レポート

デロンギ、コンパクト全自動エスプレッソマシン
マグニフィカS ECAM23120B  ミルク編


コーヒー編では、エスプレッソ、レギュラーコーヒーの実力を確認しました。
今回は、そのエスプレッソにミルクを加えて作るカフェ・ラテ、カプチーノの実力を確認します。
■ミルクとは無調整の牛乳のこと
コーヒーに最も馴染むのは、「生クリーム」もしくは「成分無調整の牛乳」です。
DSCF0455 コーヒー・チェーン店には置いてあるのは、コーヒーフレッシュ。
まずこれを使うのは少々寂しいです。
何故ならコーヒーフレッシュは、「植物性脂肪分」だからです。

これ夏場、常温保管でもかなり頑張れる位のタフなものです。

個人的には、そんなタフなモノを、デリケートなコーヒーに淹れるのは「ダメ」と思っています。

次に牛乳ですが、日本では「食品衛生法」の「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令」により定められています。
今、スーパーなどで手に入るのは、だいたい4種類です。
成分無調整牛乳 季節により成分変動があります。冬場は濃厚、夏場は薄め傾向です。無脂乳固形分:8.0%以上、乳脂肪分:3.0%です。
低脂肪牛乳 乳脂肪分を調整した、乳脂肪分が、0.5%以上、1.5%以下の牛乳。
無脂肪牛乳 乳脂肪分を調整した、乳脂肪分が、0.5%未満の牛乳。
成分調整牛乳 成分が調整してあり、低脂肪牛乳と無脂肪牛乳に該当しない牛乳。
何故、成分無調整でないとならないかと言うと、味と泡立ちです。
次の項に詳しく書きますが、カプチーノは泡立てたミルクを使います。このミルクは、フォームミルクと呼ばれます。

DSCF1479

使う牛乳は、「成分無調整」であること。
あと、こだわるなら鮮度。


フォームはFoam。「泡」を意味します。
正確には、Foamed milkなのですが、何故か、日本ではフォームミルクと呼ばれることが多く、今回はそれに倣います。

フォームミルクの泡は、均一、細かいけど、盛ることができる硬さをが要求されます。

これをスチームで急速に暖めながら作るのですが、牛乳にも硬い泡が出やすい必要があります。
それが、乳脂肪分が3%以上入っていることなのです。
いいコーヒーライフを送るためにも、ミルクは「無調整」と覚えて下さい!!

 
■エスプレッソは2種、ドリップは1種
さてここで、ミルクを大量に使うコーヒー系の飲み物を確認しましょう。
カフェ・オ・レ、カフェ・ラテ、カプチーノの3種類です。
カフェ・オ・レ ドリップコーヒーと同量の熱いミルクを混ぜたモノ。
カフェ・ラテ エスプレッソと同量のやや薄めでやや熱い牛乳を混ぜたモノ。
カプチーノ エスプレッソに泡立てた牛乳を入れたモノ。
少しずつ違いますね。

まず、カフェ・オ・レから。
この時のミルクは、熱めであることが条件です。
鍋か何かで温めてください。
それをドリップコーヒーに入れれば出来上がりです。

次は、エスプレッソ系です。
本格的なエスプレッソマシンは、ミルクフロッサーが付いています。
スチーム(蒸気)を出し、ミルクを温める装置ですね。
温めると書きましたが、スチームは高温。しかも蒸気は水なので、時間が経つにつれ薄まってきます。

これがカフェ・ラテの、やや薄めでやや熱い牛乳の意味です。このミルクはスチームミルクと呼ばれます。

カプチーノの泡立てた牛乳というのは、先ほど出たフォームミルクのことです。
スチームで泡立てますので、当然温かいです。

 
■実際にやってみると
このミルクフローサーで、泡立ててフォームミルクを作ります。
ここは腕の見せ所、できればバリスタも夢じゃない・・・。

と言いたいのですが、コツさえ分かれば大した事はありません。
ここは動画でごらんください。



ポイントをおさらいします。

Picture 011

デロンギ ステンレス製ミルクジャグ MJD400
希望小売価格:6,300円(税込)
底が丸みを帯びているので使いやすい


●取っ手の付いた金属製のミルクジャグを使う 1回に使用するミルクは約150mlですが、スチームが入るのと泡立ちますので、ミルクジャグの容量は350mlほどですね。
金属であるのは、温度を指で感じるためと、硬いモノに底を打ち付けるため。
取っ手はスチームで火傷しないためです。

