レポート

【スティック型掃除機】シロカ「 SV-S261」


調理家電では、他社が一目置く存在になったシロカが作った2wayコードレススティッククリーナー。
メイカーの謳い文句は「業界最軽量」。全体で900g。本体のみなら600g。その割に「パワフル」。2021年3月発売。オープン価格。平均市場売価は15,000円前後で、安定しているモデル。
 

●シロカ 「 SV-S261」
重さ:900g。笑えるほど軽い。持ち手部分はバータイプ。このためか、ストラップが付いている。


 

スティック型掃除機の本体「ハンディ掃除機」。重さ:600g。とにかく軽い。


シロカは「安くて良いもの」を矜持としているメーカー。庶民の味方です。今現在最も力を入れているのは、調理家電。この分野に関しては、大手家電メーカーのパナソニックと丁々発止、真っ向勝負できるモデルもあります。それでいて価格は2/3〜1/2。嬉しいメーカーです。

しかし、安価を矜持とした場合、当然ですが、全てのことに手が回るわけではありません。利益が出ないと自分が干上がってしまいます。このため、「そのモデルの特徴に仕様を全振り」することがままあります。全振りと言うとそれなりに格好いい感じがしますが、その特徴=スティック型掃除機ではありませんので、短所が出てきます。バランスが悪いものが多いです。

 
■SV-S261は、軽さに全振り
さて、スティック型掃除機:SV-S261は、スティック型掃除機の大きなテーマ「軽量」に全振りしています。

SV-S261の掃除機重量は、なんと900g。本体であるハンディ掃除機部:600gという脅威の軽さです。
2021年末、有名メーカーは軽いものでも、1.2kgであるので、それから25%も軽くなったこのモデル、女性、子どもでも完全に自在に振り回せます。自由自在。この扱いやすさは大きな魅力です。

一方、大手メーカーのコードレス掃除機と比較すると、パワー不足、使用時間が短いことは否めません。要するに、モーターとバッテリー共に、ワンランクポテンシャルが低いと言ってもいいのですが、パワーがあるモーター、長時間使えるバッテリーはコストが高く、また、その分、それらは、重く、扱い難く、売価も高い。要するに、シロカが目指している価格で、ダイソン、パナソニックに対抗できるものは作れないわけだ。しかし、人には色々な考えがあり、大掃除できるモデルが全てではありません。毎日さっと掃除していれば問題ないと考える人も多いです。スティック型掃除機がメジャーになってきている今、逆にそんな人が大半かもしれません。

シロカのSV-S261は、この差をよくよく考えて作られたモデルと言えます。

 
■ワンフロア マンションにお勧め
今、都市空間で最も多い住まいは、フローリングのマンションのワンフロアでしょう。実は、このような環境下では、大手メーカーのようにガンガン吸ってという掃除機は、そんなに活躍の場がありません。というのは、狭いので「ガンガン」はそんなに必要ないのです。

逆な言い方をすると、SV-S261を一戸建ての大きなところで使うと、何度かため息をつくことになると思います。しかし、狭く、床がフローリングになるとSV-S261は「使える掃除機だなぁ」と言うことになると思います。

 
■ハウスダストへの掃除方法
では、ワンルームマンション(床 フローリング)を想定して、お話を進めて見ましょう。

まずヘッドです。幅狭です。そして何も付いていません。日本メーカーでは当たり前のブラシ、ローラーのがついていないのです。一昔前の海外掃除機のヘッドを見ているようです。海外メーカーのヘッドに何故なにも付いていなかったのかと言うと、昔はフローリングでなくカーペットが基本だったからです。カーペットの価値は毛にあります。毛を痛めないように、カーペットに付着したゴミ、ホコリを、吸引のみで掃除していたわけです。ダイソンが、サイクロンシステムを発明したのは、当時の紙パックだと、使っているうちに吸引力が落ちたからですが、このような条件下だとなるほどと思いますね。

ヘッド裏側。ローラー、ブラシなど、お馴染みの仕様は付いていない。


一方日本は畳文化。畳の表面は、カーペットの毛より硬く編み込まれた状態です。畳の目入ったゴミ、ホコリは突き刺さっているようなもので、吸引力だけでは取りづらい。このために掻き出すローラーなどが考えられたわけです。自分たちの使いいように改良して、他文明、文化を取り込む。これが弥生の昔から連綿と続く、日本の文化の受け方です。

