嗜好品と長い間付き合っていると、道具はどうしても増えて行きます。
茶ほどではありませんが、コーヒーも同じですね。
例えば、ドリップコーヒーの場合、「コーヒー豆」は、信頼できるお店から買うとして、コーヒーを挽く「グラインダー」、コーヒーを淹れる「ドリッパー」「フィルター」、湯を沸かし注ぐ「ケトル」、そして「カップ」「スプーン」・・・。
戦国〜安土桃山時代、一国一城と同じ価値を持った茶道具には及びませんが、コーヒーの道具も多彩です。
良い道具を使うと、必ず美味しく淹れられるわけではありませんが、自分の好みに合った道具を使うのは気持ちの良いモノです。
今回の道具は、コーヒー豆の保存容器です。
■嗜好品は「香り」が命
「料理」「酒」「葉巻」「茶」「コーヒー」など、味わう嗜好品のポイントは「香り」の鮮度にあります。
いつも美味しいと感じている料理を、鼻を摘まんで食べてみてください。
味わい半減、体調が悪い時など味が分からないこともあります。
これは食べた時に出てくる香り、「口中香」を嗅ぐことができなからです。
舌で感じる「味」と、鼻で感じる噛んだ時に出てくる「口中香」、この2つで人間は「味」を認識します。
鼻を摘まむと、口から鼻へ空気が抜けませんので、出てきた口中香を感じることができない。
このため美味しく感じないのです。
同様に、香りが落ちたモノは、美味しくありません。
香りが落ちるのは、酸化により香り成分が変質するからです。
このため嗜好品の保存は、細やかに行う必要があります。
■真空のメリットは「効果がある」上、「安い!」
酸化防止といいますが、方法は幾つかあります。
大きくは、次の2つです。
1)酸素を、何か問題のないガスに置換してやる。
2)酸素を、除去してしまう。
酸素は、空気の中に21%もある気体です。
このため、問題のないガスに置換する場合は、一度真空にして酸素を取り出し、必要なガスを詰め込みます。
また、2)の酸素を除去するには、真空にして取り出します。
つまり、真空は酸素遮断の安価な方法といえます。
■簡易ながら秀逸な「エアレス ポンプ」
真空状態を作るのは人力でも可能です。
精度の良いポンプがありましたら、時間はかかりますが、真空にすることはできます。
では、電動の「フードパック エアレス FDP-H300(R)」のよさは、どこにあるでしょうか?
それは「簡単」の一言に尽きます。
まずポンプですが、握りこぶしより一廻り小さい円筒形で、出っ張り一つありません。
置く場所、引き出しを選ばないのです。
台所周りには独特の形状で、置きにくい形の道具も存在しますので、まずプラス点です。
使い方は、専用容器の上にエアレスを置き、スィッチを入れるだけ、十数秒で容器内の空気を吸い出し、自動オフとなります。
この自動オフは、いいですね。
真空状態は、触ったりしても分かりませんので、「もう大丈夫」と自動でオフになるのは嬉しいです。
バッテリーは単3、4本。ホルダーがリード線でつながっているのが一寸情けないですが、ご愛敬としましょう。
■いろいろな種類のコーヒーを試すのに丁度いい、「小型密封ガラス容器」
私は、エアレス専用小型密封ガラス容器:FDPG-50 を複数使っています。
非常に塩梅がいいサイズです。
コーヒー豆:200g。
コーヒー豆の風味は、早い時は一週間で劣化、二週間も経つと香りもほとんど立たなくなります。
このため、一度飲み始めると豆 200gなくなるまで、連続で飲むしかありませんでした。
が、これは素晴らしい。
大体、倍の1ヶ月は良い香りが立ちます。
保存に不安がなくなりますと、2種類のコーヒーを買って、いろいろ比較するのもラクラクです。
ただ室温放置でなく、冷蔵庫保存でお願いします。
(コーヒーは臭いを吸い込みやすいため、冷蔵庫基本薦めませんが、完全密閉ですので問題はありません。さらにいえば、コーヒーの保存で薦められることが多い冷凍保存の場合、結露のケアが必要ですが、それを考えないで済みます。)
ガラス容器には、あと2つ機能を付けて欲しいところがあります。
1つは、積み重ねても安定な状態を保てること。
もう1つは、中身を示すラベルが付けられるようにして欲しいことです。
■最後に
エアレスは、フードパックとある様に、元々傷みやすい食品の保存用に開発されました。
お高いとお考えの人は、お嫁さんと折半という手もあります。
とにかく悩みが尽きない豆の管理が楽になるので、お勧めの逸品です。
商品のより詳しい情報は、山善のホームページにてご確認ください。
http://www.yamazen.co.jp/yamazenbook/product/product03