今年は忙しく、行きたいと思って果たせなかったイベントも多いです。先日、ようやく3時間ほど暇を見つけ、サンダーバード博(日本科学未来館)を見ることができました。
幼い頃TVで見ていた私には非常に懐かしかったのですが、そうではなく、これは子供に見せておくべきと思った部分があるので、レポートします。
■国際救助隊って
知っている人も多いと思いますが、今一度サンダーバードについて簡単に説明します。
2065年、元宇宙飛行士で世界的な大富豪ジェフ・トレーシーの下で、ブレインズ博士がとんでもないものを作ってしまいます。サンダーバード・エンジンです。

米国のブラックバード正式型番:SR-71。ロッキード社が開発しアメリカ空軍で採用された超音速・高高度戦略偵察機。1976年7月28日、第9戦略偵察連隊機により3,529.56km/h(実用高度25,929m)という実用ジェット機としての最高速度記録を持ちます。地球の自転より速いジェット機です。使用、維持するにも難易度が高いため、偵察衛星技術が発達した1989年で全機退役しました。も目じゃない、サンダーバード1号。マッハ20はガメラごぞんじ日本が誇るべき2大怪獣の内一つ。ゴジラと違うのは、手足を引っ込めての回転ジェットで空をマッハ3で飛べること。縁日で売られていた小亀は、ほとんどガメラと名付けられクルクルまわされた経験を持つと思います。の6倍以上のスピードである。
例えば、それを積んだサンダーバード1号は、マッハ20で巡航可能。地球のどんなところでも1時間以内で行けるのですから、とてつもない強力なエンジンです。
当然、武器、兵器として使いたい戦争大好きな人は多くいるのですが、大金持ちのトレーシーは人の役に立てたいと思います。
そこで、組織したのが、「国際救助隊 サンダーバード」。
1号搭乗者は、長男のスコット。さすがは兄の貫禄で弟にテキパキ指示を出します。は、すぐさま現場に急行。司令塔として働く。2号搭乗者は三男のバージル。この機体の人気はものすごかった。プラモデルはあっと言う間に売り切れ。は必要なメカを素早く運ぶ大型輸送機。3号搭乗者は五男のアラン。使い捨てでHないロケット。あとロケットの個人持ちは、当時でも斬新。は宇宙と地球とを行き来できるロケット。4号搭乗者は四男のゴードン。今見るとカッコいいのだが、2号搭載の他のメカもカッコよく、ちょっと影が薄い。は2号が運ぶメカの1つの潜水艦。5号宇宙ステーション。責任者は次男のジョン。二週間毎に五男のアランと交代勤務。色々な国からのSOSは、自動翻訳機ですぐ英語化される設定。今でも実現されていない技術。しかも形が凄くかっこイイ。は全てのSOSをキャッチする宇宙ステーションです。
メカ他の秘密が漏れると、戦争に使われ地球を台無しにする可能性がありますので、隊員は5人の息子で構成されています。サンダーバードは、これらスーパー・メカと仲の良い兄弟が力を合わせ大活躍をする物語です。
■ガンプラ程ではないですが・・・

箱絵は、故 小松崎茂氏。あゝ、かっこイイ!
ガンプラほどではないですが、サンダーバードのプラモデルはかなり売れたと思います。私も1号〜5号+α 買ってもらい作りました。中でもジェット・モグラがお気に入り。モーターでドリルがまわるので、何度砂場で挑戦したことか・・・(何度壊したことか・・・)。
このプラモデルで最も高いのは「秘密基地」。本当に高くて買ってもらえませんでした。
ジェフとその息子たちは、トレーシー・アイランドという自分の持ち島に住んでいます。そこから救助に向かうわけですから、そのトレーシー・アイランドが秘密基地なわけです。
秘密が守れる設定、メカニズム的なギミックに満ちた設定ではありますが、生活に使うエネルギー類などは考えていない、ある意味とんでもない設定でもありました。
■トレーシーアイランド2013は東芝製!
今回のサンダーバード博は、最新の技術を持ついろいろなメーカーがサポートしています。で、トレーシー・アイランドの立体模型は東芝が手がけました。
下に写真を掲載しますが、電力はマイクロ水力発電、太陽光発電、風力発電を組み合わせ、蓄電池に蓄え色々なものに使用します。多分一家だけでは、暮らして行けないと思ったのではないかと思いますが、設定にはない、病院、ビル、ホーム(居住地区)、そして交通機関として地下を走る鉄道、電気自動車が加わっています。
追加設定も良く出来ていますし、ジオラマも良い出来で、両方共、私は感心してしまいました。


■ビジュアルで見せることは凄く重要
サンダーバードは初期の特撮作品です。日本のウルトラシリーズもそうですが、初期の特撮作品の特徴は、SF(サイエンス・フィクション)の影響を受けており、多くの場合 仕組み、構造が割合、合理的に説明されるということです。
そして、見たことのないものが出てくるわけですので、ビジュアル・インパクトも凄かった!
現在、時計で通話できる時代が迫っています。間違いなくウルトラセブンの通信機の時代はやって来つつあるのです。
カシオの方だったと思いますが、「最終的には、ウルトラセブンの通信機が作りたくて、時計をいじっている」と発言された人がいたと思います。何故、この人のことを覚えているかというと、「子供の頃のインパクトが、新しい世界を開くことが多くある。この人もそうか。」と思ったからです。
今盛んにマスコミ、政府が、「子供の科学への関心が落ちている」と言われますが、それは当たり前だと思います。
「すごい」「不思議」と思う心が科学を、子供の好奇心を支えているのですから。
数式を解いたり、教科書を暗記しても、科学的な視点も関心も育ちはしません。
「凄い」「かっこイイ」と思うモノを子供に見せるべきなのです。
という意味で、今ある技術をまとめ、トレーシー・アイランドに集約させたことは素晴らしいことと思います。
良い仕事を見せてもらったと思います。
ということで、皆様にご紹介させて頂きました。

東芝による図解。幼い子は親が説明してやって欲しい。

サンダーバード・エンジンのエネルギー源がTV設定に描かれていないため、「くらしとエネルギー」と言っても、エネルギーに関するコメントがほとんどありません。