思うこと

【エアコン】節電術と実施され難い理由。
国民が喘いでも、変えることはできないのか?


エアコンの節電術。
電気代が上がることが必至の今、色々なメディアが繰り返し特集を組みます。フィルター掃除から始まる、節約術の内容は、皆様もよくご存知の通りです。
私も一通り実施するのですが、どうも頑張って節約している感じがしません。今回、それから脱出する方法を考えてみました。
 

今回のセミナーが行われた、クールパークのメインブース。
エアコンが効いていれば、ここでもセミナーできる。


 
■メーカーが導入してきた節電技術
エアコン=節電。これはエアコンが熱を扱うため、「ヒートポンプ」という最も効果的な熱交換器を使いながらも、かなりの電力消費をするためです。

これは国にとっても大きな問題。
なんたって日本は夏蒸し暑い上に、埋蔵エネルギーをほとんど持たない国。どうしてもエアコンを使います。特に、1994年以降、夏の暑さは馬鹿馬鹿しいほどになり、エアコンを付けないと、家でも「熱中症」になる暑さです。世帯普及率も100%に近いエアコンですが、それは「生活必需品」になったためです。

国の要請は、メーカーにとっては、ある種の強制。全メーカー節電技術を磨きます。
そうして出てきた技術は
1)効率の良い冷媒の開発と導入。
冷媒はメーカーの重要な技術ですが、余り表立って語られませんでした。
が、ノン・フロン化の時は、大きな話題になりました。
2)ヒートポンプを巨大化。エアコンに吸い込まれた空気を効率よく冷やせるようレイアウトする。
=ヒートポンプをシロッコファンを包むようにレイアウト。
このため横から見ると正方形に近い位、奥行きがある。
3)「自動」モードの投入
=「自動」は常に部屋全体を想定して稼働。このため「微風」より効率が良い。
4)自動フィルター掃除機構の導入。
=メーカーがこれでもかというほど、アピールを繰り返すフィルター掃除。
これをする、しないで、状況が全く異なります。メーカー自ら対応に乗り出したわけです。
などです。

これにより、年間で1万円以上の節電ができるようになりました。

 
■メーカーのエクスキューズ
日立ジョンソンは、クールパークの開催イベントをする時、今後、ユーザーセミナー「白くまくんアカデミー」の開催に力を入れるそうです。

その事前セミナーがクールパークの開催イベントで行われました。
講師を務めるのは、社員の方です。

興味あるのは、その内容でしょう。

しかし、まず語られたのは、「本資料内の数値やデータ等は実使用空間での実証結果ではありません。環境や条件によって異なる場合があります。」

大手メーカーは、研究開発費も惜しみなく使います。しかし理工の学生なら、よくわかると思いますが、研究開発日の過多によらず、実験を正確に再現することはとても難しい。特に目に見えない項目は、その傾向にあります。温度、湿度。馴染みがある項目なので、確実にわかるように思いますが、実際は、そうではありません。確約し難いのです。

ユーザーにあやふやなことは言えません。そうでなくても今の世、勘違いでの炎上騒ぎもよくあります。特に、ある条件下での数字が、その条件なしに使われ、一人歩きすると、どうしようもありません。勢い、「伝えるな」「提示してはダメ」など、となります。

昔は、人に伝えるにしても、興奮を冷やす時間などがありましたが、今は、そうではありません。即 SNSに上げることを正義と疑わない人が数多くいます。

そのために、どうしてもこのような注釈が必要なのです。

 
■メーカーがユーザーにして欲しい節電術
さて本題です。

日立は、節電術を3つに分けます。「エアコンを使う前」「エアコンを使っている時」「エアコンを使っていない時」です。

「エアコンを使う前」に
帰宅後換気をする
カーテンやブラインドを活用扇風機やサーキュレーターを活用
このうち、「帰宅後換気をする」というのはケース・バイ・ケースです。要するに、少しでも自分が有利な(=電気代が少ない)方向へ環境を調整するということです。

 
次は「エアコンを使っている時」です。
室内温度を適温にする 室温:28℃を上げると共に、1℃上げると、約10%の節電効果があるとしながら、「経済産業省によると」約940円の節約に!とあります。

ここが曲者です。メーカーは、節電した電力量は分かります。が、しかし、それを金額化することはできないのです。理由は、電力の価格決定権がメーカーにないからです。電力会社、そしてそれを承認する経済産業省によるからです。また契約により電気代はまちまちです。

 
外出先からはアプリを活用風向きや風速の調整をする
ちなみに、「冷房」時の風向きは「水平」。モードは「微風」より「自動」が推奨されました。
タイマーを有効活用する
節電機能を活用する
が加えられています。

 
最後は「エアコンを使っていない時」です。
フィルターをお掃除する
室外機をお掃除する
この室外機のお掃除ですが、とても重要です。
それは「エアコン全体の消費電力は約80から90%室外機による」ものだからです。
これは「室外機は、空気を吸い込む背面が剥き出しになっているので汚れやすい」からです。

うーんという感じです。

 
そして最後に、使い始めて7年目(使いこなれたエアコン)での、お掃除ありとなしの比較を。
カタログには必ず、期間消費電力が掲載されています。いわゆるテスト環境下ですが、年間消費電力のベストデーターです。これに対し、掃除したモデルは102%。夏一ヶ月で15000円冷房代がかかったとして300円。コーヒー一杯分。許せる範囲です。

掃除しないと109%。同様に計算すると、1350円。1000円オーバーですから、ちょっと嫌ですね。こうなると「コーヒー代に換算して・・・」などとは言っていられません。

 
■何故、自分はエアコンの節約にいまいち熱くなれないのか?
私は、一通りの対応はしますが、まとまって出てくる電気代を分析して逐一行動にフィードバックするほど、熱心ではありません。「節約コンサルディング」などと称する女性などのレポートを読むと「凄いなー」と思ってしまいます。

職業から、掃除などは、その効果が現れるまであーでもない、こーでもないと、知恵を絞るのですが、ことエアコンの節約は、それほど気乗りしないのです。

色々考え、思い当たったのは、「成果がほとんど見えてこなため」

 
これは国民に節電を強いながらも、一番分かりやすい「電気代」で示すことを、国の機関が封じているためでもあります。このため、成果が伝わらないわけです。

今はIoTが当たり前になりつつありますので、エアコン単体の消費電力を計測しようとすればできます。私は、これだけでも相当違うと思います。

例えば、冷房にとって直射日光は天敵。このためグリーンカーテンなどを設けるわけですが、設けた前後での消費電力の差を出すことができます。片方、快晴、片方、雨のように外の温度がまるっきり違うと比較にはならないのですが、似た天気、同じ温度(ネットで取ると客観的)で比較すると、自分がした仕事に対する効果が分かります。

 
今まで効果があやふやだったものが、はっきり分かるわけで、こうなるとやる気が出てきます。
ここまでは、メーカーに頑張って欲しいと思います。知識としては、みんな持っているのにやる気が出ないのには、そんな理由があるのではと思いましたね。

皆さん、今の様にとにかく「節電」「節電」と言われるだけで、なんとかしようと思いますか?
どこか引っかかっているところがあれば、ぜひメーカーへ提案を。

 
 
日立ジョンソンのエアコンのURLはこちら
https://kadenfan.hitachi.co.jp/ra/
 


 

 
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2023年7月10日

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