エアコン水漏れ経験者に朗報!
日立 2021年モデル「白くまくん プレミアムXシリーズ」。
借家に御住まいの皆さん。多くの場合、エアコンは設置済みだったと思います。多くの場合は、廉価モデルであり、電気代節約は余り期待できません。しかも、前の住人の使い方がゾンザイな時は、内部にいろいろなゴミが溜まっています。フィルター清掃などは自分でできますが、一度ファンなどに付着したゴミは中々落ちません。それがリビングダイニングの場合は、往々にして油汚れですから、粘り、ちょっとやそっとじゃ、取れてくれません。
◾️厄災に見舞われた8月末
かく言う私も借家住まい。入居時には、数年経ったエアコンが2台設置されていました。D社のモデルです。ベランダには室外機が2台。普通なら上下に据え付けて、ベランダの使い勝手を良くするのでしょうが、この借家では2台ハの字に設置。店子の使い勝手は余り考えていないようです。
しかも、前の人が余りフィルター清掃などしなかったためでしょうか? フィンなどが汚れていることがわかります。
まっ、人の持ち物ですから、仕方ないですね。と言うことで、自分を納得させ、自分ができること(=フィルター掃除)ですが、それはマメにしていました。
トラブルが起こったのは、2台あるうちのリビングダイニングのエアコンです。8月のとある日曜日の夜、ポタポタ水が滴れはじめました。正直、やばいと思いました。まだ8月。熱帯夜の東京。エアコンなしというわけには行きません。とりあえず、洗面器で受けていましたが、2時間で半分のペース。4時間で水が溢れ出す計算。これでは、寝ることもできません。仕方がないので、縦長のゴミ箱を空っぽにし、それで受けることにしました。
翌日、メーカーから業者さんの電話番号を聞き出し、すぐに対処を頼んだのですが、速くて金曜日とのこと。この時期ですから、仕方ありません。とにかく凌ぎました。
◾️原因は、ドレンホースのゴミ詰まり
さて、業者さんに来てもらって事情を説明。深く頷いた業者さんは、でかいポンプを取り出し、ベランダに出ます。それを排水口に刺さっているドレンホースの出口に刺し操作します。するとエアコンから「ゴボゴボゴボ」というすごい音が・・・。数メートル離れてもはっきり聞こえるほど大きい音でした。で、OK。瞬時に正常運転になりました。
聞いてみると、巨大なポンプは吸引機。ゴミを吸い取るのだそうです。しかし、これはゴミがホースを塞いでいるとき限定の方法。隙間があるとうまくゴミを吸い込めないそうです。特にゴミが網の目になり水をトラップ、壁になることも多いので、乾いてしまったら、吸引できないなどの場合もあり、何をすれば確実というのはないそうです。
なかなか難しいものです。
◾️2017年から「ゴミ」「ホコリ」に対して徹底対策を始めた日立
エアコンは「ホコリ」が大の大敵です。そのために「フィルター」が付いています。しかし、それだけではホコリを完全シャットアウトできません。細かいホコリはフィンへ、熱交換器へ入り込みます。代表例はカビ菌です。小さいのでフィルターも通り抜けます。そして、水分は熱交換器がたっぷり用意してくれます。加えてホコリは、カビにとって十分な栄養があります。リビングダイニングで油成分が混じると、栄養はよりリッチになります。
実はエアコン内部は、カビが生えやすいのです。日本の空気の中のカビは、欧米に比べてとてもリッチです。が、人間にはトラブルを起こすようなことはないレベルです。ところが、エアコンがカビの温床になると、空気中のカビの胞子量はすごく上がります。体の抵抗力が弱い子ども、老人は呼吸器の病気になるレベルです。個人差はあるものの、余りイイ状態ではありません。
こんな事にならない様、徹底的にホコリを除去しようと考えたのが日立。除去と言っても、素人(=ユーザー)が手出しできるのはフィルターまでです。このため、2017年から、日立は自動清掃に力を入れました。その技術の一つが、「凍結洗浄」です。
◾️半導体に不可欠な凍結洗浄
半導体。このデバイスの名前を聞かない日はないでしょう。今の世の中、半導体は、電気を使うモノにはまず入っています。それを使った集積回路は年々小さくなります。「ムーアの法則」と言われるものです。
年々小さくなるということは、ホコリひとつで電気が遮断されるサイズということです。このため半導体をホコリを排除したクリーンルーム内で製造されるのですが、クリーン度が半端じゃないです。しかし、それでお細かなホコリはあるもの。何度も洗浄します。
その時使われるのが、凍結洗浄です。繊細な回路に負荷をかけないように、細かいホコリを確実に除去するために使われるのは「霜」です。霜でホコリを包み、表面から浮かせます。そして一気に溶かす。すると水とともにホコリは流れるというわけです。
◾️熱交換器の洗浄に応用
エアコンもそうですが、ほとんど家電はできる限り小型化されています。大きな装置を入れ込むことはできません。このため、日立は、温度の上げ下げが可能な「熱交換器」のホコリ清掃に、凍結洗浄を採用しました。しかし、凍結する瞬間を実際に見ると見事なものです。冷蔵庫に霜がはった感じです。
それを一気に溶かすと、かなりの水量。もちろんキレイさっぱり流してしまいます。鮮やかです。
熱交換器の凍結洗浄を皮切りに、日立はユーザーが手を触れてはいけないところ、手を入れにくいところの自動清掃を次々モノにします。
2018 熱交換器の「凍結洗浄」
2019 「ファンロボ」によるシロッコファンの清掃
2020 「カビバスター」による室外自動掃除
そして2021年モデルは、熱交換器の水受けトレー(排水トレー)の洗浄です。
排水トレーは、熱交換器の下にあり、凍結洗浄が使えそうです。
しかし実現するには、技術課題がありました。
◾️凍結しないじゃないか?
