シャープ 加湿空気清浄機 KI-DX50
海外メーカーの空気清浄機になくて、国内メーカーの空気清浄機にあるもの。
それは「イオン発生機能」と「加湿機能」です。
今回は、その2つの機能を持つ、シャープ 加湿空気清浄機 KI-DX50(~14畳)をレポートします。
今回、シャープの空清を使ってみた理由は2つです。
1つめは、「イオン発生機能」付きであること。
名高い、「プラズマクラスターイオン」を試してみたいという好奇心ですね。
2つめは、「加湿機能」付きだからです。
冬、私の書斎の湿度が40%になってしまうためです。
湿度50%以下だとインフルエンザウイルスが猛威をふるいますので、加湿しようという思いからです。
■どこに置くのか?
箱から出すと、ちょっと大きいなと思いました。
394(W)×270(D)×609(H)mmです。
中型のキャリーバッグの大きさ。
重さ 10kgですので、結構な重さでもあります。
イメージとしては、旅行で宿泊したホテルの部屋に着いた直後、キャリーバッグが部屋にある感じですかね。
後ろは3cm以上、左右 スペースを空けること、そして上 60cm以上開けることが条件です。
空気清浄機の設置のセオリーは、最もよく空気が入れ替わる所です。
例えば私の書斎は、屋根裏部屋ですので、明るいのですが、窓は小さい。
つまり空気の出入りが最も行われるところは、ドアということになります。
このためドアの近くに置くことにしました。
KI-DX50は、ない機能はないほど、いろいろな機能が付いています。
ここで役にたったのは、「キャスター」ですね。
使う時、ベストな位置に持って行くということが簡単にできます。
使わない時は壁に完全に寄せ、使う時は中央部に出す、こんな使い方もすることができます。
■まずは「おまかせ」運転
次は水のセットです。
右サイドの水タンクは押し込むと外れます。
それを持って蛇口に。
キャップには、「Ag+イオンカートリッジ」を取り付けて使います。
Ag+イオンは殺菌作用がありますので、長期に水を放置した場合でも、水からイヤな臭いがしたり、カビ、細菌の繁殖を防ぎます。
さらにいうと、水垢も付きにくい。
よく考えられています。
ただし、水タンクにキャップを嵌めるのにちょっと手こずりました。
というのは、タンクをテーブルなどの上にうまく置けなかったからです。
タンク自体は取手を拡げて置くことができるのですが、一番最初それがうまく行かなかったわけです。
本体への取り付けは、取る時の逆。押し込んで取り付けます。
こちらも、何度か取り付け損ねました。
水タンクは、2日に1回のペースで水を補給しますので、もう少し楽に、確実に取り付けられる方がいいです。
用意が整いましたら、スィッチをオン。「おまかせ」を選択します。
すると「がんばります」の声が!
ココロエンジンが搭載されているので、今の状態を音声で知らせてくれるのです。
その時の室内の温湿度は、19℃38%。でした。
で、まさに湿度:38%表示。
やや低めのモーター音です。
やや大きめではありますが、不快感はありません。
24時間どこかで機械が機能している都市空間では当たり前の音。安心できる音ということも可能です。
ただ少々気になったのは、初動の風量ですね。
最近の空気清浄機のトレンドは、空気浮遊物が入って来たら、「即キャッチ!」です。
人がいる所に達する前に、捕まえてしまおうという分けです。
風量重視型と言っていいと思います。
このためスィッチ・オンすると、自動的にまず「最大風量」となります。
私の書斎は、元々空気が汚れていないせいか、KI-DX50は最大風量からスタートということはありませんでした。
KI-DX50は、センサー重視型かも知れません。
また、設置ですが、プラズマクラスターイオンの場合は人体に近いところに設置した方が良いのかも知れません。
気流でゴミを集めるのが中・長距離砲なら、プラズマクラスターイオンは近距離砲と言えますので。
こちらは別途、シャープに問い合わせ、皆様にフィードバックしたいと思います。
ちなみに部屋が加湿され、部屋の湿度が50%を超えたのは実に6時間後でした。
(私の屋根裏部屋の書斎は、天井もパイン材で覆われた状態ですので、水分は木がすぐ吸ってしまいます。
このため、湿度が上がるのには通常の部屋より時間が掛かります。)
■KI-DX50の考え方
日本は「高温多湿」の国であると習ったと思います。
年平均気温は16~20℃、年平均の湿度が60%ですから、高温は置いておくとしても、多湿ということは平均気温からもいえます。
しかし実際の生活空間はこうは行きません。
私の書斎なんか、空気調整しないと、夏場の気温:35℃、冬場は簡単に湿度30%台後半ですからね。
