸気にして使うのは非常に手間ですから、暖房で使っているのを、ちょっと別用途でも使ったと言うのが理由だと思います。

例えばカプチーノ。ミルクを温めるのは「スチーム」です。
例えばスチームアイロン。「スチーム」を吹きかけしわを取ることができます。

 
そんなスチームを使った製品に「スチームクリーナー」があります。
スチームで汚れを浮かし、拭き取ります。

ポイントは、「汚れを浮かすこと」。
雑巾はこびり付いた汚れを少しずつ擦り剥がして行くのですが、スチームクリナーはスチームで浮かしますので、力が要りません。
そう楽に雑巾掛けができるわけです。

しかも雑巾掛けでできないこともします。
雑巾は水拭き、から拭き。菌を取ることは可能ですが、かなり残ります。
スチームは約100℃。大半の菌は死んでしまう温度です。
衛生面でも有利です。

 
■スチーマーもいろいろある
スチーマーで皆さんに馴染みが深いのは、ハンディ型ですね。
そうです。ノズルから蒸気を浴びせるタイプです。
私も持っていますが、実用度からいうと正直イマイチですね。

なかなか汚れが浮かないのです。
パワーがない。

 
ということで、今回はキャニスター型掃除機の形をしている本格スチーマー、ケルヒャー SC 4.100Cをレポートします。

 
■使い方は簡単、「効果は抜群!」
まず基本となる床掃除をしてみます。
掃除機然としていますので、どこをどうつなぐのかは勘でもできます。
水補給も「簡単」の2字です。

使い方

左より、1)水タンクを外し、水を入れる。写真は水タンク。フタを開け、黄色矢印の口に入れる。
2)前側下部にあるフタを開け、ホースをつなぐ。結合部が独特の形状なので迷わない。
3)スウィッチON。緑のランプが点滅。約4分で光りっぱなしになる。準備OK。
4)黄色矢印部を掴めばスチームが出る。赤の矢印部のスィッチはスチームを調整。ロック、普通、強と変わる。


ちょっと、気になったのは2点。
2点共先の雑巾に関してです。
1つ目は、買ったやつでないと効果が薄いのかということです。

結論を先に言いますと、適度な厚みのある雑巾なら、問題なく同じ効果を出せます。
ポイントは「適度な厚み」です。
とにかく、スチーム量が半端でないので、薄いと「あっ」という間にベチャベチャになります。そうなるとスチームの熱を遮断しますので、使えない状態です。
厚みがあると、ある程度持ちます。
その間にさっさと拭ききってしまえばいいわけです。

2つ目は、どの程度張るのが良いのか。
いろいろ試しましたが、ある程度ピンと張っていれば良いようです。
ただ、張る時「ある程度厚み」がある方が張りやすいです。

留め

左)フロアノズルの留め口。ワニ口である。 中)使用時の状態
右)裏面。周囲を押しつけてスチームを当てる。このためスチームは逃げず、汚れを落とす。


 
で、準備完了。
スチームスィッチを握り出しながら、床を拭く。
いかにもスチームが出ていますという独特の音をさせながら、湯気が出ます。
ゆっくりと、ちょっと圧をかけながら、ゆっくり動かすと見る間に、床が一皮むけた感じになって行きます。

スチームは出ていればOKです。普通レベルで行います。

フロア

左)掃除の最中。スチームが白い湯気として見える。
右)築14年目の床(掃除後)。明るい色味が戻る。まだまだ頑張ってもらわないと!


