ショールームに行こう!
パナソニック編
さて2月のショールームは、パナソニックです。
実はパナソニックは東京に2つのショールームがあります。
有明のコーポレートショールーム、パナソニックセンター東京と、新橋にあるパナソニック リビング ショールーム東京です。
本日は、その内、「パナソニックセンター東京」のお話をしたいと思います。
■概要
有明のショールームは、ゆりかもめの「有明」駅、「国際展示場前正門」駅、もしくはJR 臨海線の「国際展示場」駅から、歩いて数分の所にあります。
パナソニックセンター東京は、延床面積:4800坪。3Fまである展示面積:3247坪ですから、かなり広い施設です。
よくある東京ドームとの比較を持ち出すと、ドームのグランド面積が、3910坪ですから、かなり広いことがお分かり頂けると思います。
この広いショールームは、パナソニック製品がいろいろと置いてあり、手に取って確認できます。
ここまでは、よくあるパターン。
パナソニック・ショールームの特徴のひとつは、様々な催し物が数多く開催されていることです。
フリーマーケットもありますし、科学手品を教えてくれるイベントもあります。
中にはクラシックコンサートもあります。
質もかなり高いです。
もちろん商品とコラボしたデジカメ教室や、電動自転車体験会もあります。
有明という、周りで常にイベントが行われている土地にあるためでしょうかね。
■大エントランス・ホールへ
職業柄、東京国際展示場、いわゆるビッグサイトによく行きます。人間は行動パターンを中々変えられないですね。
パナソニックのショールームに行く時にも、私はここからです。
こちらの方から行くと、表には、その日の催しもののポスターがあります。
大学の学園祭のイベントポスターを見ている感じになります。
そして自動ドア。
入った所のポスターは、「ナショナルFF式石油暖房機を探しています」です。
「のど元過ぎれば」なんとやらが多いこの頃、「しなければならないことをしている」姿勢は、気持ちいいです。
で、いろいろなコーナーを抜けると大エントランスへ。
ゆりかもめ「有明」、臨海線「国際展示場」から来ると、ここから入ることになります。
ここに今回紹介する、「スマートハウス ガイドツアー」の受付があります。
■「スマートハウス」と「省エネ住宅」の違い
省エネの意味は、エネルギーを節約して使うことです。
断熱材を多く入れて、エアコンの効率を高めるような住宅は、よく「省エネ住宅」と呼ばれます。
では、最近よく使われる「スマートハウス」とは?
スマートハウスというのは、太陽光発電でエネルギーを作り出す、蓄電池で保存するなど、エネルギーの流れを管理し、できれば売電ができるレベルにするハウス・システムをいいます。この管理システムが、「HEMS」です。
ただし「HEMS」は管理だけのシステムですので、「HEMSがあるからスマートハウス」かといえば、そうではありません。
先ほどレベルと書きましたが、正にいろいろあります。今までより10~20%電気代を節約するレベルから、売電により数~数十万円の利益を生むレベルまでです。作られるエネルギーには当然限度があります。このため、いろいろな省エネ技術を盛り込みます。
スマートハウスは、省エネの住宅構造、省エネ家電、省エネの使い方、エネルギー創出、エネルギー売買を盛り込んだ、極めて「創造性に富んだ住宅」なのです。
しかも不便では、イイ家とはいえません。
TVで人気の「1ヶ月 1万円の節約生活」ではないのですから。
このため、上記条件に、ストレスの多い今の世で、自分が安心して、憩える場所。さらにいえば、四季折々も楽しめる等が加わります。
スゴい条件です。
■パナソニックは、スマートハウスで「CO2±0(ゼロ)」の暮らしを提案
パナソニックのスマートハウスは、ショールームの外にあります。
ガイドさんに連れられて、一度外へ。
右手に直ぐ、スマートハウスのドアが見えます。
入るとガイドルームというべき部屋です。
スマートハウスの条件が記載されています。
延べ床面積136.9平方メートル(全国平均値)。2階建ての一戸建。3LDK+和室。
家族と住宅:祖母(70歳)、父(40歳)、母(37歳)、娘(6歳)の3世代4人家族。
で、1990年のCO2排出量を100%とし、CO2のゼロ化を目指そうというモノです。
2010年で42%まで達成したことを確認したそうです。
本当に、CO2増加⇒温室効果⇒異常気象 という因果関係があるのかは、まだ意見がいろいろ出されていますが、環境を護る国際ルール(京都議定書)として「CO2」量が目安としてあげられていますし、重要な指標です。
アメリカは経済優先とし、京都議定書を遵守しない上、海外投資を続けました。
結果、中国では環境汚染が最悪レベルに達し、いろいろな国にまで迷惑を掛けているのが現状です。
これ以上自然に負荷を掛けない住まいが、実証、提案されていることは、重要なことなのです。
ただし「CO2±0」=電気料金「0円」ではないことはご承知願います。
火力発電はCO2を排出しますが、その他の水力、原子力、太陽光などの発電方式で作られた電力は買うのはあり、となります。
私個人は、できる限り原発は排除したいので、買うのは水力発電などの自然エネルギー分(現在10%レベル)という見方をしています。
電気代が、0でなく、1/10でも、なんかイイ気持ちです!