ゲーム、漫画でもお馴染みの「凍結」。エアコンでも呪文を唱えれば、あーら不思議・・・、なんて訳にはいきません。モノを凍らせるなどというものは、人間が快適に過ごせる室温の中では、余程のことがない限り作れません。また、氷を放置しても周りを凍らせることがないように、凍らせるというのはかなり難しいことです。実際、熱交換器が凍結しても、何故排水トレイは凍結しません。
これは簡単な話で、排水トレイが冷える前に、空気から熱をもらってしまうからです。となると、熱をもらわない内に冷やすのが重要になります。一つのやり方は排水トレイを熱交換器に近づけることです。しかし、今でもくっついていますので、。
日立の技術陣が採用したのは、排水トレイに銅シートを貼ることでした。銅の特徴に熱伝導率が高いことが挙げられます。今使われているステンレスと比べると、約20倍の熱伝導率です。これで排水トレイも見事凍結。その上、銅は水に侵されにくい性質を持ちます。例えば上水道の鋼管のベストは銅製です。ちょっと古い映画「ロッキー2」でも、ロッキーがエイドリアンと結婚、新居を探す時、エイドリアンが「配管は銅ですよね」と聞くシーンがあります。水の味が変わらない、水漏れしにくいなどの特徴を持つからです。
排水トレイの場合は、水滑り(ぬめり)がなくなり、排水がスムーズになるなどのメリットがあります。
◾️確実に外に出す
凍結洗浄のホコリは細かいです。このため、少量の水でも外に排出できます。しかし溜まり始めると、そこを起点としてどんどん成長、詰まらせます。
実際、この夏、私がトラブルに見舞われたドレンパイプの詰まりは、排水トレーのホコリが基になるドレンパイプの詰まりです。ホコリ自体は、排水トレーから排出された水とともに流れてきたものですが、流れる水の量はそれなりですから、溜まりやすい。それがいつしか蓄積したわけです。
確実に「流し出す」のが大きなポイントになります。幸い凍結洗浄するとそれなりの水量になります。が、川の流れの様に絶えず新しい水が供給されるわけではありません。このため、確実にホコリを外に出してやるための工夫も加えられています。
工夫は水の「勢い」です。トレイの底に溝をつけてやったのです。水は狭いところだと流れが速くなります。このため底に溝を設けると、溝を流れる水が全体の水を引っ張り、勢いをつけます。(呼び水効果)
こうしてホコリは確実に排水管、ドレンパイプへと飲み込まれていきます。
また、凍結洗浄は通常の除湿より水量がありますので、通常のエアコンより詰まりにくい。詰まりには、いろいろな要素があるので、数字化できませんが、よりトラブルが起きにくいエアコンになっていると言えます。
◾️最後に
今回は、日立の新型「白くまくん プレミアムXシリーズ」の排水トレイを紹介しましたが、このモデル 紹介できていないエアコンの基本機能もしっかりしており、お勧めのモデルです。(快適にシーズンを迎えるための「プレシーズンお手入れ機能」、寒くならない「カラッと除湿」、冷やし過ぎない健康冷房「涼快」、快適な空調制御をもたらす「くらしカメラAI」など)
特に、リビングダイニング。狭いと特に、料理するたびに油の粒子での汚れが部屋を、エアコンを侵します。そしてわかった時は、エアコンの中は汚れがビッチリということも。日立の新モデルは、スィッチ一つでそれを予防できる優れものです。
そうそう、日立の白くまくんは、今年よりキャラもリニューアルされました。去年までは、黒鼻が目立つ愛嬌たっぷりのキャラですが、今年から、青いマフラーを付けたちょっと理知的に見えるキャラになっています。このモデルのアイキャッチでもあります。
商品のより詳しい情報は、以下のURLでご確認ください。
https://kadenfan.hitachi.co.jp/ra/
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2020年9月26日