我が家は、リビング、ダイニング形式です。で、子供は育ち盛り、人数も多い。
人が裸足だと、「皮脂汚れ」ですね。
さらに言えば、育ち盛りの食事ですので、当然唐揚げなど、油物も多い。
そんな「油汚れ」も付きます。

ところが、SC 4.100Cは、そんなもの歯牙にも掛けません。
当たり前のように落として行きます。

DSCF7448

スポットノズル、普通でスチームを出した状態。
高圧洗浄機と間違えそうな迫力。
だから汚れを落とせる。


ポータブル・スチーマーだと、冷めないうちに拭かなければなりませんし、広範囲するのは大変です。
それが、笑えるほど簡単です。
手間が掛からない。

パワーの差もありますが、今ひとつにはSC 4.100Cが内部にボイラーが入っているからではないかとも思います。
家電ですが、本格派なのです。

床も暖かくなります。
スチームの量と雑巾の状態を上手く合わせると、数秒で乾きます。
約100℃ですので、除菌効果もあります。
が、何より「裸足で歩いて気持ちが良い!」のが嬉しい。

フローリングを這い回る赤ちゃんがいる家庭、家でペットを飼われている方は特に嬉しいと思います。

ちなみに、スチーマークリーニングは排気がありませんので、窓を閉めたままでも問題なくつかえます。

 
■台所に風呂場
次にSC 4.100Cで台所を掃除です。
基本、油汚れですので、敵無しの落ち方です。
こびり付いた油汚れでもかなり落ちます。

どうしても満足行かない場合は、洗剤を併用するとイイと思います。
ちなみに私は、台所では洗剤を用いませんでした。

食べ物を扱うエリアですからね。
なるべく化学薬品は少ないに越したことはないですから。

ちなみに、ここでも除菌効果は大活躍です。

 
お風呂ではどうか?
お風呂の汚れは、「皮脂汚れ」「垢」「石けんカス」「ピンク汚れ」「黒カビ」「水垢」です。
多種多様のモノがあります。
ちなみに「ピンク汚れ」というのは、皮脂、垢を雑菌が食べ繁殖している状態です。

室温〜人間の体温というのは、地球上の生物がかなり住みよい温度です。
風呂はいくら温めても、これより少し高い位。
温度が適温で、湿度があり、しかも皮脂、垢という食べ物がある。
菌が繁殖できる条件が整っています。

SC 4.100Cは、ここでも大活躍です。
ポイントは、スチーム量の多さと、約100℃という高温にあります。
脂分は溶かしとって仕舞いますし、菌も死んでしまう温度ですからね。

風呂

風呂の入り口の水切り部。通常上からカバーがされているため、カビなどが生えやすい。
左)掃除前。黒汚れ、ピンク汚れがあった。 右)使用後。塗装が剥がれ一部錆が見えるところまでキレイに。


ただし、お風呂の汚れは一筋縄では行きませんからね。

例えば「黒カビ」。
スチームで殺したとしても、細かな隙間まで入り込んでいますので、黒みを完全に取るのは厳しい。この黒い部分は、またカビの栄養にもなりますので、またカビが生える・・・。

とまあイタチごっこになる所もあります。

こんな時は、液体洗剤、漂白剤などを使いキレイにします。
ただドボドボ使うのではなく控えめで十分です。

また、水垢も溜まってしまったものは、そう簡単には落ちない。
こちらも別の方法と一緒に行うといいです。
ちなみに、ケルヒャー社は、厳しい石灰質汚れ(水垢)には「酢」を推奨しています。
そうすると水と酢なので、体に悪いものを使わずに済みます。

とはいうものの、SC 4.100Cは、ここでも大活躍です。
SC 4.100C使用後は、明らかに臭いが少なくなっていますから、菌は死んでいると思います。
お風呂の臭いの原因は雑菌であることが多いですから。

ちなみに、細かくは書いていませんが、適所適材、アタッチメントを有効に使ってください。
そうすると、スチーム量の多さが効いてきます。

ちなみに「強」にしてノズルヘッドを装着しますと、少々のゴミなら吹き飛ばしてしまいます。
この豊富なスチーム量と、豊富なアタッチメントが、SC 4.100Cを使いやすくしているのです。

アタッチメント01

左)標準装備のアタッチメント。上からフロアノズル、ハンドブラシ、ブラシ色違い3個。
中)ハンドブラシ。ブラシ面。
右)ハンドブラシにカバーを付けた状態。使いやすい。