さらに言うと、底が丸い形状だと対流しやすくなりますので、お勧めです。

●牛乳の温度は62〜67℃を狙う 70℃以上になりますと、乳脂肪分が分解します。
つまり低脂肪牛乳と同じ状態になります。
成分無調整の牛乳を使うのはこのためですので、指にしっかり60〜65℃の温度を覚えさせてください。

●その他 あとはスチームにたじろがないことです。
基本的には、ガスの火と同じです。
たじろいでいるとマシンが言うことを聞いてくれません。

家庭用のエスプレッソマシンは、1〜4杯くらいなら兎も角、10杯とか連続して淹れるようにできていません。
中々ないと思いますが、途中で動作ランプが「作動させてはダメ」になる時があります。
これは段々蒸気の出がよくなくなるため、ちょっと待ってと言うことなのですが、一度始めたら終わりまで続けてください。
逆に言えば、エスプレッソを淹れる前、ミルクを作る前の動作ランプの確認はすべきことです。

 
スチームミルクの作り方はもっと簡単です。
フォームミルクは、一番始め空気を牛乳内に送り込むために、表面ギリギリにノズルをセットしますが、それを入れ込んでしまえばいいのです。
あとは、温まるのを待つだけです。

 
■カプチーノ作りの最大の難所は?
カプチーノはエスプレッソに、先ほど作ったフォームミルクを入れると完成します。
きれいに入れるとなると、これが難しい。
硬めの泡ですから、はっきりとした模様を描いてしまいますので・・・。

少なくとも私にとっては最大の難所です。
今回は「まる(丸)」に挑戦です。



すみません <(_ _)>。
あまり参考になりませんね。
デロンギさんのホームページには、良い例が動画掲載されていますので、ご覧ください。

できないので解説するのもおこがましいのですが、
1)約10cmの高さ位から
2)カップの中央近く、「最もコーヒーが溜まっている所」を狙って、
3)一定の速度で
入れることが重要です。

http://barista.delonghi.co.jp/espresso/
 
■ラテ・アート
今コーヒーで人気のジャンルに、ラテ・アートがあります。
エスプレッソを基本とする飲み物の上で作られたデザインの一般名称です。

方法は2つ。
ミルクの入れ方で形を描く「フリー・ボア」と呼ばれる方法と、ミルクの下のコーヒーを尖ったものの先で上手く表面に出し線画を描く「エッチング」と呼ばれる方法です。

これをマスターするには、日々の努力が大切。
言い方を変えると、毎日カプチーノを作り、その度練習という感じです。
しかしエスプレッソを丁寧に淹れていると、時間も掛かりますし、神経も疲れます。
(それも楽しいのですがネ)

全自動エスプレッソは、考えなくても美味しいエスプレッソを作ってくれますので、ラテ・アートの練習にもピッタリです。

 
■後片付け
ミルクを使いますので、正直、1時間も放っておくと臭います。
簡単に分解できますので、使い終わったら、さっさと分解、水洗いをお勧めします。
洗うのは、フローサーカバーとスチームノズルだけで問題はありません。

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左)フローサー通常状態、中)フローサーカバーを外した状態、ゴムのスチームノズルが見える。
右)両方とも外した状態。


 
■マグニフィカS ECAM23120Bの主な仕様
サイズ 238(W)×430(D)×350(H)mm
重さ 9kg
給水タンク容量 最大 1.8L
豆ホッパー容量 250g
カス受け容量 最大20杯分
コーヒー粉 使用可(最大14g)
ポンプ圧 15気圧(抽出圧ではありません)
グラインダー コーン式グラインダー
希望小売価格 126,000円(税込)
 
商品のより詳しい情報は、デロンギのホームページにてご確認ください。
http://www.delonghi.co.jp
 
■デロンギ 全自動エスプレッソマシン マグニフィカS ECAM23120B レポート
01 コーヒー編
02 ミルク編(本編)
03 阿部バリスタ・インタビュー編

 
■シリーズ 自分に合ったコーヒーメーカーを探そう! 07 ミルク四方山話

 

2013年12月17日

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