 
一方、フローリングは、畳より硬く、目で見えるサイズのゴミは単に落ちているだけと言えます。このためブラシなどなくても吸い出せます。しかしミクロな目で見ると、フローリングは超微細なささくれがいっぱいあり、ハウスダストなどはごく微小の上どげの塊(ダニの脱皮カス、死骸ですからね)。どうしてもささくれに引っかかります。このささくれトラップは、吸引力が強くても瞬時に吸い上げることが無理。ゆっくり時間をかけて吸い上げるのが基本となります。瞬間的な吸引ではなく、継続した吸引でささくれがダンダンずれ、ハウスダストが吸引されるわけです。

このスピード、ほぼ布団掃除機と同じ。布団掃除機の一番の目的はアレルゲンであるハウスダストを寝ている間に吸わないように、布団から除去することです。ちなみに、医療用のガイドラインは診断、処置のためのものですが、アレルギー喘息に関しては「予防」の項が設けられています。そこには「20秒/m2」と書かれています。私も吸引力の高い掃除機ならもう少し早いのではと思い、何度もがモーターの強いハウスダストセンサー付きのモデルで、確認しましたが、ほぼ20秒/m2レベルのペースで掃除しないと取り切れませんでした。

このことから、吸引力大=掃除が早く済ませられると言うのは、あくまでも目に見えるレベル。衛生管理のため、しっかり掃除する場合は、どんな時でも時間がかかると思ってください。

 
■弱点は大きなゴミ
では、逆に大きなゴミは全く問題はないのでしょうか?

そうではありません。理由は吸い込み口のサイズです。小さいモーターでも、それなりの吸引力を得るためには、吸入口を狭くする必要があります。小さいモーターでもそれなりの吸引力を確保する工夫です。SV-S261の場合、ゴミを吸う口が、7から15mmしかない部分があります。モーターが強いほとんどのモデルあは20mm以上確保していますので、いかに小さいかがわかります。

ヘッドの延長パイプをつける部分は、高さを思い切り削ったかまぼこ型。最も長さが撮られているところで15mm。ないところだと7mmとなる。


しかし、今の時代、そんな大きなゴミは吸わせません。床がかなりきれいですからね。落ちたスナック菓子くらいです。まぁ、ここら辺は自分がどんな感じで掃除をしているのかを思い浮かべながら考えてみてください。

と言うことで、ワンルームマンションに住む独身男性、女性にはかなりお勧めできるモデルと言えます。軽くて取り回しやすいことを考慮すると、非力な女性には特にと言うことになるかも知れませんね。ちなみに、動作音は甲高く、やや小さい。響きにくい音で、こちらの特徴からもマンションに合うと言えるのではないだろうか。

 
ちなみに、軽さを追求したSV-S261はダストボックスも小さく 0.14L。掃除の最後は、ゴミぽいすることをお勧めしたい。なお、ダストボックス、フィルター類は、排気フィルターをのぞき水洗い可能です。

ダストボックス外観。通常みられる膨らみなどほぼなし。
スリム、軽量であることが徹底されている。


水洗い不可の排気フィルター。ついたゴミ、ホコリは叩くか、用済みの歯ブラシなどを使ってお掃除する。


 
■デザインは、モダンだが悪目立ちしない
ワンルームマンションが良いのではと書いたが、デザインもかなり都会的だ。悪目立ちしないスマートなデザイン。延長ポールは金属製で質感もいい。スタンドなどない分、置き方にも工夫ができる、ちなみに本体(ハンディ掃除機部分)のデザインは、今人気のいシリンダー型。見えるところには、ここだけ出して置き、延長管、ヘッドはクローゼットに入れておくのもありだろう。

 
■2台目の掃除機としても重宝
ちなみに価格が安いのもいい。2万円でお釣りがくる。となると2階などで使う2nd掃除機としてもいい。
1.5kgのような、最新技術をフル装備したモデルではありませんが、非力を軽さで補っているバランスの取れたスティック型掃除機です。自分のニーズと合えば、是非試してもらいたいモデルです。

 
商品のより詳しい情報は、以下のURLでご確認ください。
https://www.siroca.co.jp/product/wirelesscleanerslim/
 


 

 
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2022年1月7日

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