8畳対応した空気清浄機
ブルーエア「Sense(センス)」新製品発表会
1996年に設立されたブルーエアの理念は「Clean air is a human right(清浄な空気をすべての人に)」。その性能の良さから各国で高い評価を受けています。
そのブルーエアーから、デザインにこだわった空気清浄機「Sense(センス)」が発売されます。
■洗練されたデザイン
商品というものは、コンセプトを元に作られます。
「スリム」のコンセプトは「パーソナル・ユース」。キャッチフレーズは、「my room, my Sense」。
8畳用の空気清浄機。性能と共に、「自室で使ってもいいな」という容姿を持つ必要があるのです。
ぱっと見て思い出したのは、「タワー型のPC(1995年当たりのパワーマック 9500シリーズの筐体)」と「オイルヒーター」です。
それは見たことがあるというイメージでなく、部屋に馴染むというイメージでです。
むしろ驚くのは素材使いの巧みさ。スチールの筐体の上に、強化ガラス。色彩デザインの巧さとの相乗効果で、高機能がイメージ的に伝わって来ます。
後記となりますが、インジケーターのデザインも単純にして妙です。
デザインは、「クラーソン・コイヴィスト・ルーネ」というスウェーデンのデザインスタジオ。
日本では、京都 鴨川沿いのユニークなビル、Sfera Building(スフェラ ビル)のデザインも手がけています。
壁に木の葉がデザインされたスチール板(網と言ってもいいかも)に覆われたそのデザインは、スリムのデザインにも通じるところがあります。
日本のグッドデザイン賞を始め、各国でかなりのデザイン賞をもらっています。
■洗練された操作
空気清浄機に求められる動作は余り多くありません。
しかしスリムの操作洗練度は並ではありません。まるでSF映画の様な感じです。
これ以外の操作は有りません。
オート機能もありません。8畳位の狭い空間ですからね。
シンプル イズ ベストを具現化したデザインと言えます。
■近年の空気清浄機のトレンド
ここ数年、病気をもたらす可能性のある物質、花粉(花粉症)、PM2.5(喘息、肺がん)の認知が一挙に高まりました。
これを受け、空気清浄機のトレンドも、変化しています。
従来の相手は「黴菌」。カビ(黴)、細菌細菌とウィルスは、大きさ、性質とも全く異なります。しかもウィルスは自分で動くことができないため、無生物と定義されることもあります。ちなみに大きさは、0.001〜1μmで様々です。(菌)でした。
双方共に、1μm以上のサイズである場合が多いのですが、この時は「イオン類放出による微生物除菌」がよく用いられてきました。活性イオンで、細菌をやっつけるのです。
実は、イオンは「滅菌」が必要な医療では、ほとんど使われません。オゾンが使われます。理由は簡単で、イオンよりオゾンの方が短時間かつ確実に細菌を死滅させることができるからです。
家電でイオンが用いられたのは、人体に影響を及ぼさないということが大きな理由です。
効果はそれなりなのですが、空気中の細菌が少なくなれば、発症率は下がります。
ちなみに「殺菌」という言葉ですが、菌をちょっとでも殺すと医療では「殺菌」となります。極端な話、1%でも菌が死ぬと「殺菌」なのです。
みなさんがイメージする「殺菌」は、医療では「滅菌」と呼びます。
菌が「0」であることは立証できませんので、存在確率が1/100万となったか、どうかを確認して決めます。
「滅菌」は、「対象菌の存在確率が1/100万」になることを意味します。
ここまで菌数が少ないとほとんどの場合、発症することはありません。
ところが花粉症患者が相手だと、ニーズが変わります。
花粉症患者は花粉があると症状がでます。要するに100%近い除去、「滅菌」に近いレベルが要求されます。
医療の滅菌は、温度などを使う物理的な方法と、薬品などを使う化学的な方法に分けられます。
双方一長一短ありますが、物理的な滅菌の方法に「濾過滅菌」というものがあります。
要するにフィルター濾過をすることにより、菌を濾し取るわけです。フィルター孔径以上のものを100%除去するわけです。
