レポート

次なる「銘品」はこれ03!
「幻」を冠された大井川電機製作所「はなびらたけ」。新体験の旨さ炸裂!


「はなびらたけ」と言うキノコをご存知ですか? 1000m以上の山に自生するキノコですが、自生条件が厳しくどこにでも生えるキノコではありません。実は、このキノコ、「見た目よく」「食感がよく」「美味」、三拍子揃ったキノコなのです。手に入らないのが実に惜しい。しかし、それを栽培するメーカーが出てきました。「(株)大井川電機製作所」。今回は、超お勧め食材、「はなびらたけ」です。

はなびらたけ。別名 楊貴妃茸。
担子菌門ハラタケ綱タマチョレイタケ目ハナビラタケ科ハナビラタケ属。
ホホホダケは、大井川電機製作所のオリジナルネーム。


 
■レンチンでも分かるその美味しさ
秋にはキノコが出回ります。秋の味覚の王様と言われる「マツタケ」から始まり、「ナメコ」「シメジ」「シイタケ」。海外では「マッシュルーム」。「エリンギ」なども幅を利かせています。まだまだ少ないのですが、その中に入りそうな次のキノコが「はなびらたけ」です。

シイタケ、マツタケのように「カサ」に「柄」をつけたタイプではなく、真っ白なハナビラを幾つもくっ付けた形。サンゴのようにも見えます。実際、女性が髪飾りにしても全くおかしくない位、綺麗です。ちなみに、はなびらたけの別名は、「楊貴妃茸」。と、世界三代美人のうちの一人の名前が冠されています。それだけでも、どんなに異質の、それでいて気品があり、なおかつ、貴重なキノコかがわかります。

クラゲに似た、独特の美しさを有する。


初めて、手に取った時、一番いいレシピを聞いてみました。ちょっと考えてしまいましたね。答えは「どのレシピでも美味しい」でした。

普通、食材というのは代表料理を持ちます。マツタケなら、「マツタケご飯」と「土瓶蒸し」が双璧でしょう。双方とも、マツタケ特有の香りを楽しめるレシピです。しかし、流通量が少ないと、代表量ができるところまで行かない時があります。

 
と言うことでまずは、塩を少々ふり、レンジでチンして試食しました。

パッケージには「軽く水洗いしてください」とありますが、キノコの基本は、そのままです。と言うのはキノコからは大量の出汁がでます。鍋にキノコが付きモノなのは、それが理由です。と言うことで、今回、水洗いは避けました。

パッケージから出すと、美しい白い塊が3つ。ハナビラ部だけでなく、どこも実にきれい。切り口も見事に白。ここまで白いと、美しすぎてある種の怪しささえ感じられます。

マツタケのような強い香りはしません。ただ、切り口などひどく瑞々しい。ちょっと似たものが思いつきません。

皿の上に乗せ、塩を少々。そしてレンジでチン。

熱がかかったためか、ハナビラの先はちょっと丸まり、若干アイーボリーに。が、全体から見るとほとんど変わりません。

食べてみると、意外が意外。コリコリした歯応え。ラーメンの具で使われる「キクラゲ」のようです。しかし味は違います。濃く深い。旨味満載のツユが噛むたびに、口の中に溢れます。驚くほどのツユの量、そしてこの旨味。そして、これでもかと旨味が押し寄せてきます。どの位かというと、旨味の代名詞にも使われる「シイタケ」の倍くらいすごいです。こうですから、こんなふうですから、これだけでおかず、酒の肴になります。栄養学的にはOKか、否かは分かりませんが、舌的には大満足。

次にアヒージョにしてみました。入れるだけで、笑えるほど美味しい。すごいキノコです。

 
◾️老舗の料理屋、有名ホテルでも採用
東京浅草に「浅草今半」という料理屋があります。ここの「すき焼き」は有名ですから、ご存知の方も多いと思います。大井川電機製作所が、このはなびらたけを市場に出したところ、浅草今半から使わせて欲しいと要請があったそうです。

 
 
実は、はなびらたけは、和食の世界では、それなりに知られたキノコなのです。しかし、自生品はほとんど取れませんから、聞いただけ、本で見ただけで口に入れたこともない料理人もいます。また、手に入れて、食材のすごさが分かっても、料理屋の献立に載せられません。これほどの食材だと、料理人としては、使いたくて仕方がないのですが、数量が足らなくなったらお話になりません。入荷できなかったので、本日ご提供できませんというのは、老舗の暖簾を信じて来店してくださったお客様には失礼になります。

それをメーカーが栽培するなら確実だと、浅草今半より連絡があったそうです。そう、このキノコ、すき焼き、牛肉にも合うのです。

また、有名ホテル「椿山荘」の方からも使いたいとお話があったそうです。椿山荘では、茶碗蒸しの具の一つに、白キクラゲを使っていたそうですが、キクラゲは前処理が大変。食感が似ていて、より旨味を持つ、はなびらたけに切り替えたそうです。

これら事例以外にも、いろいろなところで採用されて始めています。

 
◾️何故、メーカーがキノコ栽培をしたのか
(株)川根坂田製作所の電球部門が、1967年、独立したのが大井川電機製作所。クルマのライトで有名な小糸製作所、スタンレー電気などに電球を収めてきました。

