海外の人を家電量販店に連れて行くと、その豊富な商品種にビックリします。
兎に角、ありとあらゆるモノが展示販売されており、実演までしてくれているものもあります。
海外からお客さんをヨドバシ、ビックに案内すると、もう大変。インパクト大です。しかしメーカーのショールームも、負けず劣らず面白いです。

当然そのメーカーの商品しか置いてないですが、歴史、商品コンセプト、技術など面白い話が多く聞けますし、一番の違いは「体感を納得するまでできる」ことでしょうか？

今年は月1回位のペースで、色々なショールームを紹介して行きたいと思います。

第一回目はマッサージチェアを実感するためのフジ医療器の東京ショールームです。

 
■JR 田町駅より徒歩3分

フジ医療器の東京ショールームは、JR 山手線　田町駅芝浦口（東口）を出て、まっすぐ歩いた「田町駅東口」交差点の角ビルの1Fにあります。
ゆっくり歩いて、信号待ちを入れても、徒歩3分。

近くに、東京工業大学の附属高校があったり、芝浦工大の芝浦キャンパスがあるなど、サラリーマンだけでなく、学生もひっきりなしに行き来きします。

ただし芝浦口の方は、商店街的な発展はしていないため、店を素見（ひやか）して歩く面白みはありません。


 
■今回の目的は？
今回の目的は、フジ医療器のマッサージ機の最高峰と、低価格品との差を実感することにあります。

具体的に言うと、「ソムリエコース」が新設されたサイバーリラックス　マッサージチェア　AS-960（2013年8月発売、希望小売価格：オープン、実勢価格：397,700円（税込））と、リラックスマスター　マッサージチェア　AS-F60（2013年12月発売、希望小売価格：オープン、実勢価格:210,800円（税込））、そして安楽椅子に最も形状が似ているゼロソリューションG　SKS-60ZG（2012年3月発売、希望小売価格：318,000円（税込）、実勢価格：180,000円（税込））です。

絶対的な実力と、価格差通りの差があるのかを、見たいわけです。

 
■高機能モデルAS-960の特長

ショールームに入ると、素敵な女性係員がさっと対応に出てくれました。

最初に、AS-960の特長を説明してもらいました。

最高峰のモデルなので、どう説明するのだろうかと、筆者は興味津々です。

説明は簡潔でした。
「AS-960には、マッサージ・ソムリエが、推奨する『ソムリエコース』と言うのがあります。まずそれを試してみて下さい。」との事。

AS-960は下位モデルに対しできることも多く、1つ1つの動きを組み合わせ自分でオリジナル・コースを作ることも可能です。
しかし、それは1つ1つの動きがどの様なモノかが分かっており、どんなマッサージから体に与えて行きべきなのかを知らなければなりません。

そうですね。
和音、コードが分かっても、作曲できないのに似ているかも知れません。
理想的なオリジナル・コースへは容易にたどり着けません。

コースの秘訣を聞くと、お風呂の上手な入り方に似ています。
お風呂は、実は足湯を十分して、体全体に活発に血液が流れ始めた後、胸まで、そして肩までと段階的に入るのが理想とされています。
こうすると体への負担が少ないのですね。

マッサージも似ています。
まずは不具合のある体を、やんわりと伸ばします。要するに、体に負担が掛からないストレッチですね。
そうして筋肉へ負荷を掛けても、問題が少ない状態を作ります。
そして、体の端の方から、軽いマッサージを掛けて行きます。
その後、本格的なマッサージ。ガンガン揉みます。
で最後は、始まったのと同じように軽くして行きます。

ソムリエコースは、それを具現化したコースということです。
配分は、下記の通りで、ウォーミングアップから始まって、どんどん強いマッサージに移行します。そしてマッサージ後はクールダウン受けてリラックスモードで仕上げます。
00〜05分　エアーマッサージ＆ストレッチマッサージ
05〜10分　ゆったりマッサージ
10〜18分　しっかりマッサージ
18〜26分　ととのえマッサージ
26〜30分　リラックスモード

また、時間も通常の倍の30分です。
マッサージを受けられる方はご存じと思いますが、マッサージには「もみ返し」と呼ばれる症状がでることがあります。
要するに、過大なマッサージを受けた時に、逆に筋膜、筋繊維を傷めて（炎症）しまう状態のことを指します。
個人差が大きいです。
一般的には、「マッサージ時間」と、「マッサージ術者」の感触で調整します。
マッサージチェアは、術者の感触はないので、「時間」ですね。

このためマッサージチェアのコースは、一般に15分となっています。
通常のマッサージコースは、ゆったりマッサージから始まり、ととのえマッサージで終わるとお考え頂ければ、何となく見当を付けて頂けるのではと思います。

 
■ソムリエコースを試す

当然、初めは「ソムリエコース」を試します。
位置がきちんと出るように、AS-960に深く腰掛けます。
そして「ベットポジション」へ移行。
が、ちょっと膝が曲がった感じで、ノビノビとベットに寝た感触とは違っていました。
筆者の身長は、約170cm。足の長さも平均レベルですので、「えっ」と思い、「膝が曲がった感じ」であることを話すと、「ちょっと力を入れて膝を伸ばして欲しい。」とのことでした。
なるほど足裏の位置が移動します。
これも聞いてみなければ、分かりません。

で、エアーマッサージ＆ストレッチマッサージから始まります。
気付いたのは、「音」ですね。小刻みに空気の出し入れをしますので、色々な音がするのです。
大きいモノは、「ダースベイダーの呼吸音」。小さいモノでは、「息が切れた時のハアハアという呼吸音」。4種類位ですかね。
話をしていると気にならないのですが、一人だと少々気になります。