空気清浄機としては、フィルター濾過方式が主流。
2012年からは花粉が、2013年からはPM2.5の完全除去がトレンドです。
⇒「オゾン」に関して詳しい話は、豆知識「オゾンって何?」をご覧下さい。
■濾過フィルター型空気清浄機の弱点
濾過で空気をきれいにするには3つのポイントがあります。
1)優れた空気循環機能
2)フィルタリング対象物にあったフィルター
3)フィルター性能を長時間保たせること
ここでのポイントは、実は3)なのです。
要するにどんどん目詰まりを起こすのです。
ダイソンが、「吸引力の落ちない掃除機」を作るためにしたことはフィルターの除去でした。サイクロン方式が生まれたのは、そのためです。実用化では、3)は大きな問題なのです。
■ ブルーエアーの解答「ヘパサイレントテクノロジー」
ブルーエアーは、この難題を独自の「ヘパサイレントテクノロジー」で解決しています。
「ヘパサイレントテクノロジー」はヘパは「HEPA」を意味します。
最近よく耳にする、HEPAフィルター (High Efficiency Particulate Air Filter) というのは、日本工業規格、いわゆるJIS規格によって、「定格風量で粒径が0.3 µmの粒子に対して99.97%以上の粒子捕集率をもち、かつ初期圧力損失が245Pa以下の性能を持つエアフィルタ」と規定されています。
ちなみに、PM2.5とは、「大気中に浮遊する微粒子のうち、粒子径が概ね2.5μm以下のもの」を言います。そしてそれは、「粒子径2.5μmで50%の捕集効率を持つ分粒装置を透過する微粒子」でもあります。
実際の空気中の粒子分布を見ると、0.3μm以下の粒子もそれなりの量があります。
単なるHEPAフィルターだと、PM2.5の中には濾過されずに通過してしまうものがあるということです。
またフィルターの目に近いサイズだと、目をすっぽり覆い、その目を使えなくしてしまいます。
ブルーエアーの技術は、この難易度の高い要求をクリアしています。
つまり「小さい粒子を大きな目のフィルターに吸着させ、捕まえる」技術なのです。この場合、フィルターの目は大きいため、吸着しても、フィルターはなかなか目詰まりすることはありません。
尚、吸着には帯電技術を使います。
センスは小型サイズのため、フィルターを2つ使っていますが、それを踏まえ動作を説明しましょう。
まず吸引口から空気が吸い込まれます。
ブルーエアーは、12分で8畳分の空気を濾過します。すぐれた空気循環機能を持ちます。
「12分で対象フロア面積分濾過」と言うのは国際規格の中で最も厳しいものであり、JIS規格では「30分で濾過」です。
次に一番目のフィルターです。大きなゴミをフィルター除去します。
大きなゴミを除去した空気に対し、イオナイザーで電子を放出します。空気の中の微細なものは、花粉、PM2.5はもちろん、ウイルスに至るまでマイナス帯電します。
で、二番目のフィルターが登場します。フィルターはプラス帯電させてあります。となると、プラスとマイナスはくっつきます。
目に引っかかるのではなく、フィルターの繊維に貼り付くのです。
フィルターの目より小さなサイズまで濾過でき、なかなか目詰まらないシステムなのです。
ブルーエアーのテストによると、0.1mmの粒子でも99.97%除去。
フィルターの交換は24時間/日使う前提で、6ヶ月/回で良いとのことでした。
ちなみに、ブルーエアーはフィルターの汚れ対応は洗浄対応ではありません。交換対応となります。
フィルター交換は、センスを横倒しにして行います。
カッコ悪い部分は基本的に見せない。ちょっと「キザ」かも知れません。
■販売はネットオンリー
発売日は、11月20日。公式直販サイト「ブルーエアストア」のみの販売となります。
ストア価格 49,800円(税込)。
より詳しい情報は、ブルーエアーのホームページでご確認ください。
http://www.blueair.jp
2013年11月20日
タグ: 8畳, センス, ブルーエアー, ヘパサイレントテクノロジー, 空気清浄機