こんなの見つけた!02@HVAC & R JAPAN 2014
24時間フル稼働可!地中熱ヒートポンプ
東京都知事選で細川氏が負けたため、「原発」に関する禊ぎが終わったとでもいうべきでしょうか?
エネルギー基本計画の経産省の原案の、原発を「基盤となるベース電源」と位置付けたまま通されるのでは、と言うことになりそうです。
頼りにしたい「太陽光発電」ですが、悪天候、夜は使えないところがあります。
しかし、HVAC & JAPAN 2014で面白い展示を見つけました。
ご紹介します。
■太陽でなく地熱を利用
大昔、マンモスが大手を振って地球を闊歩していた氷河期、人は洞窟に住んでいた様です。
北風で冷えることもありませんし、四方八方からサーベルタイガーに襲われることもありません。
上手く空気の流れを作ってやれば、プロメテウスが体を張って人類にくれたプレゼント、「火」も自在に使えます。
洞窟住居は物語にも出てきます。
西遊記の孫悟空の住処は、「花果山 水簾洞」。
陳舜臣 氏の「新西遊記」の記述によると、「洞」は凄く住みよいようです。
ヨーロッパでも、洞窟住居あります。
電気、水、レイアウトなど、不便な点は多いようですが、部屋の気温は適温で夏涼しく、冬暖かく、住み心地は決して悪くないようです。
ちなみに映画にもなりました荒俣宏の驚天動地の小説「帝都物語」で、寺田寅彦「天災は忘れたことにやってくる」との名言でも知られる物理学者。友達に夏目金之助(漱石)がおり、漱石の「我が輩は猫である」の中に出てくる水島寒月は、彼がモデルだと言われている。が「新しい都市は地下にすべき。」と発言するシーンがありました。
これが受け入れられていれば、東京は地下都市になっていたかも知れません。
地下の温度は、関東だと地下10mでほとんど変化がなくなり、温度は16℃位だそうです。
地球の体温とでも言うべき温度と言えます。
地熱と言いますと、皆さん火山、温泉をイメージしがちです。
知り合いの女の子に言わせると「山奥に行かねば」ですが、決してそんなことはありません。
東京は基本的にどこでも温泉が掘れます。
地下1000m以上掘ることができれば、家で温泉も夢ではありません。
(マンガ「こち亀」のネタ141巻「両津温泉物語」にもなっていました。)
地球にいる限り、東京でも、大阪でも、博多でも、北海道でも、この恩恵は受けられるそうです。
■地中熱ヒートポンプ冷暖房システム
地球が持っているこの温度を利用させてもらうのが、「地中熱ヒートポンプ冷暖房システム」です。
単純に言えば、エアコンの室外機を地下に埋めることにより、少ないエネルギーで冷暖房できるシステムです。
夏:外気温 35℃、地下 16℃、気温差 19℃、冬:外気温 2℃、地下 16℃、気温差 14℃。
いずれの場合も十分な温度差があります。
夏は涼しいところから、冬は暖かいところから、温度を頂戴しようとするのですから訳はありません。
■問題は掘削費
地中熱ヒートポンプ冷暖房システムは、いろいろなメーカーが手がけていますが、今回サンポット(株)さんにお話を聞きました。
話を聞くと、予想よりお金が掛かることが分かりました。
理由は、掘削費です。
安定してその温度を取り出すことを考えると、東京の場合、80〜100mが必要だそうです。
5万円/mだとすると、それだけで500万円が飛びます。
(注 この話は、地中熱ヒートポンプの採熱方式の1つ、ボアホール方式の話。他に基礎杭方式、水平ループ方式などがあります。それぞれ一長一短有り、家の状況により話は変わります。今回は、サンポットさんが推奨しているボアホール方式での話です。)
地下水があると安定した(温度が変わりにくい)熱源ということで、ここまで深く掘る必要はないそうですが、まあ、それにしても掛かります。
システムは、専用ヒートポンプとファンコイルユニット、そして床暖、パネル暖の感じですかね。
こちらも台数が出ていないので、今は高めです。
■伸びしろが多い魅力的なシステム
金勘定だけだと、現時点では高い経済優先社会の最大の泣き所。例えばこの話を潰そうと思ったら、石油、石炭を値下げすればイイわけです。しかし十数年後、枯渇と言い始め、またあーでもない、こーでもないが始まるのでしょうね。システムです。
しかし論理的に無理がないシステムです。
地下を上手く御することが出来ると、エネルギーと水(温泉を含む)が手に入れることが可能なのです。
一番の問題は、掘削費です。
例えば石油会社の技術を応用できないものでしょうかね。
石油会社に、家の庭を掘るという考えはできないでしょうが、伝手を辿ると色々出てくると思います。
少なくとも核サイクル技術ができていない原発より、脈があると思います。
冷暖房費が減ると、約20%少ないエネルギーで家庭内を回せます。
しかもこのシステム、室外機は不要です。
つまり都市部のヒートアイランド現象を押さえることも出来る。
また、水との相性も良い。
触れてはいませんが、水道を組み合わせることにより、夏の冷水、冬の暖かめの水も可能になるかも知れません。
当然、冷蔵庫にも応用が利きます。
さらに言えば、床暖房も発展させたい。
湿度調整、水フィルタリング技術を取り込むのです。
家中にパイプで水を通すのですから、冬の乾燥を防ぎインフルエンザを予防。家構造の室内管器は、水フィルターを使い、花粉、PM2.5を最低限に抑える。
さらにさらにいうと、自然の温度ですからエアコンのように、すごく冷たい風は吹かない。
涼しい風なのです。
これもポイント高いところです。
私は、太陽光発電と共に、地中ヒートポンプ冷暖房システムを応援します!
がんばれ、「地中熱ヒートポンプ」!
商品のより詳しい情報は、サンポッドのホームページにてご確認ください。
https://www.sunpot.co.jp
地中熱に興味がある人は、地中熱利用促進協会のホームページをご覧ください。
http://www.geohpaj.org
2014年2月12日
タグ: HVAC & JAPAN 2014, サンポッド, 地中熱, 地中熱ヒートポンプ