こんなの見つけた!01@HVAC & R JAPAN 2014
忌避効果を使った防カビ抗菌コート PLUS
1/28〜1/31に東京ビックサイトで、ヒーバック&アール ジャパン2014 冷凍・空調・暖房展がありました。
基本的に業務用が主体なのですが、その中で一般に使えそうなモノも幾つかありましたので、レポートします。
■エアコンのお手入れはどうしていますか?
基本フィルターは、自分でしますよね。
掃除機でもよいですが、時々は洗って乾燥を。
それ以外はどうしています?
当然、何もしない人もいると思います。
しかしエアコンを使うと乾燥してくるのは、皆様もご存じの通り。
エアコン内部での熱交換時に、結露などで水気が抜けるためです。
その水はドレイン管を通り、外に排出されます。
実はエアコン内部には割と湿り気があるのです。
■水と栄養と環境がよければ、カビは繁殖します。
さて、「日本名物数々あれど」、ではないですが、
カビの生えやすさは日本名物と言ってイイのではと思っています。
カビは漢字で書くと「黴」。音は「ばい」。黴菌(ばいきん)のバイでもあります。
梅雨の時期は特に繁殖しやすいと言われていますが、梅雨(ばいう)は元々黴雨(ばいう)と書いたという説がある位です。
カビが生えるのは食品だけではありません。
日本の場合、押し入れに入れて保管してあるビデオテープは、割とカビます。ビデオテープはビデオヘッドに摺り合わされる時のダメージを最低に抑えるため、磁性層に飽和脂肪酸を微量入れるのですが、その飽和脂肪酸がカビるのです。
もっと凄い事例もあります。
自衛隊のジェット戦闘機の燃料タンクに穴が開いたことがあります。アルミの、金属のタンクです。
原因は「カビ」でした。アルミに、金属に生えるカビもあるのです。
そう無機物で言えば、カメラのレンズにもカビが生えます。
ここまで来ると、天晴れと思います。カビって、超凄いです。
■エアコンも、当然カビる
ここまで来るとお分かりですよね。エアコンも放っておくとカビます。
まして、水気があるわけですので、割と容易にカビます。
エアコンの問題は、中がカビると胞子が送風と共にカビの胞子が室内へばらまかれることです。
皆さんも、ご承知ですね。
■カビたら業者サービス!
エアコンは通年使うモノ。
と言っても、メインは夏場、クーラー使いしている人も多いと思います。
最近のゴールデン・ウィークは、1〜2日 夏日が入りますが、まだエアコンは付けない。
その後、梅雨。梅雨明けからは、フル稼働ですよね。
エアコン内部の掃除は、業者の方が間違えが少ないですから、彼らに頼むとする。
となると、5月〜6月上旬にオーダーがベストな時期となります。
梅雨明け、動かし始めてからではちょっと遅いわけです。
ところが一番忙しいのは、梅雨明け。エアコンからへんな臭いがするというので注文が殺到するそうです。
始動時の変なニオイは、カビによる場合が多いです。
業者さんだと、「分解」「ホコリ取り」「高圧洗浄」「すすぎ」「吹き上げ」「抗菌・防カビ処理」とします。
しかし、1年置いて、2年後、掃除をオーダーすると、掃除をすると汚水の中からカビが出てきます。
抗菌・防カビ処理をしたのに何故でしょうか?
それは、条件が整ったテスト下では兎も角、防カビは実際は3〜6ヶ月しか持たないからです。
■防カビ剤の考え方
大きく分けると2つですね。
1つは、「毒」という考え方です。カビを殺す薬品を使います。
次亜塩素酸系の薬品が多いですが、生き物を殺す薬品ですので、人間にとっても気持ちの良いモノではありません。
あと1つは、「繁殖しない環境にする」という考え方です。カビがエアコンを嫌えば良いわけです。
で、今回、見つけたのは・・・。
会場入り口でもらったチラシの文言を引用しましょう。
「横浜油脂工業(株) エアコン内部の防カビコーティング
「防カビ抗菌コートプラス」 エアコン内部のアルミフィン、ドレンパンなどカビの繁殖しやすい箇所にコーティングすることで、抑制することのできる「防カビ抗菌コートプラス」を展示いたします。菌をただ殺すのではなく、同種に危険信号を与えて寄せ付けない(忌避効果)非接触型の抗菌剤です。」
■「忌避効果」とは
例えば、肌に蚊が嫌がるニオイを付け、蚊に喰われないようにする。この様に、相手が嫌がって避けることで、十分な効果が上げられるものを「忌避効果」と言います。
今紹介している防カビ剤は、仮死状態のカビの細胞核を使うそうです。
映画「パイレーツ・オブ・カリビアン」の冒頭のように、海賊を威嚇するために、海賊の死骸を掲げているような感じですね。
カビの細胞核を使うからといってビビらないでください。
単純な言い方をすれば、タンパク質です。
しかもカビは有用なものも多いです。
例えば、抗生物質のペニシリンは青カビから作られます。
薬だけではありません、珍味であるブルーチーズは、わざわざカビを生やすのです。これは美味い。ワイン、シャンパン、だけでなく吟醸酒にも合います。
上手に使えばとっても便利なのです。
■生物を上手く使う方が、より環境に優しいのでは・・・
毒と言うモノは、あるだけでは効果を発揮しません。毒系の防カビ剤もそう。なんらかの形でカビが摂取するのでカビが死滅。効果を発揮する訳です。
カビが摂取できるということは、人間も摂取することになる場合があります。
ただ人間は大型動物です。このため、微量だと、人体に害はないとされています。
ところが「忌避効果」は「ある」と効果があります。多分、フェロモンの逆で「やばい」というなんらかの伝達物質がある様に思うのですが、定かなことは不明です。
ただ確実な効き目があることは確かです。
「ある」と効果があるため、効き目は長持ちします。
防カビ効果も、約1年持つそうです。
日本は発酵文化に関しては、世界に冠たるものがあります。
だからこそ、「殺るか殺られる」ではなく、「寄せ付けない」技術が出来ても、可笑しくないのではないでしょうか?
展示会で、とても得した気分になりました。
今後、注視しておきたい技術です。
2014年2月9日
タグ: 忌避効果, 横浜油脂工業, 防カビ抗菌コートプラス