【加湿器】加湿器の天敵、レジオネラ菌の特徴と対抗策
加湿器の水タンクは、菌が繁殖するので、清掃しなければ危ないと言われています。
分かったつもりになりがちですが、日本語らしい極めて曖昧な表現で、これだとどう対処して良いのかが分かりません。
正直、今の家電はメーカーが気を効かせた「自動」が多いのですが、何が、どんな理由で、どう動いているのかは知っておかなければ、対応できないこともあります。
まず、加湿器で問題視されている「レジオネラ菌」の特徴をまとめてみました。
■レジオネラ菌の特徴
●通称:レジオネラ菌
レジオネラ属のいろいろな菌の総称です。レジオネラ家(け)という感じ。レジオネラ菌は苗字で読んでいる感じです。
一番害を及ぼしやすいのは、レジオネラ・ニューモフィラです。
●サイズ:0.3〜0.7μm×2〜5μm
微小粒子状物質(PM2.5)のサイズが、径:2.5μm以下ですから、近いサイズです。このサイズだと肺の奥深くまで入りやすく、呼吸器系への影響に加え、循環器系への影響が心配されています。
●空中浮遊菌なのか?
空中浮遊菌で有名なのは、クロカワカビ(アルミニウム性食品包装材料まで侵してしまう。薬剤抵抗性が強い。)とアスペルギルス・フラプス。レジオネラ菌は指摘されていません。空中浮遊サイズですが、レジオネラ菌は水が大好き。単独での空中浮遊はないようです。
●生存、増殖条件 20〜50℃の、水中を含む水まわりで生存、増殖する。最も増殖しやすいのは36℃。
ぬめり(生物膜)があると、まず間違いなく繁殖していると考えて良い。
●人体へ侵入した場合
体内に入ると、「レジオネラ症」を発症する可能性がある。同感染症は、感染法 四類感染症に分類され、医者は保健所に届出の義務を負う。
レジオネラ症は肺炎を伴う場合があり、その場合は重症化、死亡することもある。レジオネラ肺炎、加湿器肺炎と呼ばれる、この肺炎は、通常の肺炎(肺炎球菌、インフルエンザ菌、肺炎マイコプラズマなど)と異なり、カビアレルギーによるものなので、通常の肺炎の治療が効かない。
●殺菌条件
60℃ 5分で滅菌できる。
●加湿器との関連
超音波式加湿器の水タンクで繁殖、加湿器から出される水滴により、体内に入り、死亡した例が報告されている。(2017.12-2018.01大分)
■加湿器の何がいけないのか?
加湿器は、空気中に湿気を送りこむ家電ですが、より詳しくいうと「水蒸気」と「微細水滴」、2つの方法があります。
水蒸気は、水の気相。菌が入りこむ余地はありません。微細水滴は、当然液相。一般的なサイズは径:4〜12μm。菌が入り込む余地があります。
ちなみに、水蒸気は無色透明。一方の微細水滴は光を乱反射するため、白く見えます。いわゆる「水煙」というものです。
微細水滴を作り出すのは、超音波式と呼ばれる加湿器です。この加湿器の水タンクで菌が増殖すると、作り出す水滴の中に菌が入り込みます。超音波式は、加熱機能を持ちません。加熱による殺菌は期待できません。
■今ドキの超音波加湿器
超音波式は加熱しないので、その意味では安全。しかも超音波振動子は小型で安価。デザインの自由度が高いため、いろいろなメーカーが作っています。
このため、いろいろな手段で水タンクの衛生を確保するようになりました。
「銀イオン」による殺菌、「抗菌プレート」の採用、「UV照射」による殺菌などです。
また水滴サイズを小さくすると、菌は入り込めなくなります。カドーの「マイクロミスト」は径:2μm。通常の1/2です。
■ユーザーがすべきこと
ユーザーも同様に、菌の増殖を抑えるようにしなければなりません。
●必ず水道水を使うこと 水道水は消毒、衛生管理された、最も安全性の高い水です。逆に、消毒していない水は、菌が住みやすい。このためミネラルウォーター、井戸水を使ってはいけません。
●余分な水をタンクに入れないこと
●使用後、タンクは丸洗いすること
以上です。
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2023年10月27日