■床下換気の積極利用
まず案内されたのは吹き抜けのリビング。南西向きの大きな窓が特徴です。
ここで感心したのは、積極的な床下換気です。
パナソニックでは、エコライフ換気システムと呼びます。
井戸水が夏冷たく、冬暖かいといわれるように、地下は外気より寒暖の差が少ないです。
洞穴など、石などで周りを遮られた環境もそれに準じます。
家でそれに当たるのは床下になります。
床下のもう一つの特徴に、空気が乾いていることがあげられます。
梅雨など、外気をそのまま入れると湿気でたまりません。このため床下の乾いた空気で換気してやるのです。
ポイントは、換気量です。
現在の建築法では、換気に関する基準が定められています。
30分毎、その部屋の体積に等しい空気を換気しなければなりません。
これは空気清浄機等の一つの基準でもあります。
しかし元々建築法の基準は、温湿度、空気浮遊物、などの問題ではなく、室内で石油ストーブなどを使うなど酸素が少なくなる場合に備えて作られたと聞いています。要するに換気量が少ないわけです。
また地下:10m以上だと年間で温度が安定していることを使用する技術もあります。
ただ地下室が欲しくて見積もりを取った方なら、お分かりだと思いますが、地下をいじるとすごくお金が掛かります。
床下は家を建てると必ずできるものですので、それをより積極的に使うわけです。
着眼点がイイですね。
また縦型システムであるというのもイイですね。暖かい空気は上、冷たい空気は下へ集まる特徴がありますので、換気をすることにより部屋内の空気の循環をさせることにもなります。
2月の寒風吹きすさぶ晴天の日の午後でしたが、太陽電池、この換気システム、そして省電力型のエアコンで部屋はポカポカ。
電気代はほぼ「0」でした。
エアコンは最も消費電力が高い家電ですので、上手い対応と思いました。
■LEDはダウンライトで
2番目に家庭で電気を消費しているのは、未だに照明です。
蛍光灯電球にしたのに、LEDにしたのにという人も多いと思いますが、日本全体だと、「未だに多い」のが現実のようです。
今までは、白熱電球(点光源)、蛍光灯(線光源)の組み回せですが、今後はLED(点光源)と、まだ実用化されてはいませんが、有機EL(面光源)になるのではといわれています。
まずは、LEDの徹底的な使いこなしが重要です。
2番目の部屋はダイニング&キッチンでした。
南西方向の大きな窓は、リビングと同じです。
パナソニックのスマートハウスの光源は、基本的にLEDです。
LEDと白熱球はよく同じ点光源といわれますが、かなり違います。
白熱光が一点を中心に全方向へ同じように光を出すのに対し、LEDはある方向にしか出しません。LEDは懐中電灯の様な感じです。
このためLEDの最も効率の良い使い方はダウンライトです。
ペンダントが基本の「白熱球」とはかなり違います。
スマートハウスは、ダウンライトが多用されています。
蛍光灯の方がイイと言われる人もいますが、個人的な感想を述べさせて頂きますと、違和感はないですね。
パナソニックのスマートハウスは、プログラムで灯りをコントロールしていますが、個人的には人感センサーとの併用がより面白いと思います。
あと感心したのはブラインドですね。
遮光、断熱性がある上、カーテンと異なり、天井と隙間がない付け方ですので、省エネレベルも高いと思います。
■節水も考慮
洗濯機の省エネ性を計算すると直ぐ分かりますが、「乾燥」抜きの「洗濯」だと水道代がスゴく掛かっていることが分かります。皆様もご承知のことと思いますが、ドラム型の新型洗濯機は、省エネ性は高いです。
スマートハウスではありませんが、別の所に、洗濯機のセンサーが展示してあります。展示だけでなく、センサーが動くところも確認できます。
当日、座ってシャワーを浴びる節水型の入浴システムが置いてありました。
確かに便利なのですが、個人的には「お風呂は命の洗濯」と断言するアニメ「新世紀エヴァンゲリオン」のこと。第二話 見知らぬ天井での、葛城ミサトのセリフ。もある通り、やはりたっぷりのお湯に浸からないと・・・です。
■電気エネルギー創出システム
主)太陽電池と、従)燃料電池で、エネルギーを賄います。
家庭の燃料電池は、固体高分子形燃料電池が一般です。
