2020年8月時点の、ドローン飛行に関する法律。
都内でドローンを飛ばせない理由。
日本は銃器、大型刃物が基本的に禁止されている国です。だから安全とも言えるのですが、問題は何かあると「とりあえず『禁止』」となることです。また、今まで社会になかったものもそうです。新しいカテゴリーを設けるのではなく、どちらかと言うと今あるカテゴリーに押し込んで「禁止」します。
そう言う意味で、ドローンも同じです。
◾️「首相官邸無人機落下事件」が引鉄に
ただ、ドローンの場合は、明らかにすごくまずい事件が起こりました。
2015年4月22日に起こった「首相官邸無人機落下事件」です。同日午前10時20分頃、官邸職員が偶然、屋上のヘリポート付近でドローンを発見し、警視庁に通報した事件です。回収されたドローンは中国 DJI社製の Phantom。直径約50cmで4つのプロペラが付いたクワッドコプタータイプです。それを個人改造してありました。白かった機体は黒く塗装され、小型カメラと茶色いプラスチック製容器を積載してました。容器は直径3cm・高さ10cmで中に液体が入っており、内部から微量のセシウム134とセシウム137が検出されたそうです。
いわゆる「威力アピール」ですね。
2015年1月26日には、アメリカ合衆国で泥酔したシークレットサービス職員が首相官邸に落下したドローンと同じモデルをホワイトハウスに落下させて周囲一帯が封鎖されたり、2014年にはテロ組織のISILが偵察に同モデルを利用していたなどで、このクラスのドローンでもテロは可能、「取締るべきでは?」となっていた矢先のことです。
結局、反原発を訴えたかったためやったと、福井県小浜市在住の当時40歳の元航空自衛隊隊員の男が福井県警の小浜警察署に自首し、「威力業務妨害容疑」で逮捕されました。微量のセシウム134とセシウム137は、積載した福島の砂 100gから出たものの様ですが、詳細は明らかにされていません。
当然、こうなると法整備が急ピッチで行われます。
そして今までに整備されたのをまとめてみました。
◾️200g未満の機体に適用されないのは、「航空法」のみ
ここで最近もてはやされている情報に、「200g未満なら、法律の対象にならない」というのがあります。では、その機体は、どこでも飛ばせるのかというと飛ばせません。
理由は適用されないのが、航空法だけだからです。
しかも条例は、各地方自治体が勝手に決めますから、知らない間に決められていたりします。
◾️トラブルを防ぐには
このため、東京都内で自由に飛ばすことができるところは、室内練習場だけという感じです。
本当は、地方などはどんどん規制を緩くして、ドローン操縦者を育成するなどの手もあったと思いますが、今や免許制で教習所に行きましょうって感じですか。
こんな時、国土の狭い日本は不利ですね。アメリカなら郊外では飛ばし放題なのでしょうが・・・。
そんな人へのドローンですが、まず200g未満の機体で自室練習をすこぶるすることを、まずお勧めします。次に、話のわかる地主さんに交渉。外で飛ばしてみる。そして、免許を取りながら、大型へステップアップするのが、いい感じです。
しかし、こんなんじゃ新しいものは、なかなか流行りませんね。社会への迷惑の掛け方もより複雑になっていますし・・・。
後、空を諦めて潜水ドローンに手を伸ばす方法もあります。
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2020年9月6日