シャープから、プレミアムタイプとしてマスク着用時の美しさや快適性、衛生面(防御力)を追求した不織布マスク『シャープクリスタルマスク』の販売が開始されほぼ1ヶ月が経ちました。どの位、すごいマスクなのでしょうか?
シャープのプレミアムマスク、『シャープクリスタルマスク』の愛称は、クリスタルが持つ清潔感や形状をモチーフとのこと。2021年9月8日の発売時は、シャープのECサイト(COCORO STORE)で即完売しました。
シャープが追求したのは、プレミアムタイプとしてマスク着用時の美しさや快適性、衛生面(防御力)。シャープは不織布マスクのラインしか持っていませんので、当然、不織布マスク。いつJIS規格に通ったという通知が来るのかは分かりませんが、シャープが示したデーターでは、確実にクリアできる性能的には信じられるマスクです。
このマスクは、6角形をベースとした立体構造(立体クリスタル形状)を採用。フェイスラインをシャープに演出するとともに、口元の空間をしっかりと確保できるため、呼吸しやすく、マスクへの口紅の付着や化粧崩れも軽減されます。衛生面では、PM2.5や花粉、ウイルス飛沫、微粒子の侵入を99%以上カットする4層構成(それまでのシャープマスクは3層構造)の不織布フィルターを採用しています。
最外層の不織布には無機(銀)系抗菌剤を配合しており、銀イオン(Ag+)の作用によってマスク表面での細菌の増殖を抑制します。また、より安心してお使いいただけるよう、マスクを1枚ごとに個別包装してあります。
■クリスタルマスクの特徴
●立体クリスタル形状により、ほお(頬)からあご(顎)にかけてのフェイスラインをシャープに演出
6角形をベースとした立体構造(立体クリスタル形状)の採用により、両側のほおからあごにかけて鋭角的なフェイスラインを形作ることで、シャープで端正なイメージを演出します。
●口元の空間をしっかりと確保し、呼吸しやすさなど快適なつけ心地を実現
一般的なマスクよりも立体的な構造である立体クリスタル形状により、口元により広い空間を確保するとともに、外側の不織布に形状保持力が高く型崩れが少ない材料を使用することで、口元の空間が長時間維持されます。
これにより、呼吸しやすく、また、唇や口元周辺の肌が過度にマスクに接触することなく、清潔で快適なつけ心地を長時間提供します。
同時に、マスクへの口紅の付着や化粧崩れが軽減され、化粧直しなどの負担の軽減も期待できます。
マスクを外した際には、口元側の不織布が内側になるように、折りたたんで収納することができます。衛生面で安心、かつ、マスクの内側が露出しないため見栄えも良く、周囲への配慮にも繋がります。
●PM2.5や花粉、ウイルス飛沫、微粒子の侵入を99%以上カットするフィルターを採用
フィルター性能を左右する、マスク中央のメルトブロー不織布を2層に増やし、計4層の不織布の構成とすることで、PM2.5や花粉、さらに微小なウイルスや微粒子の侵入をしっかりとガードします。せきやくしゃみによる飛沫拡散を防ぐのにも効果的です。VFE試験、BFE試験、PFE試験、花粉捕集効率試験の4つのフィルター捕集効率試験において、99%以上のカット率を実現しています※5。また、立体構造を採用しているため、顔にフィットしやすく、隙間からのPM2.5や花粉、ウイルス飛沫、微粒子の侵入を抑制します。
フィルター捕集効率試験による性能評価、および評価方法は次の通り[(一財)カケンテストセンター試験結果]。
◯ウイルス飛沫捕集効率99%以上(VFE(Viral Filtration Efficiency)試験)
○バクテリア飛沫捕集効率99%以上(BFE(Bacterial Filtration Efficiency)試験)
○微小粒子捕集効率99%以上(PFE(Particle Filtration Efficiency)試験)
○花粉粒子捕集効率99%以上(花粉捕集効率試験)
加えて、米国の医療用マスク(サージカルマスク)に使用される材料の性能を表す「ASTM F2100-19(レベル3)」相当の基準を満たしています。レベル3の試験では、より高性能なマスクの血液不浸透性も要求されており、病院などでもより広範囲にご活用いただけます[(一財)カケンテストセンター試験結果]。