次に本格マッサージに移行します。
全体的に当たりが柔らかいマッサージです。
のんびりした気分で受けられるので、ハマる人も多いだろうなと思うのですが、筆者はかなりコリ症なものですの、少しモノ足らなく感じました。


その旨を話すと、「極　疲労回復コース」が良いのでは、と言われました。
こちらは15分で、もみ玉によるマッサージを主体に、強めのマッサージだそうです。
コリ症の筆者には、こちらのマッサージが合っていました。

あれこれ言っていますが、ソムリエコース、極　疲労回復コース共に、ヒーターを入れて全身を温めながらのマッサージです。双方共に気持ちはとても良いです。

 
AS-960は、飛行機のビジネスクラスの椅子を人型にくり貫いた感じです。
マッサージチェアとしてはこれでも良いのですが、普段使いの椅子、つまり安楽椅子としても使うには、筆者の場合、少々狭いと言うより背中に当たる部分があります。
いつも使うなら、厚手のクッションが欲しいところです。

 
■F60ならどうか？

それではということで、F60に腰を掛けました。
筆者の背中には、AS-960よりフィットします。
AS-960とすぐ分かる違いは、体の遊びが大きいと言うことです。
AS-960は、体が包み込まれて固定されている感じが強かったのですが、F60はそんな感じは受けません。

自動コース「数」は、大きく違います。
AS-960の19種類に対し、F60は4種類。
全身コースでの比較だと、AS-960の5コースに対しF60は1コースです。

価格差が「ズン」と出てきているスペック差です。
ただ先ほどの経験で分かっているのは、自分に合っているコースを持っているモノが自分に対してベストと言うことです。

で、受けてみると、もみ玉の感触から違います。
ちょっと機械的なニュアンス（ちょっと当たりが強く、直線的な動き）があるのですが、筆者には丁度イイ感じですね。
聞いてみるともみ玉の動きが違うとのこと。
またAS-960はマッサージのいろいろな動きを細かく調整することが可能なので、Ｆ60より追い込めることも分かりました。

 
ショールームの良さは、ここで再度AS-960を調整してもらう等して納得が行くまで試せることにあります。
そのモデルに精通した係の方がいますので、「納得行くまで聞いて試して」がショールームの魅力なのです。

 
また通常椅子として使う場合も、F60の方がちょっとしたポジション変更ができるので、個人的にはマルでした。
ただし背面全体に掛かる厚手のクッションは欲しいです。

 
■SKS-60ZGの場合

右写真を見てすぐお分かりの通り、SKS-60ZGは、上記2つのモデルに比べ、より安楽椅子に近い形です。
しかも発売が、上2つが2013年に対し2012年のモデルです。

試してみると、ものすごく違いがあります。
係員の方から、「かなりメカっぽいですよ」と言われましたが、かなりギュウギュウもまれる感じです。「温泉宿にあるマッサージチェアの感触」と言うのが分かりやすいかも知れません。

旧式とは別格の気持ち良さなのですが、筆者が試した3つの中では、そんな感じを持ちました。

が、筆者は強めが好きなので、この感触もきらいではありません。
しかしF60を試した後では、物足りなさを感じでしまいます。

 
■フジ医療器ショールームの使い方
フジ医療器ショールームには、現在マッサージチェアが9モデル、小型マッサージャーが2モデルあります。
筆者は、3モデルの基本動作を確認するのに、60分。追試で45分と2回利用しました。

結果、「自分に合うか、合わないか、かなり追い込んで判断できるので、利用しなければ損。」と思いました。

それは、安くはない買い物ですので、「自分が納得」するのは重要ですし、「マッサージチェアは体感しなければ、判断できない」からです。
そうですね。高額のスピーカー（20万円以上）を買うために、試聴を繰り返し、何度も自分に問いかけるのに似ています。

 
また家族を連れて来る方も多いとか。デンと構えた椅子が家に増えるわけですので、家族の同意がないと置かさせてもらえないでしょうから。

 
田町駅周辺の会社に勤められている方にもお勧めスペースです。
ずばりリフレッシュに使えます。
家電量販店で営業とおぼしき方が、マッサージチェアを活用されていますが、こちらの方が圧倒的に落ち着いてマッサージを受けることができます。

広く知ってもらうのはショールームの役目ですので、気の済むまで体感してもらっても問題はありません。
当然、気持ち良かったら、知り合いにも勧めてください。

 
■買った後もショールーム

実は、フジ医療器のショールームは買った後でも、いろいろと使えます。
中でも、自分に合った使い方をレクチャーする講習会があるところは高ポイントです。
マッサージ・ソムリエから直々にレクチャーされるとのことで、人気だそうです。

 
■ショールームの外にて
ショールームを楽しんだ後、帰ろうとした時に、ふと看板が目に入りました。
それで気付いたのですが、ここがレインボーブリッジの散策コースになっているということです。
要するにレインボーブリッジを徒歩で歩いて、お台場まで散歩と言うわけです。

行ってみました。
レインボーブリッジの歩道は車道と平行なので、「全部が全部、快適」という訳には行きませんが、お台場が近づき、歩道と車道が分かれますと「気持ちイイ」ですね。
そう30分の非日常体験も楽しめます。


もちろん駅を通り、逆側（三田）を散策するのもありです。

 
■ショールーム情報
●営業時間　　平日　 　10:00～18:00
※土日祝および年末年始は休館。

●交通　　　　JR山手線 田町駅　東口（芝浦口）より 徒歩3分
都営浅草線 三田駅／都営三田線 三田駅　両線A3出口より 徒歩5分

●所在地　　　〒108-0023 東京都港区芝浦3-2-16　田町イーストビル1階

 
詳しい情報は、フジ医療器のホームページにてご確認ください。
http://www.fujiiryoki.co.jp
 
関連頁　　　「現代マッサージチェア動向」に関して