年平均気温、湿度など、どこで計ったのと言いたくなる位です。
気温はエアコンで下げられますが、湿度は多くの場合ほったらかしですね。
基本、空気が乾いている方が過ごしやすいですし、日本の場合、砂漠の真ん中にあるラスヴェガス大体、10数%位です。ジャグジー付きの部屋の場合、ホテルのフロントでジャグジーを使い終わっても、水を抜かないようにと言われるそうです。のように、何もしないと唇がひび割れるほどは乾いていません。
しかし日本の冬は、人類最小最強の敵の1つ、インフルエンザウイルスがのさばる季節でもあります。
ウイルスは、菌の様に条件が良ければ増殖するというものではありません。
人間の体内、しかも増殖できる特定細胞でなければ増殖できないのです。
このため、インフルエンザを密室に閉じ込めると、段々数が少なくなります。
ところが、低湿の場合は、数の減りが遅い。
このため冬場は、インフルエンザウイルスが体内に侵入、増殖する可能性が多くなるのです。これが冬しかインフルエンザが流行しない理由です。
となると、冬の湿り気はどうしても欲しいところですね。
ウイルスは小さく、それ自体を単純トラップできるフィルターはこの世に存在しません。
多くの場合、ウイルスなどの様な細かなゴミは帯電させ、フィルターに電気的に吸着させる技術が用いられています。
プラズマクラスターイオンはウイルスを攻撃、数を減らす効果があります。
しかも水分子をブドウの房の様に持つプラズマクラスターイオンは、当然湿度が高い方が寿命が長くなります。
要するにプラズマクラスター空気清浄機が、加湿性能を持つのは、極めて理にかなってますし、それによりユーザーへの利も生み出すことができるということです。
お陰様で、我が家も全員インフルエンザに掛からずに済みました。
あと、生乾きの衣類の「臭い」にも強いです。「速やかに」と言って問題ないほど、すぐに臭わなくなります。
プラズマクラスターイオンの強みが、存分に発揮されています。
■お得な使い方
「使えるなぁ」と思った機能は、ずばり「みはり機能」ですね。
ここでいうみはりは、「熱中症」と「インフルエンザ」に対する見張りです。
この2つは、外出していようが、部屋にいようが、健康だろうが、不健康だろうが関係ありませんからね。
KI-DX50は、熱中症を想定した「高温・高湿みはり」と、インフルエンザを想定した「乾燥・低温みはり」です。
異常が発生した時は、「みはりランプの色」と「表示部」で視覚的に訴え、さらにココロエンジンを使い日本語で警告を発します。
警告と言いましても、例えば「♪お部屋の温度・湿度が高くなっています。水分補給や、お部屋を涼しくすることをおすすめします。」のレベルですが・・・。
ポイントは、「日本語」であることです。
単なる音ではないので注意を引きますし、分かりやすい。大きな物音ではないので余所の家から「五月蠅い」など言われることはないと思います。
設定範囲は医療のスペシャリストにしてもらったそうですので、問題ありません。
熱中症は、我慢のし過ぎで、病院搬送された人もいるくらいですので、この機能はありがたいですね。
余計なことをさせないので、当然電気代も掛かりません。
さらにシャープのエアコンを使っている場合は、嬉しいことがあります。
高温・高湿みはりにひっかかった場合、エアコンを自動で作動させることができます。
暑いながらも、熱中症から開放されます。
■フィルターのメンテがちょっと面倒
良いことづくめの様な、KI-DX50ですが、面倒な所もあります。
いろいろと手入れが、必要なのです。下が一覧表です。
写真でもお見せします。
これだけの手間を掛けるメリットも当然あります。
それはランニングコストが安いということです。
アレルギー物質を心配される方がいらっしゃるかも知れませんが、それはプラズマクラスターイオンでほとんど問題ないと考えられます。
この様な形式を取っていない空気清浄機は、フィルターを丸ごと廃棄交換します。
多くの場合、複数のフィルターを一体化させています。
面倒もないですし、手入れしている間に、アレルギー物質を吸ってしまうことも、まずありません。
楽ですが、財布にはやさしくありません。
■まとめ
ずばりオール45段階評価の4。の優等生です。
空気清浄機&加湿機、両方欲しがっている方は是非購入検討候補へ。
シャープのエアコンとの連動は魅力的。シャープのエアコンを持っている人は第一候補。
■主な仕様
商品のより詳しい情報は、シャープのホームページにてご確認ください。
http://www.sharp.co.jp
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