○圧力損失(mmH2O/cm2):<6.0
○人工血液バリア性(160mmHg):浸透なし
○可燃性:クラス1
さらに、不織布の各層に撥水性を持たせることで、湿気によるマスクの静電気的な集塵性能の低下など、フィルター性能の低下や、飛沫の拡散を防ぐ効果を高めています。
本マスク(形名:MA-C20V1/MA-C2015)は、一定の品質(フィルター性能や安全性など)を満たすことで、(一社)日本衛生材料工業連合会が認定する、日本産業規格(JIS:Japanese Industrial Standards)の認証を申請予定です(2021年9月8日現在)。
●銀イオンの抗菌作用により、マスク表面での細菌の増殖を抑制
最外層の不織布(外側のスパンボンド)には、無機(銀)系抗菌剤を配合しました。この抗菌剤に含有する銀イオン(Ag+)の作用によって、マスク表面での細菌の増殖を抑えます。
□2種類の試験菌種による抗菌性能試験の結果
(一社)日本衛生材料工業連合会が定める抗菌性能試験(試験方法:JIS L1902、菌液吸収法)の評価結果は次の通りです[(一財)カケンテストセンター試験結果]。
【試験菌種A】抗菌活性値:5.0(抗菌性能基準:2.0以上)、増殖値:2.5(成立条件:1.5以上)、培養時間18時間
【試験菌種B】抗菌活性値:5.0(抗菌性能基準:2.0以上)、増殖値:3.0(成立条件:1.5以上)、培養時間18時間
●ぴったりフィットのノーズフィッターとステッチ調整
形状保持力が高く、鼻のラインにぴったりフィットするノーズフィッターにより、マスクと顔の隙間を減らし、ウイルス飛沫・微粒子などの侵入やメガネの曇りを抑えます。また、鼻の部分に施されたステッチ(縫い目)を利用して不織布を下方向に折り込むことで、マスクのサイズ調整が可能です。1つのサイズながら、個人ごとにフィット感の高いポジションでマスクを装着できます。
●着用時の負担を軽減する“やわらか耳ひも”
伸縮性が高くやわらかい耳ひもを採用することで、長時間のマスク着用による耳などへの負担を軽減します。
●マスク1枚ごとに個別包装
マスク1枚ごとに個別に包装していますので、衛生面でより安心してお使いいただけます。
●三重工場内のクリーンルームで生産
液晶パネルも製造可能な当社三重工場(三重県多気郡多気町)内のクリーンルームで生産しています。クリーンルーム内は、チリやホコリなどが極端に少ない清潔な環境であり、安心してマスクをお使いいただけます。
■第一印象
クリスタルマスクを単独で見た時、瞬時に感じたのは「小さい」。実際は、装着前で通常品の約2/3位はあるのだが、ほぼ半分位に感じられる。
実際、装着しても、正確に装着しないと顎が出る感じ。正直、顎がちょっと動かしにくい。ちょっと喋りずらい。まっ、こんなご時世、ベラベラ喋るのも憚られる時が多いので、仕方がないか、という感じです。普通サイズではあるが、かなり女性を意識しているのではとも思われる。
シャープクリスタルマスクの真髄は、その形状にあります。口、鼻の部分を立体的に覆うことにより、息苦しさを軽減するのです。確かに装着すると、口、鼻の部分に軽い余裕がある。しかし、シャープの不織布は水蒸気の抜けが良くなく、マスクから押し返される感じが強いです。口周りの湿度が常に高い感じがします。この夏、水蒸気抜けの良いアイリスオーヤマのナノエアーマスクで過ごしたので、より強く感じられるのかも知れませんが。
が、それも最初の10分くらい。慣れてしまうと、余り差はない様に感じられた。
また、耳ひも改良されており、ソフトタッチ。今までのより意識しないで済みます。
「いいね」三連発は、食事の時。食事の時は当然マスクを外すのだが、クリスタルマスクは口の部分を折り込み、汚れないようにすることができます。マスクも小さくなりますし、ポケットに入れても、汚れることはありません。これは大いにプラスです。
ただし、この形状の作り方ですが、シャープの専売特許ではありません。実際、知り合いが同形状のマスクを着けていたので、見せてもらったところ、超音波溶着の位置は微妙に異なるものの、ほぼ同仕様でした。知人は、「中国製なので真の品質はわからない。しかし、鼻と口の部分に空間ができるのはありがたい」と言うことで、使い続けているそうだ。