アタッチメント2


左上)ブラシはノズルヘッドを間に入れて装着する。
左下)スポットノズル。スチームを大量に吹き付ける時使う。
右)スクイジー。とても使いやすい。


■これは仕方がないかぁ
こんなにも便利な SC 4.100Cですが、不便なところもあります。
例えば収納性です。
普通の掃除機は、終う時は、コードを巻き取り、立てて収納します。
が、ボイラーを筐体で包んだような構造ですので、立てての収納ができません。
次にボイラーが高熱にさらされますので、コードを内部に巻き取ることはできません。
宿命的な問題とも言えます。

その上、アタッチメントが多い。
そこは普通の掃除機と違います。

ちなみにアタッチメントを全部背負いこませるたのが下の図。
どうみても、大男が七つ道具を持っているよう。
私は、「白・弁慶」という名前を差し上げました。

とにかく、居場所を作ってあげるのが重要です。

保管

左)取扱説明書に掲載してある保管の図
右)少しでも低くしようと工夫したところ。余り変わらなかった。


後、メンテナンスは冷えてからが鉄則。
一度使うと水を抜くためには、長時間放置して冷やす必要があります(取扱説明書には3時間以上と記載されている)ので、メンテナンスは計画的に、をお勧めします。

水蓋

左)水抜きキャップには、「必ず本体が冷めてから 開けて下さい」との注意書きがある。
右)開ける時は、パイプを軸にして開ける。これにより開口部との距離を取ることができる。


その他、家電では珍しい定期点検が必要です。
何と言っても「高温・高圧」にさらされる機械ですので、十分チェックが必要です。

 
本体、ホース類で他に注意が必要なのは、細いホースですね。
この部分は直接皮膚に当たると火傷はしませんが、熱い。
また、先から出てくるスチームは高温ですから、当然注意を払わなくてはなりません。

弱点

左)後ろ側にあるボイラーの水を抜くボルト。長期使わない場合は、水抜きの必要がある。
右)スチームが通るホース部とパイプ部。パイプ部を持って操作。ホース部は生肌に当たると熱い。


 
■お勧めしたい逸品
2014spring

スマート家電グランプリのマーク。


SC 4.100Cは、私が審査委員を務めている「スマート家電グランプリ」でも「金賞」を受賞しているモデルです。

スティック型掃除機に比べると、3倍位の手間が掛かりますが、「効果は抜群!」ですから。

しかも、掃除機にはない、「雑巾掛け」と「高温消毒」の良さを併せ持ちます。

 
私はスティック型掃除機、ロボット掃除機を持っている人に、まず推します。

ただ毎日使うには、正直、ちょっと手間が掛かるSC 4.100 Cです。
このため毎日使うのは、スティック型掃除機、ロボット掃除機です。
1台目として使える性能を持ってきたスティック型掃除機、ロボット掃除機ですが、やはり掃除機。
皮脂汚れ、油汚れなどは落とせません。

そこで2週間/回位、SC 4.100Cを使う。
1度で家を全部掛かるのは大変なので、2ヶ月で家全部になるようにローテーションを組むなどすると、良いと思います。

このパフォーマンスがありながら、私の知る限りでは高くても、3万円前半ですから、コストパフォーマンスも良いです。

ちなみに、ケルヒャーでは、体験会、実演会を実施しています。
ホームページにスケジュールが掲載されていますので、まずそこを見に行くことから始められるのも有りです。

 
■主な仕様
消費電力 1500W
スチーム吐出圧力 3.5bar
ヒートアップタイム 4分
ボイラータンク容量 0.5/1 L
電源コード 4m
質量(本体のみ) 4.2kg
サイズ 384(W)x241(D)x275(H)mm
商品のより詳しい情報は、ケルヒャーのホームページにてご確認ください。
http://www.karcher.co.jp/jp/Home.htm
 

2014年4月12日