メーカー自身がセレクトした過去履歴を表す商品。
〜ツインバードの場合〜
私見ですが、私はメーカーは社長がベラベラ喋るべきではないと思っています。では、何が喋るのが一番いいいのか?
それは商品です。いつどんな時、どんな理由でが分からない場合でも、商品は、書画のように、そのメーカーの思想、コンセプトが出ています。だから、モノを見るのは面白いのです。
この11月、リニューアルをかけたツインバードは発表会に、幾つかの商品を持ち込みました。この時は新製品発表も行われましたが、このコーナーは、新製品の話ではありません。
こんなモノを市場に供給してきましたという、メーカーのあり方を示す商品です。こんなメーカーですと語ってくれる製品として、彼らはどんなモノが展示されたのでしょうか?
また、展示品は、どんなことを語ってくれるのでしょうか?
田中角栄が首相に就任して2年目。地価や物価の急上昇が社会問題化した時代。「ノストラダムスの大予言」「日本沈没」などがベストセラーになり、ある種、先が見えない怖さが立ち始めていた。一方、ホンダ、ソニーなどは、すでに海外で名を馳せており、日本製は高品質、高性能が広まった頃。コメントに「品質No.1を目指した」とあるが、洋食器に対し、日本で新デザインなどは考えられない時代だった。
ベトナム戦争後遺症を吹き払う様な勧善懲悪映画「スターウォーズ」が大ヒット。前の年のオリンピックでは、ナディア・コマネチが10点満点を出すなど、価値観が激しく変わり始めた時代。歌謡曲では「ピンクレディ」、アニメでは「宇宙戦艦ヤマト」、映画、小説では、横溝正史ブームで、この年は「八つ墓村」が封切られている。1971年にウィスキーの輸入自由化され、以降1983年にピークを迎えるまで右肩上がり。ホームバーは、当時の憧れでもあり、名前も売りに一役かっていると思われる。
バブルが弾ける一年前。市場は拡大する一方です。当時、すでにデジタル家電としてCD(コンパクト・ディスク)、DAT(デジタル・オーディオ・テープ)などが湯に出ていましたが、映像他はほとんどアナログ技術。PCは発売されていましたが、メインOSはMS-DOSで使いにくい時代。日本メーカーが、最強だった時代です。
いわゆる複合家電。今のスマホと比べても画面は小さいですね。当時はアナログ波でしたから、どの位の画質だったのでしょうかね。災害を想定すると今でもある組み合わせ。しかし、これ以降、蛍光灯→LED、そしてバッテリーの進化がものすごく大きいです。今だと、スマートフォンの一部の機能だとしか言えないですね。
フィリップは、ヒゲ剃りニーズが尽きることがないとして、シェーバーを柱の一つに据えていますが、髪の毛のニーズもそうですね。髪の毛に不安がある人を筆頭に頭皮マッサージニーズは大きいと思います。ツーンバードの柱にしたい技術ですね。
アート&テクノロジー。いい家電は、確かに機能とデザインはマッチしています。ただそれは、アートではなく工業デザイン。私は、野水社長がどこに着地点を求められているのは知らないのですが、「アート」という言葉に踊り、花開かなかったデザイナーを知っています。
■ツインバードの代名詞といえばこれ!
そして最後になったのが、これです。
何かわかりますか? 厚生労働省より依頼を受け、開発・生産・納入した、ワクチン輸送コンテナです。
ツインバードは、小型で高効率、そして温度精度の素晴らしく良い、スターリング・クーラーの開発生産メーカーなのです。日本の中堅企業の技術開発力は、世界でも優秀で、大メーカーが諦めたロータリーエンジンをモノにしたのは広島のマツダ(当時 東洋工業)ですし、スターリング・クーラーはツイン馬〇℃です。
このコロナ禍でのワクチン輸送には大活躍しています。お世話になりました。
こう並べてみると、ツインバードは
1)尖った技術を生産ベースにのせる技術開発力を持っている。
2)スキマ商品は、今までいろいろ開発してきた。
3)アートとテクノロジーが融合した製品が作りたい。
と言うことがわかります。
これに対して、新製品は、どうだったのでしょうか?
また、同時に行われたリブランディングは、どんな感じなのでしょうか?
ツインバードの新製品「スチームオーブンレンジ」に続く。
→→→To Be Continued. →→→
より詳しい情報は、以下のURLでご確認ください。
https://www.twinbird.jp
#ツインバード #歴史 #生活家電.com
2021年12月3日