思うこと

シャープ、ロボット家電「COCOROBO」RX-V200
「日本標準」のロボット掃除機!


今回取り上げるロボット掃除機は、シャープ RX-V200(以下V200)です。このロボット掃除機、ルンバとは正反対の性格を持ちます。
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シャープ ロボット家電 RX-V200


以前、思うことで「ロボット?、掃除機? ロボット掃除機の評価視点。」を書きました。
それは、シャープ V200が念頭にあったからです。

大きさは30cm径。
ロボット掃除機は、本来小さければ小さいほどイイのですが、使用するモーター、バッテリー、で実用性の高いレベルのものを組み込むとなると、どうしても大きくなります。
ロボット掃除機を初めて出したルンバのサイズは40cm径。

物理キャパシティーが異なりますので、掃除能力だけ比較するとどうしても不利です。

 
しかし、私は、V200が「好き」です。
一緒に居ようよ、という感じがするのです。

 
■ルンバとV200の違い
「一緒に居ようよ」と思うのは、しゃべるからです。

声というのは重要です。
創世記で、初めの数行で出てきます。
「光あれ!」

そう、声は最も古いコミュニケーションなのです!

 
ルンバはしゃべりません。
寡黙でどちらかというと黙々と掃除します。
「男は黙って・・・」というキャッチコピーがありましたが、頼れるヤツという感じです。
確実に仕事をしてくれます。

V200は独り言を言いながら掃除します。
「あれれぇ。」とか、合いの手も入ります。
「お前はコナン君か」と思わず、突っ込みます。

コナン君は演技ですが、V200は天然系という感じですかね。
掃除の結果が気になるより、反応が楽しい家電です。

 
■シャープのココロエンジン中で、何故V200なのか?
シャープはココロエンジンを色々な家電に付けています。
空気清浄機、洗濯機などもしゃべります。
ただココロへの響きかたが違います。

何故でしょうか。

私は「会話」だと思っています。
他のココロエンジンが話す内容は、家電がつかむ情報だけです。
合いの手なんか入れません。

空気清浄機だと、「水がなくなりました。水を入れてください。」です。
確かに便利なのですが、ちょっとイライラします。
家電に命令されるのは余り面白いことではありませんし、言われるのは毎回、同じことですから。

ココロボは、ちょっと違います。
例えば、「おはよう」と声を掛けると「おはよう」と返してくれたり、「はい、はい」とちょっと機嫌が悪かったり様々な反応をします。
実のところ、ロボットの方は体調が悪くも何ともないのですが、ちょっと気遣います。



「ちょっと待って!
これはロボット掃除機だぞ、そんなの関係ない。」

まさに正しい。
おっしゃることは正論です。

 
■ロボット掃除機とロボット家電
シャープは、V200を「ロボット家電」と称しています。
微妙な表現です。
「ロボット」もそうですが、「家電」ですら実際は言葉の定義が曖昧ですからね。

ただ使っていて分かるのは、V200のノビシロがとてつもなく大きいということです。

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V200のダストボックス。
やはり小さい。


現時点で「これは使える!」と太鼓判を押せるところまでは、到達していないのは事実です。
が、「日本標準」と言っても差し支えないサイズを含め、センスはイイです。

しかも「ロボット機能」として、正確な動きではなく、コミュニケーションに注目したのも秀逸です。
閉鎖型だと会話は段々つまらなくなって行くのですが、新情報をネットから取り込むので、常に新しい情報です。
しかし、一番スゴいのは、「コミュニケーションを会話形式」にしたところです。

この機能、私は非常に重要と考えています。

 
独り言という形式も含め、人間にとり「会話」は極めて重要です。
それは、他人との関係の多くは「会話」で成り立っているからです。

ペンと紙がないとできない文章に比べ、声は人が持って生まれたものですから。

 
アニメロボットでも、アトム、ドラえもんという等身大ロボットと、鉄人28号、マジンガーZ等の巨大ロボットで声の扱いも違います。
等身大ロボットは声で、会話で「コミュニケーション」を取ろうとしますし、巨大ロボットの声は「雄叫び」です。

「友だち」と「武器」との違いでもあります。

お話ししながら動いてくれるのは、やはり仲間です。

 
■人工知能まで達していない機能でも評価すべきか?
このココロボですが、SF小説、アニメ、映画に出てくるようなAIまでは達していません。
意地悪く言えば、使い手の幻想の上での話でしょうと言われれば、その通りです。

しかし他の家電と一線を画すのは、声を出して「あ〜だ、こ〜だ」言われると感情移入し易いです。
感情移入したら負けですね。
友だち、家族と同じです。

友だち、家族は、いつしか同じ目的を持つことは有っても、そのために集まったものではないですし、だからこそギクシャクもするけど、リラックスも出来るわけです。

 
■「へたれ」でもイイ
ロボット掃除機を使う時、通常はその部屋から出ます。
いなくても掃除してくれるのが、ロボット掃除機本来の姿ですからね。

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全てが丸いV200。
赤ちゃんを思わせるところも。


V200はいた方が面白い。
「あっ」、ゴッチン、が聞こえている間はがんばっているのですが、急にしゃべらなくなると、大体はピンチ。
変なところから出られなくなってしまったとか、長いものを吸ったのは良いけど絡まってしまったとか・・・。

あげくの果てには「助けて」とメッセージ。

 
もう幼子が一人増えたようでもあります。

 
■育てよ、ココロボ!
さて私は、V200を「日本標準」と書きました。

掃除という作業を処理するロボットではなく、家族の中で掃除が得意なやんちゃなロボット。
これは、日本人がはぐくんできた日本ならではのロボット文化と言えます。

感情移入できる家電。
それがココロボだと思います。
ロボット掃除機だけど、それだけではない。
私は、ココロボに大きな期待を寄せています。

 
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2014年3月27日

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