レポート

【太鼓判】スマートトラッカーは形で選ぶ!
米タイル社のスマートトラッカー。


スマートトラッカー(以下 トラッカー)。時々、モノをなくす私には、かなり気になるデバイスでした。黎明期、色々試しました。ところが値が高い上に、イマイチのモデルが実に多かったです。それでも色々なモデルを試してきました。そして今年、米アップル社が、スマートトラッカー「Air Tag(エアタグ)」を出しました。四半世紀以上のアップルファンですが、これも正直がっくりきました。そんな中、今回私がチョイサウした米タイル社のトラッカーをレポートします。
 

●スマートトラッカー。米タイル社のTile Pro(2022)。
さりげない縁の下の力持ち的デジタル デバイス。


 
■スマートトラッカーとは
大切な持ち物が紛失した時に力を発揮する「トラッカー」。最近は「スマートタグ」とも呼ばれます。トラッカーは、スマートホンとBluetoothで常に通信しており、Bluetoothが届く範囲では、音や光、ARなどを駆使して見つけるのをサポートしてくれます。また完全に落としてしまったときは、最後の位置情報を記録しユーザーに知らせる他、同じメーカーモデルを持つ別のユーザーが近くに寄ると、そのユーザーのモデルが電波を受信、追跡することもできる仕組みを持ったデバイスです。
重要なのは「通信距離」ですが、「電源」のパワーが大いに関係します。パワーがある電源が大きく、重いのが普通です。

トラッカーは「黒子」的な存在。何もない時は邪魔です。このためトラッカーは、軽薄短小であることが良しとされます。が、前述の要求されるスペックと逆な存在であることも期待されているのです。

どこでバランスを取るか。デバイスメーカーの腕が問われる製品でもあります。

 
■「黒子」、それとも「アクセサリー」
「黒子」に徹するのはかなり難しいモノです。家電の場合、ビルトイン型が基本黒子型と言えます。使わない時には壁面と同一化するのです。
一方違う見方もあります。壁面に収めても、見えるものは見える。いっそインテリアとして取り扱ったらどうかと言うものです。

これはいずれもありで、考え方の相違です。

トラッカーで言うと、この「黒子」の考え方に従ったのがタイル社のトラッカー「Tile」であり、アクセサリーとして考えられた製品がアップル社の「Air Tag」です。

 
■何に付けるのか
トラッカーの場合、何に付けるのかがすこぶる重要です。
私が付けているのは2つです。キーホルダーと財布。

これにスマホを入れると、今ドキ、どこに行くのも持ち歩く3種の神器となります。実際は、これにペンとペーパーもあるのですが、こちらは、今の世の中、手に入れようとすれば、ほぼどこでも手に入れられるのでカウントしません。

そして、このうち、「スマホ」と「財布」は変化し続けています。

昔のスマホというと、ストラップをジャラジャラ付けているのが流行りました。デコで、盛ったり、奇妙なケースが流行ったこともありました。しかし今は、どちらかというとシンプル。普通のケースを付けている人が大半な上、スマホ自体がストラップを付けるホールを持たなくなりました。私も昔はストラップを付けていましたが、今はなし。しかし見分けがつきやすように、ミニステッカーを幾つかスマホケースに貼っています。要するに、トラッカーを含めスマホに後でモノを付けることは、困難になってしまっています。

そして財布。キャッシュレス時代。私もコインを使うのは月に数回。年で数えても100回行かないのではと思います。となると財布の中身はカードが主。どんどん小さく、そして薄くなります。中にはコイン室を持たない財布も。こうなるとトラッカーは仕込みにくいです。

 
■「Slim」で際立つ、Tile社のラインナップ
タイル社の2022年モデルは、4種類。Mate(2022)、Pro(20222)、Slim(2022)、Sticker(2022)です。
Mateは、タイル社の名の由来にもなっているタイル型(正方形)、Stickerはトラッカーの標準形とも言えるコイン型(円形)。そして電池交換可能なProは小判型。(楕円形)です。性能は、Proの性能が抜きん出ていますが、サイズ的に似た場合、大きなアピールポイントはありません。

しかしSlimは違います。カード型のこのトラッカーこそ、コイン型のトラッカーに代わり財布に忍ばせるべきトラッカーと言えます。特に今ドキのミニ財布には、コイン室がないモデルも増えており、形としてはカード型が圧倒的に有利です。

●スマートトラッカー。米タイル社のTile Slim(2022)。


このSlimがあることにより、タイル社のラインナップは光り輝きます。全てをコイン型にしてアクセサリーで財布に装着するアップル社のような考えもありますが、トラッカーの場合、大きな問題があります。このコイン型、コインと厚みがまるっきり違うのです。コイン3〜4枚分の厚みがあります。
薄い財布に対しては圧倒的に不利。今ドキの財布は薄いですから、無理矢理押し込んで、尻ポケットに入れ、上から圧迫すると、コイン型に跡が残りそうです。それどころか、今、流行りのミニ財布はコイン室を持たないモデルも多くあります。財布=金貨の時代から連綿と使われてきた財布に求められたコインを入れると言うことが、電子マネーにより大きく変わったためでもあります。

