イオンって何?
03 プラズマクラスターイオン
スマート家電GP 2014年 SPRINGのネット掲載が始まりました。
空気清浄機も選りすぐりの機種が掲載されています。
その中、シャープ、ダイキン、パナソニックの3社は、あるイオンを放出して空中浮遊物に対応する方法を用いています。
その中から「プラズマクラスターイオン」を説明します。
■まずは名前から・・・
プラズマクラスターイオンは、シャープの登録商標です。
意味は、「プラズマ放電により作られた、ブドウの房(クラスター)のような状態のイオン」とです。
右は、シャープ技報に掲載された正・負クラスターイオン模式図です。
水素イオン、酸素分子イオンが水の分子を一杯ぶら下げ、ブドウの房のような状態になっていることが分かります。
プラズマ、クラスター共に語感が力強い(特にクラスターは、クラスター爆弾が割と有名)ため、空中浮遊物質に対し「強い」イメージがあり、秀逸なネーミングと言えます。
■効果は・・・
マイナスイオンが、非難された最大の理由は、効果が明らかではなかったからです。
効能が「健康にいい」では分かり難いというより、皆に納得してもらえる実験結果を提示することができなかったからです。
プラズマクラスターイオンの効果は、次のようなものが上げられています。
1)浮遊ウイルスの作用を抑える
2)付着ウイルスの作用を抑える
3)浮遊カビ菌を除菌
4)付着カビ菌の増殖を抑える
5)浮遊菌の作用を抑える
6)ダニのふん・死がいの浮遊アレル物質の増加を抑える
7)タバコの付着臭を分解・除去
8)衣服に付いた汗臭を「スポット脱臭」
9)衣類の生乾き臭を「スポット脱臭」
10)浮遊ニオイ原因菌の作用と抑える
11)静電気を抑え、誇りなどの付着を抑える
12)お肌にツヤを与える
13)お肌にハリを与える
14)お肌のキメを整える
「多すぎてわけがわからん!」
そう突き放してもイイのですが、ちょっと待ってください。
1)~10)は同じ作用ですね。
つまり、空中に漂っている「浮遊物、もしくは付着物を攻撃、破壊してしまう効果」です。
浮遊物、付着物の種類が多いわけです。
「ウイルス」「カビ」「アレル物質(ダニのふん・死がい)」「臭いの元になる分子(タバコ、汗、浮遊ニオイ)」「臭いの元となる雑菌(生乾き)」です。
11)は「除電効果」です。
12)~14)は肌への「保湿効果」です。
大きくは、この3つの効果です。
これらに関して、シャープは、効果ありと認められる第三者機関での実験結果を持っているそうです。
■作用の仕組み
まず、プラズマクラスターイオンを作ります。
方法は大気中でプラズマ放電を起こします。プラズマ放電は「高エネルギー」ですので大気中の分子に影響し、分子の電離や解離が発生します。
こうしてできるのが、プラズマクラスターイオンです。
では、作用です。
プラズマクラスターイオンは、エネルギー的に不安定ですので、別の物質と結びつき安定化しようとします。
不安定なイオン状態から、なるべく安定なイオンでない通常状態に戻ろうとするわけです。
具体的にいいますと、O2-イオンが別の物質を攻撃しHを奪い取り、0H-ラジカルとなるわけです。この別の物質が「ウイルス」「カビ」「アレル物質(ダニのふん・死がい)」だったりするわけです。
当然、物質表面から水素が抜かれてしまうので、物質は表面から徐々に正常でない物質へと変わります。つまりウイルスだと増殖できない状態になったり、カビだと死んでしまったりするわけです。
片や、OHラジカルは、正クラスターイオン、H+と結びつき、水となるわけです。
変な化合物などは出ません。
では、プラズマクラスターイオンの周りの水は何をしているのでしょうか?
これは、イオンが中々反応しないように守っているという言葉がピッタリきます。
もちろん、そんな意志があるわけではないですが、周りが水で覆われているということは、水バリアを持っているようなものです。
では、次は静電気防止ですね。H+の役目ですね。プラスとマイナスで、静電気は中和されます。
最後は、保湿ですね。
プラズマクラスターイオンは、周りを水で囲まれていますので、問題ないですね。
えっ、お肌が攻撃されるって、皮膚表面は大量の表層常在菌がいるのですよ。皮膚自体にはほとんど影響ないと思います。
■が、ちょっと待った
名前が学術的でないのを除き、理論も整っている上に、効果もあるプラズマクラスターイオンに問題はないのでしょうか?
実は無いわけではありません。
どこかというと、イオンと対象物が出会うのは「確率」ということです。
こういう言い方がいやなら「濃度」と言い換えてもいいです。
例えば、自分がプラズマクラスターイオンを出す場所から、10m先に居たとしたら、プラズマクラスターイオンが、そこまでに反応してしまい、効果がなくなる可能性があるわけです。
使う時、この特徴を十分考慮する必要があります。
2014年3月3日