燃料電池にはいろいろな種類があるのですが、固体高分子形燃料電池は常温で作動するからです。発電効率は、30~35%レベルです。
燃料はガスです。
といってもガスを燃やすわけではありません。 まずガスを分解し水素を取り出します。その水素と空気中の酸素を反応させ、水と電気を作るというわけです。
先ほどの、発電効率:30~35%レベルはこの時の値です。
電力会社の発電効率は、約35~40%レベルといわれています。
では、何故、燃料電池が良いとされるのでしょう。
理由は、2つです。
1)CO2がでない。
2)最終的な発電効率は、電力会社を上回るからです。
1)は置いておくとして、2)に関して説明します。
発電所は都市部から遠いところにあります。このため5%前後の送電ロスが出てきます。
それと、電気化できないエネルギー:約60%近くは「熱」となるのです。
熱は必要な時、そこにあれば非常に有用です。
料理が出来ます。お風呂を沸かせます。床暖房もできます。洗濯、お皿洗いもお湯洗いでラクラク。
しかし、遠いところの熱はどうでしょうか?
捨てるしかないですね。
つまり自分の家で使えば、この熱を利用できるわけです。
エネルギー効率は70~80%にもなります。
ただ、私が引っ掛かっているのは、ガスも化石燃料ということです。
皆で使えば、いつかはなくなります。
完全に稼働しているシステム(家)で、「空気」「光」「水」「エネルギー」に関する機器(家電)が動いている所を見ることができました。
ちなみにHEMSの連動も見ることができます。
個人的な意見ですが、このようにオープンに、現在の状況をつぶさに見せてもらえるのは素晴らしいです。
例えば、原発の是非を論議する上では、非常に重要と思います。
原子力発電は、原子力論理という机上の理論が出来る前提で進められて来ました。この家とは逆です。
結果、現在も核の再利用ができないため、完全に滞っています。
重要な技術開発が滞っているのが伏せられたことは、決して褒められるものではありません。
それに対しスマートハウスは、オープンです。
TV局とタイアップして、1ヶ月お笑い芸人に住んでもらいレポートしてもらったらなぁと思います。
電気をふんだんに使いながらも、食事が少ない1ヶ月、10,000円生活ですね。
スポーツ選手のダイエット生活もあり得るのでは・・・。
スマートハウスは、万博会場のような量販店でも見ることができないものです。
「住まい」を考えている人は、「是非」、行かれることをお勧めします。
ちなみに、スマートハウスガイドツアーは、土・日・祝日(月曜日は除く)に開催しております。
当日 直接 インフォメーションからお申し込みできます。
■「面白い」未発売製品のコーナー
実は、このショールームの一角に、未発売製品のコーナーがあります。
私が訪ねた時は、水耕栽培セットでした。まだメジャーとはいえない家庭用水耕栽培キットですが、私大好きです。
理由は2つですね。
1つ目は、好きな野菜が栽培できること。私は鶏肉と水菜が入った鍋が大好きなのですが、なかなか水菜が手に入らない。「ならば、作ってしまえ」とも思うのですが、東京だと厳しいですね。
水耕栽培ならできそうというわけです。
2つ目は、「部屋に緑を!」です。
で、このコーナーもそうですが、ショールームにある製品で思うことありましたら、声に出して話してあげてください。 「欲しい」だけではなく、「こうした方がいい」とかも含め、何でもイイです。
意見が確実に取れるようになりますと、より面白いモノ、実験的なモノが置かれる可能性もあると思います。
ショールームが変身します。
尚、水耕栽培の展示は、「2014年3月末まで」の予定です。
興味のある人は、是非足を運んでみてください。
あと疲れた人は、最後にマッサージチェアをお試しすることをお勧めします。
リアル・プロの温感マッサージで、疲れた体もリフレッシュできます。
前にも書きましたが、デジカメ、電動自転車、TV&シアターコーナー、何でもあります。
さすがです。パナソニックのコーポレーション・ショールーム。
遊び甲斐があります。
■近くのお勧めスポット
有明~お台場まで、遊び場がいっぱいあります。
お勧めスポットの写真を掲載します。
春めいて来ました。皆さんも、ちょっと行って見ませんか?
2014年2月28日