 

大井川電機製作所が作ってきたランプ。
灯りがないと人間は日暮れ以降、無力。


 
しかし、電球は大転換を迫られます。LED電球の実用化です。LEDは光る半導体ですから、それまでの電球とは作り方、技術もすごく違ってきます。要するに会社の大黒柱がぐらつき始めたわけです。

大井川電機製作所は、当然、第二の柱を模索します。

まず自分たちが持っている技術でできることをリサーチしましたが、第二の柱になるようなものは見つけられなく、もっとリサーチ幅を拡げます。その中に「はなびらたけの栽培」があったそうです。発案者も、山をやっていて自生のはなびらたけに詳しいとかではなく、たまたまの発案だったそうです。

世の中、できすぎた偶然はあるものです。

しかし、そこから苦労の連続。大体「幻」のキノコですから、見たことがない人が大半。ただ、ラッキーだったのは、完全な先駆者でなかったことです。キノコ類は、様々な有効成分がありますので、製薬会社ではキノコの栽培をしているところが多いですし、個人的に栽培しているところもあったそうです。このため情報皆無というわけではなかったとのことです。断片でも情報があれば、あとはトライ&エラー。基本的に技術屋集団である大井川電機製作所は、そう言うことに長けているのです。

初出荷は、2年後、そこから今までじわじわ販路を伸ばし、第二の柱として育ててきたそうです。

 
◾️メーカー栽培のメリット
しかし、このはなびらたけ、工場で作るメリットはあるのでしょうか?

実は大いにあるのです。はなびらたけの大敵はカビ。山上1000mだと、カビはかなり少なくなります。このため、まず、最初の40日、無菌袋の中ではなびらたけを育てます。次は、湿度99%の環境下で30日。品質保証でよく使われる40℃80%は赤道直下の環境再現ですが、湿度:99%とは、どんな状況なのでしょうか? 数m先が烟るように見えない環境です。霧のかかった摩周湖のような状態だそうです。

湿度:100%環境の写真。数m先が見えない。社長は「霧の摩周湖」という。詩人ですね。


 
特殊環境の正確な維持は、メーカーの生産工程では良くあるパターンで、設備、ノウハウなどが必要ですが、そこは工場経験。対応がきっちりできている訳です。こうして無菌状態のはなびらたけを出荷できるというわけです。

培養室入口。


ところで冒頭、「食べる前に軽く水洗い」と書きましたが、それには次のような理由があります。実ははなびらたけは細かい木粉で育てます。細かいですから、どこにでも入り込みます。メーカーサイドでも注意してハンドリングしているのですが、付着の可能性はあるためです。ある種の品質保証で、考え方は間違いなくメーカーです。安心して推めることができますね。私が食べた分には入っておらす、品質の良さが感じられた訳です。

出荷時の切り分け。手作業は品質管理でもポイント。


 
◾️コロナ禍でも歩みを止めない
大井川電機製作所のはなびらたけですが、今年の2月に新しいブランドを作りました。「ホホホタケ」です。確かに食べると、旨すぎて笑いが止まらないので、ピッタリといえばピッタリ。それまでのメインは飲食店。より普通の人に食べて欲しくて、ユーザーに覚えてもらい易いブランド名を「ホホホタケ」にしたそうです。

ホホホタケ、80g/1パック。


ホホホの子、150g/1パック。


このはなびらたけ、地元ハンバーガーに使われるようになりました。ハンバーグにも負けない旨味なのです。また、美味しい割りに、リーズナブルなので、静岡県内の一部コンビニ「ファミリーマート」にも並ぶようになりました。

「幻」の大量陳列(地元スーパー)。なんかすごい。


しかしまだまだ「幻」の域をを抜けません。ここは通販を利用するのが一つの手。ホホホタケ、ホホホの子共に、4パックで、送料込みで、2600円(税込)。クール宅急便で送られてきます。

ふるさと納税の リターンにも使われている。


海外にも少しだけ輸出。香港のスーパーの様子。
中国語で「日本繍球菌」が「はなびらたけ」を示す。


■この秋はキノコ鍋で
キノコの美味しい食べ方として、鍋があります。キノコ鍋のポイントは、キノコの種類数。3種類以上のキノコを入れると、旨味がグンとましますす。作ってみると、美味い出汁が口の中で炸裂。うまいとしか言えなくなります。笑いも止まりません。注意すべきは口の中の火傷ですね。キノコは保温性が良いらしく、噛んだ瞬間、熱い出し汁が飛び出すのは、クラスター爆弾が口の中に破裂したよう。ここをやり過ごしますと、今度は旨味が脳内で弾け飛びます。嬉しい、二段攻撃です。

 

こちらは炊き込みご飯。あぁ、食欲の秋。


 
付け合わせは、牛がベストですね。うまい牛と合わせると、笑いが止まりません。もちろん、笑い茸の成分は入っていません。

食欲の秋。コロナは落ち着いているとはいえ、今から冬に差し掛かります。
お取り寄せで楽しむのは、大いにプラス。美味しいお酒、美味しい新米、どちらに合わせても十分に楽しめます。

 
商品のより詳しい情報は、以下のURLでご確認ください。
https://hohohotake.com
 

 
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2021年11月7日

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