■ 商品仕様[(一社)日本衛生材料工業連合会自主基準による表示]
商品名 | 不織布マスク |
対象 | かぜ・花粉・ほこりなど |
素材名 | 本体およびフィルター(不織布:ポリプロピレン) 耳ひも部(ポリウレタン、ナイロン) ノーズフィッター(ポリエチレン) |
本体サイズ (H×W) |
約82 × 210mm(折りたたみ時) |
製造者名 | シャープ株式会社 |
包装材の材質 | <MA-C20V1(5枚入り)> 個別包装袋:ポリプロピレン 外装:ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン <MA-C-2015(15枚入り)> 個別包装袋:ポリプロピレン 化粧箱:紙 |
原産国 | 日本 |
抗菌剤の種類 | 無機(銀)系抗菌剤 抗菌加工部位 マスク外側(“SHARP”ロゴが正しく読める側)に使用 |
■シャープのビジネスの考え方に対する不安
では、シャープのクリスタルマスク、是非買ってくださいかというと、私は多少不安があります。それはマスクビジネスの継続性に対する不安です。
確かに、2020年3月。国内生産マスクを立ち上げたシャープに送られた賞賛はひと方ならないものがありました。そしてその時点で、シャープが取ったのはネット販売。シャープはドラックストアへの販売ルートを持ちませんので、さもありなんという感じでした。そして価格も割高でした。
以降シャープは、メディカル分野 補聴器(薬機法 クラス分類:クラスII 管理医療機器、同類には自動電子血圧計がある)を販売します。マスクは、補聴器とともに、メディカルに根をおろすために続けると言われました。
しかし、できるのでしょうか?
問題は価格です。
国産不織布マスク標準品 50枚入り1箱: 2,750円(税込)。55円/枚。
国産不織布マスク抗菌品 50枚入り1箱: 2,860円(税込)。57円/枚。
クリスタルマスク 5枚入り:699円(税込)。約140円/枚。
クリスタルマスク 15枚入り:1980円(税込)。約132円/枚。
正直、高い。高すぎます。不織布マスクは、基本使い捨てるとしたら論外でしょうね。
高機能を謳っているアイリスオーヤマのナノエアーマスクでも、14枚 876円。約63円。(アイリスプラザ価格。(税込))
ちなみに、アイリスオーヤマのマスクで一番高いのは、デイリーフィットマスク 立体タイプで、5枚で437円(同上)。約87円。
ちなみに、マスクの場合、ネット販売はやや高めの値付けが多いです。
国内製産マスクは、品質も良いのですが、だからと言って使い捨て前提ですので、高いのはいけません。100円/日の30日で月3000円が限界ではないでしょうか?
また、ユニチャーム、アイリスオーヤマなどは、種類も豊富な上、全部100円以下/枚ですからね。
もう少し突っ込んで考えますと、シャープは、不織布を外部購入し、それを加工してマスクを作るビジネスです。シャープは、ラインを増やすことはしない考えですから、手持ちの加工機の内何台かを改造、立体マスクの生産にしているわけです。
しかし、消耗品メーカーの肝は大量生産です。原材料を外部から買っていても、量さえはければ、値下げしてもらうことも可能です。しかし、シャープの場合、販売ルートはネットのみで販売数量は増えない。また、当然、新しく営業部隊を作り全国展開するか、有力なメディカルメーカーと組み、そのルートでドラッグストアに流す必要がありまし。一般市販するには、基本価格が高いと思います。
逆に言うと、シャープを支持するユーザーも多いのですから、そのユーザーと「定期便」という形でビジネスしたいと言うのが本音だと思います。
これほどのマスクを作ったわけですからが、なんとか頑張って欲しいと思います。
商品のより詳しい情報は、以下のURLでご確認ください。
https://jp.sharp/mask/products/mac20v1/
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