しかし、そんな財布にピッタリ収まるのが「Slim」です。ほぼカードの定型(クレジットカードなどのサイズは、国際規格「ISO/IEC7810」の「ID-1」で定められています。サイズ:縦53.98ミリ、横85.60ミリ、厚さ0.76ミリ。)に近い、縦:54 x 横:86 x 厚さ:2.5ミリで作られているのです。
 

●Slimのサイズ。国際規格「ISO/IEC7810」の「ID-1」を意識している。


 
気になるのは、気になるのは厚みだが、私の財布のカードポケットには上手く入れることができました。

 

●今ドキの財布は薄いが当たり前。
このレベルの厚みの違いでも差が出る。


●ミズノの財布のカードポケットに収まった Slim。
ミズノは昔グローブの余り革で財布などを作り販売していた。革質がよく手に馴染む。


 
■Slimの非日常的価値と日常的価値
さてさてトラッカーは、スマホとBluetoothでつながっています。Slimも例外ではありません。つながる距離は何と75m。2020年のどうモデルが60mなので、15mアップしたことになります。この2つのモデルは双方とも、電池寿命はほぼ3年。電池交換不可、防水仕様であることも同じです。ただ、防水は2020年モデル:IPX7、2022年モデル:IP67と2022年モデルは防塵等級まで示されているのがちょっと違いますが・・・。(規格のIP:Internatiuonal Protection、前の数字は防塵等級、後の数字は防水等級を表す。Xは省略された等級を表す。)
紛失という非日常緊急事態が発生した場合、これらスペックがそのポテンシャルを遺憾無く発揮することになります。

では、日常では、カードポケットにはめ殺しの役立たずかというとそんなことはありません。スマホと連携が取れているので、いつでも財布があればスマホを呼びさせるし、スマホがああれば財布を呼び出せるのです。

 

●Tileのアプリ。「探す」の緑ボタンを
押すと、あとは何もしないでいいが、
慌てている人のために説明文も付いている。


 
日常生活時、見失うことは割とあることです。特に外出するときに焦ると、目の前にあってもわからないことがあります。こんな時は実に便利。洗濯かごの中にあっても、十分聞こえる音で教えてくれます。

家の中での、ちょっとうっかりはある話なので、これはありがたい機能です。

 
電池交換できないので、毎年千数百円を消費する形ですが、確実に役に立つのがSlimです。
 
■キーホルダーにはPROを装着
私の場合、トラッカーを装着すべきものがもう一つある。キーホルダーだ。
まず、この手のものは一元管理が便利だ。セキュリティならバラバラな管理だが、トラッカーはちょっと異なる。一元管理だと、使い方もよくわかっているので、とても便利だ。

 

●トラッカーとスマホの一覧表が示される。
一元管理し易いアプリ。


 
今回チョイスしたのはPRO。社名にもなっているTileでもよかったのだが、電池交換ができるPROをチョイスした。

 

●キーホルダーは、形、サイズを問わない。


●裏ブタを開けると電池が見える。
CR2032。CRは電池種類。
20は直径(mm)、32は厚み:3.2mmを示す。


 
電池交換モデルのいいところは、電気を十分使えるので、最大ポテンシャルを発揮できること。Bluetoothの到達距離は、約120mと電池非交換型の1.6倍にも達する。
欠点は、それなりのサイズを必要とするところだが、キーホルダーに付けるなら関係ない。ちなみにサイズは、縦:59 x 横:34 x 厚み:7.7ミリだ。

 
■満足のいくトラッカー
こうして、財布、キーホルダーにトラッカーをつけた結果、なくてはならない3つのモノ、スマホ、財布、キーホルダーに大きな連携をもたらすことができた。目に見えないがかなりの安心感が得られる。実際落とした時の回収率は、最終的には「運」ということになるのだろうが、この連携が効く感覚はいい。また、大切に使っていこうという感じになる。

もしこれがアップルの「Air Tag」だとどうだろうか? キーホルダーは問題ないとして、財布であーだこーだと悩むのだろうなと思う。「Air Tag」に合う財布を見つけるという人もいるだろうが、私にとってそれは本末転倒。主と従が逆転した状態なのだ。

この楽ちんなトラッカーは、私のマストアイテムになってしまった。
当然、太鼓判モデルである。

またタイル社は、色々なメーカーとの提携、プラットフォームパートナーも行っています。「三井住友カード」「Fitbit」など、有力な会社が多く、今後の発展も望めそうです。

 
商品のより詳しい情報は、以下のURLでご確認ください。
https://thetileapp.jp
 
 




 

 
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2022年7月6日

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